21話 久々の神さま
俺はラナリリスの元に戻り、礼を言った。
彼女は、「先ほどのことは誰にも言わないですので安心してください」と言ってくれた。ありがたい。
自分の部屋に戻り、ベッドに横たわる。
もう、忘れよう。俺は散っていった奴らの主人であって、散っていった奴らの仇を取る人じゃない。
そのために、俺はもう一度の人生をもらった訳じゃないだろう。
「死んだものたちの分も生きる」とはよく言ったものだ。今なら、意味がわかる気がする。
俺は天井を見る。すると、そこに見覚えのある顔が出てきた。それは瞬時に大きくなっていき…視界が真っ黒になった。
「ぷは〜!いいベッドだな!お、久しぶりだね!えーと、バーザール君?かな?」
「ええ、そうですけど…あなたは……?」
そう聞こうとしたところで、思い出す。こいつ、俺が転生した直後に出てきた神じゃねえか!
「どうもお久しぶりです神様。あなたが下さった全知王のおかげで生き延びれております」
「え、僕があげたものじゃないよ?君が初めから持っていたものだよ」
「え?」
そうだよ。と顔が物語っている。
「それで、神さまはなんのために来たんだ?」
「えーっと、まずは言わなければならないことがあるんだ。申し訳ないけど…」
「なんだ?なんでもいい。言ってみてくれ」
「世界大戦は止められない。止まる道が見当たらなかった」
え。
「ちょっとまって。それは、どういう意味だ?」
「言葉の通りだよ。世界大戦は、止まらない。必ず起きてしまう」
「いやそうではなく、未来に干渉できるのか?!」
「僕は未来が見えるだけだよ。操作できる訳じゃない。何せ神なんだから、直接干渉なんて御法度だよ。他の神々に怒られちゃう」
「そうか…」
これは、この地も戦火に巻き込まれることを意味する。一応、ホガ=ドルナと近いからな。となると…
「あれ以上の苦しみが、この国の至る所で起きると言うことか?」
「……そうなる」
「それで、次の知らせは?」
「君は今のことがショックじゃないのか?」
「いちいち落胆なんかしてられないだろ。起こるのは変えられないんだ、解決法を考えるしかない」
「成長したなぁ。まあいいや。2つ目のことなんだけど、その起こってしまう戦争である人物が名を馳せることになる。その相手と、君ら5人の誰かが戦うみたいなんだ」
「その『誰か』が一番大事なんだけどな…」
「しょうがないでしょ!ちょうどそれが見れそうなタイミングでパワー切れ起こしちゃったんだよ」
「まあそれが俺ならなんとかなりそうだけどな…あの4人となると、少し厳しいんじゃないか?銃が使われる戦争で名を馳せるって言うことは、すなわちとてつもなく強いってことだろ?」
「君、彼らを舐めているの?彼ら、技を除いた能力だけで見れば君より強いものばかりだよ」
え?マジで?
「とりあえず、彼らについていってみればいいんじゃないか?彼らとともに戦闘経験を積めばわかると思うよ!」
そうか。あの4人は、強いのか。あれ?俺たちで、戦争を止められるとかできないかな?
「あーどうだろう…」
「流石にそこまではわからないか。でも、ありがとう!これで、何をしたらいいかがわかった!」
彼らと、戦争を止める。そのためには、俺は強くならなくちゃいけない。あの技を、完全に制御できるようになるんだ。
「あ、まずい!もうすぐで来る、じゃあ!」
「ああ!また!」
直後、キュラゴクスらが駆けつけてきた。
「バーザール!治ったというのは、本当か?!」
「私が信用できないと?」
「いや、そういうわけではないんだがな」
ラナリリスが鋭い視線を向ける。怖いな。俺なら気絶しそうだ。
「うん、完治した!これで、いつも通り動ける」
「言ったでしょう、キュラゴクスさん。では、私はそろそろ帰ります」
「ああ!見ていてくれてありがとうな!」
「ありがとう、ラナリリス」
そう言って、彼女はここを出ていった。途端に、キュラゴクスがやかましくなる。
「よし!バーザール、まずは飯だ!たくさん食べて元気を出せ!それから、2日後に指名で俺たち二人に仕事が来てるぞ!」
初仕事。どんな内容だろうか。魔族の討伐?だよな。したくないが…もしすることになったら、ガルヴァは置いていこう。




