13話 会話直前
上空から、バーザールは戦闘地点を見渡していた。
(くっそ、何をしようとしても聞かねぇ!)
暴走を止めようとしても、ことごとく無視される。体の方は、勝手に悪魔がいるところへ行こうとしているみたいだ。
(何がしたいんだ?もしかして…)
〈強制解除失敗。再度挑戦します。〉
また失敗か…!あの怨霊、どれだけ迷惑かければ済むんだよ…まああんな死に方したらこうもなるか。
懸念点は森がどうなるかわからないのと、人間の街がまずいことだな…
(あ、そういえば別にこの街に執着しなくてもいいか…?首都じゃないんだし…)
〈この街が失われることでの貴方様への不利な点を検出します。〉
おお、ちょうどいいところに。
〈………検出完了。不利な点は2つ。一つ目は、対魔族武器の強化です。これにより魔狼の生存が厳しくなりますが、今は各国が対人戦に重きを置いているのでそこまで大きな差はないかと思われます。〉
それは良かった。もしあいつまで死んでしまったら…いや、考えるのはよそう。
(それで、もう一つは?)
〈全世界、全人類にドラゴンの復活という事実が広まることです。今はまだこの国の重要人物にしか知られていませんが、一つの街が突如としてなくなると情報統制が行き渡らないことが予想されます。これにより活動時の素性バレという事故の可能性があがります。〉
……?まずいのか…?どうせいつかはバレるんだ、今バレたとしても変わらないだろ、たぶん。
〈理解。よって大きな不利はないと思われます。〉
よし、大丈夫だな。あとは…
(ガルヴァ、聞こえるか?)
(はい、なんでしょう?)
(俺は今人間の怨念らしきものに本体の主導権を取られている。あいにく暴走まで起こっているみたいだ。本体が行っている方向からして悪魔と戦闘になる可能性が高い。街が潰れるレベルのやつだ。お前には死んでほしくない、今すぐ逃げて欲しい)
(バーザール様は…?無事なのですか?)
(ああ!大丈夫だ、早く行ってくれ!そろそろ…)
悪魔がいるところに着きそうだった。勝手に俺の体を乗っ取ったんだ、奇襲する可能性だってある。
もっとも、乗っ取っている魂は魔気を抑え用途していないせいでバレていそうだけど…
(……了解しました。くれぐれも、お気を付けてください!必要になりましたら、いつでもお呼びください…)
よし、これで恐るべきことはなくなったな…そういえば、今の状態での対悪魔の勝算はどれくらいなんだ?
〈93.4%。ほぼ確実に勝てると思われます。〉
…その6%を引かないことを願おうか。南無阿弥陀仏…
悪魔の上空についた。驚くべきことに、俺の体からは魔気が出ていない。それも全く。
だから、悪魔はこっちに気がついていない。どうやら、生き残った兵に近づいているようだ。
(あれ、あの姿…?レオンか?)
それがレオンだと確信した瞬間、俺の体は魔気を全開にしていた。悪魔が、こっちを見る。




