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160:店舗特典SSにまつわるえとせとら

カテゴリ:タイトル回収 長文 不条理

 やあ、店舗特典は可能な限り集めている、くまだよー!


 まあ作品の好きレベルによりますが。

 というわけで、今回は久しぶりに比較的真面目(?)に考えてみる話。


 なろう作品に限らず、書籍化にあたり出版時に『販促』の為に書き下ろしで書かれた短編が付属する場合があるのは、皆さんご存じの事でしょう。

 あ、ちなみに『販促』とは販売促進の略語であり、短編は『SS』(ショートストーリーの略)と表記される場合があります。

 

 すこしばかり話をそれて、なろう作品の書籍化における傾向の話をしましょう。

 書籍化になって……


 1・なろう掲載時のままで書籍化(誤字脱字の修正のみ)

 2・なろう掲載時のまま+書き下ろし短編が付く

 3・なろう掲載時のまま、書籍版追加ヒロインが限定的に付く(ほぼ駄作になる)

 4・なろう掲載時から追加で登場人物が増えて全体的に流れが変わる(例:オーバーロード)

 5・なろう掲載時から世界設定だけ同じで全く違う話になる(例:ネクストライフ)


 と大まかかに5つの形態で出版されている。

 なろう自体が無料コンテンツなので、作品を売るという観点からすればなんらかの販促は必要不可欠な事をまずはご理解して欲しい。

 これ重要です、いやほんとに。

 1ですと作者は楽なんですが(失礼)、販促としては『イラスト』だけで勝負を掛けるわけですね。

 販促的観点からの『イラスト』に付いては爆死している作品が沢山あるので今回は省きます。

 4と5についてはもう別物となるので、書籍読まないことには話になりませんので十分な販促であるといえます。

 ただ、改編がよい方向に転がるかは別ですが。

 2においては本編の補足的な話、サイドストーリー的な物が多いですね。

 いわゆる裏話、こぼれ話的なものなので十分販促になりえます。

 3は……まあ、本編に修正なく短編的に書籍版ヒロインを突っ込んで満足する作者か編集の悪意の固まりです。

 大抵は全体のバランスがおかしくなるので読んで後悔する系統の販促です。

 つまり続巻が売れなくなるという。


 ここまでが、なろう作品における『作品本体』の販促形態です。

 つまり『出版社』側の販促ですね。

 どんなタイミング(発売時でも十年後でも)でも、中古本でも、貸し出しでも、本を読みさえすれば『誰でも』得られる機会があります。

 


 で本題の『店舗特典』です。

 

 この店舗特典とは、皆さんご存じの通り『特定の店舗』で購入したときのおまけで付いてくる特典です。

 まあ短編に限らずに、クリアファイルだったり、栞だったり、ブックカバーなどのグッズが付く場合もありますがここでは省きます。

 これには問題点がいくつか有ります。


 1・その店舗で買わないと読めない。

 2・新刊、場合によっては初入荷時にしか特典が付かない。

 3・販売店舗が地元(通常活動範囲内)になく、通販もやっていない。

 4・おかねがない。

 

 1の場合、これが1店舗だけであればそこで買えば話は終わりです。

 ですが大抵複数店舗で行われ、『店舗毎に内容が違う』のが問題です。

 読者としては全部を読みたいという欲求が生まれるのは当然な事ではないでしょうか?

 ファン(もしくは信者)ほど熱狂的ではなく、経済面での折り合いも有るので実行に移せる人は限られるので、『逆恨みする読者』がまれに産まれます。

 

 2の場合は切実です。

 アニメ化などしてファンになったので原作を……読んでも面白いと思ったけど過去の特典も読みたいけど読めない! なんて経験をした人は少なくないはずです。

 後述する3にも掛かることなのですが、店舗によっては入荷数以下の特典しかなく『先着順』であるとか、入荷数が少なくて当日に行っても売り切れていて買えなかったとか、むしろ入荷すらしていねぇよと血の涙を流す経験をした地方民は数しれないでしょう。

 

 3の場合はもう諦めの境地です。

 大店舗といえども、全国47都道府県に出展している訳ではありません。

 場合によっては作者出身地の大型書店とかが参加する場合があるので、都内にでれば全部集められるとか無理な場合もあり泣けます。

 また、通販をやっていても特典が付かない場合があるのでさらに泣けます。

 サイトに注意文「特典は付きません or 付かない場合があります」がないギャンブルな店舗があったりしますよ。

 

 4はもうそのままです。

 熱狂的なファン、あえていうと信者以外は複数買いは厳しいですよね。

 ネタで「読む用、保存用、布教(貸出)用」で3冊までは当然なんてのがありますが、信者はこれに「御布施」が追加されます。

 なお御布施の数には際限はありません。

 特になろう作者は『売れないとエタる』傾向が強いので、信者になってどんどん御布施しましょう。

 

 ここまでは良いでしょうか?

 これが……



 『読者側の視点であり、問題点』



 です。

 ここに挙げた以外でも、読者の皆様におかれては様々な要因で『店舗特典短編』を容認出来ない方も出来る方も居られるでしょう。

 くま自体は特典に賛成派であり、購入が厳しい店舗は『仕方がない』と割りきってます。

 割りきっても読みたい物は読みたいのですが!

 結局の所、『店舗特典短編』は読者側の努力、言い方が悪いですがそれなりの犠牲を払ってでしか『読めない物』なのが問題なのです。

 

 

 まあなんで、こんな話になるかといいますと。

 とある作品の感想欄を見たからなんですよね。

 感想を記入した読者さんの特定に繋がりそうなので作品名は伏せさせて貰いますが。


 この作者さんの作品も1冊につき、複数の店舗特典を書いて居られます。

 くまが作品を知ったのはすでに2巻が刊行済みで3巻発売間近のタイミングです。

 なろうで読んで面白かったので書籍の購入を決めた時はもう3巻の特典は入手できず、悔しい思いをしたものです。

 おっと話がずれたな。

 

 で、この作者さんがこの度『店舗特典を集めた短編集』の発売が決定した事を発表したのです。

 くま個人としてはもうひゃっはーと吠えるくらいの喜びです。

 後述しますが『店舗特典』の性質上、書籍やウェブに乗せることが厳しい物なので快挙といっていいでしょう。

 もちろん、この作者さまだけでなく店舗特典の短編集化やウェブ掲載をしている作者さまも何人かは居られますが……


 『極めて希な事』


 であるという認識をこれを読んでいる方には持っていただきたい。

 それでくだんの作品に書かれた感想に……


 『短編集になるのは嬉しいけれど、地元じゃ(特典は)手に入れにくい環境だし、複数書かれて同じ本を何冊も買ってもゴミになるだけですし、そんなに売りたいのですか? 店舗特典商法は嫌いです』(要約)


 といった事が書かれていた。

 うん、なんかね、もうやるせなくなったよ。


 短編集~、同意。

 地元じゃ~、同意。

 複数~、信者じゃなければしかたないので同意。

 店舗~、なんともいえない。


 なのですが……


 『そんなに売りたいですか?』


 この一言だけは改めて貰いたい。

 前述したが、作品の感想欄に書くと言うことは『作者に向けた意見』であり、『逆恨みした読者』としか、くまには思えない。

 まあ、書いた読者が誰にたいして『売りたい』と聞いているのか、本人ではないのでわかりません。


 作者さまの心情はわかりませんので触れません。


 本体に付属する短編については『出版社』の売りたいという意思からの販促行為なのは理解できますよね?

 商品(作品ではない)として売り出す以上、結果を出さないといけないわけですから『売れるための努力』=販促をすることは当たり前の事です。

 なので作者さまには書籍版書き下ろし短編などを依頼して、ウェブ版との差異をだして読者に買わせる努力をしているのです。

 一部、追加ヒロインだせば売れると思ってる編集やタイトル変える編集が止めを刺す場合もありますが……

 

 では『店舗特典』はどうでしょうか?

 本という性質上、消耗品ではないので、は一冊買えば事が足ります。

 読者側としては何処で買っても同じなのです。

 出版社側としては何処で売れても同じです。

 ですが店舗側としては自店舗(系列)で売れなければ利益にならないのです。

 累計5万部売れている作品だろうと、自店舗で5冊しか売れなければ話にならないのです。

 本は一人に一冊しか売れないのが基本です。

 なのでいかに自店舗で買って貰えるかが問題となるわけです。

 売る商品はどこも同じ。

 立地とか店員の態度とか色々要素はありますが『店舗独自のおまけ』を付けるのが一番安易な案でしょう。

 そう、他店舗との差別化です。


「うちは独自の短編が読めますよ」


 と。

 同じ価格で片方は短編がつくとなれば、どちらで買うかは自明の利ですよね? ファンならば。

 

 なので店舗側としては特典をつけたがるのですよ。


・店舗側が作者にお願いしている。(出身地店舗ならありそう)

・店舗側が出版社にお願いしている。(発注数の増加の確約)

・出版社から店舗側にお願いしている。(特に大手)


 と経路は幾つか想像できますが、実際には分かりませんし、全てが同じであるとも限りませんしね。

 

 極論を言えば売れなければ店舗も、出版社も、作者も困るのですよ。

 売れないと利益にならない店舗、続巻がだせなくなる出版社と。

 なので『店舗特典』については読者側が歩み寄らないといけない事案だと、くまは考えています。

 ぶっちゃけると。


 『買えない物は諦めろ』


 なんですよ。

 納得なんかできなくとも、理解はしてあげてください。

 どの作品の感想欄や作者のコメント欄でも見受けられる一文ですが、


 『全部纏めて短編集でだしてほしい』

 『ウェブで公開してほしい』

 『次巻などに乗せてほしい』


 などがあります。

 くまも肯定する意見ですが、実はこれ非常に厳しい。

 これを記入する読者の大半は知らないのだろう。

 知っててあえて記入して作者や出版社を動かす狙いがある読者も一部にはいるだろうが。

 なぜかというと、


 店舗特典の『所有権』を持ってるのが各店舗だから。


 作者や出版社がもってないんですよ、これ。

 ここ一番大事な事ですよ。

 作者がもっていれば、自由にウェブで公開できますし、出版社がもっていれば出版だってできます。

 だけど各店舗が所有権をもっているので、各店舗に許可を貰わないといけないのです。

 作者が書いたものなのに、作者が自由にできないのはおかしくない?

 と思う方は所有権について各自でお調べ、納得出来なければ法律相談所へご相談を。

 

 生々しい話をするとですね。

 ウェブ公開とかは作者さまが頑張れば可能だとおもうんですよ。

 実際やっている事例があるのですし。

 だけど、それをやっちゃうとね……


 いずれウェブで公開されるんだから、この店舗で買わなくてもいいや。


 って事になっちゃうのですよ。

 全員が全員とはいいませんが、一定数はかならず居ます。

 同じく次巻などに載せるのも、いずれは載るのだからと思いますよね。

 ちなみにウェブ掲載などを一度やったあと、次の分をウェブ掲載しないと文句をいう声の大きな読者は間違いなくいます。


 そしたら店舗側としては特典書いてもらうメリットってない訳ですよ、一概には言えませんが。

 それに店舗特典の短編については『原稿料』が出ないと言う話を聞きます。

 全作者さまがそうであるかは不明ですがね。

 店舗と出版社で入荷数のやり取りくらいはあるだろうと邪推はしますがね。

 それもまあ、委託販売という形式上微妙なのですが。

 ああ、出版社の発表する発刊数ってのは実際に刷った数で、販売数は出版社から発送した数で返本数は引かれてないんですよね。

 なので初回に発注数が増えるのは出版社的にはメリットになり得る……のかな?


 まあ長々と書いてきましたが、


 読者視点だけでなく、店舗、出版社、作者側の視点も考慮にいれて『店舗特典』について考えて欲しいなと。

 どうしても容認できなくても、くまは仕方がないと思いますけど。


 でもね?





 作者に向かって、『そんなに売りたいのか』なんて言うのだけはやめて欲しい。




 ちょっとばかり『心ない言葉』だと、くまは思いますよ。

 短編集で出せるほど巻数が続くように、一読者としては応援(購入)したい次第です。

 店舗特典は店舗に所有権があるのだから、いつ買いにいっても付けてくれていいじゃん! ってくまは思う。

 一昔前なら一ヶ所で印刷した物を各店舗に配布して終了したら終わり、という事ならば諦める他はないのだけどね。

 今はデジタルデータでの配信で各店舗で印刷するスタイルなので、該当する本には必ずつけてよという読者視点的わがままを思うも、初回ならともかく追加納品分にまで手を掛けられるかという店舗視点での弁解も理解できてしまうくまー。

 実際に店舗とすれば、付けても付けなくても一冊の利益は変わらないので人件費を考えると初回分に付けるくらいしかできないというのは納得しなければならない話である。

 でも、系列店舗で初日に買いに行き、特典の確認をすると微妙な顔をされるのは心に来るのでやめて欲しい。

 いやほんと、悲しくなるんで。

 社名が変わる系列ほど特典についての申し送りが出来てない事が多くてね。

 実際地方に住んでいるとなろう系の書籍って取り扱い数が少ないんですよ。

 メイトとかメロンとかツタヤみたいな大手店舗は別ですけど、大型店舗に併設しているような小型書店の場合は特に厳しくて、棚1つしか割り当てがないなんて事は当たり前なんです。

 下手したら棚半分とかもありうるしな……

 そして件の系列店舗なんですが、4巻ほど連続で購入して、毎回店舗特典は忘れられるので毎回店舗特典がつくはずなんですが……と訪ねて微妙な顔をされていたのですが、5巻目から入荷しなくなりやがった。

 毎回入荷数は多くて3冊程度で、くまが必ず一冊は買っているし、棚の在庫は見受けられない状況だった。

 一度コミカライズしてコミックが出たときについでに何冊か既刊を再入荷したときも、その後訪れたら売れたようなので、売れていない作品ではないと思うのだけど……

 やはり毎回店舗特典を請求するくまがうざかったんだろうか……

 運が悪いことにその作品、初回封入短編(初版にのみ同梱)というチラシみたいに本体とは別で短編を書いているので、これ(初回封入短編)のことじゃないんですか? いいえ、店舗で用意する特典ですよと2回ほど微妙な言い争いになった事があるからなあ……

 やっぱりくまがうざかったんだろうか……

 さすがに70kmもドライブして入荷してませんと言われたときのショックは酷かった。

 二回続けてそれをやられて、その店舗の特典は諦めることにした訳だが……


 と言うわけでFUNA先生には是非に店舗特典類短編集をいずれ出して欲しいです。

 うん、切実にそう思う。

 さすがに1冊に書き下ろし短編を11本掛かれるとお財布に厳しいんです。

 半端信者ですいません。

 頑張ったけど物理的に7割回収しかできんかった……田舎は店舗がないんです。

 東京でるのに往復2万円掛かる田舎なんだぜ!


 でもFUNA先生の良いところは、特典短編で書いたネタ、キャラはウェブ&書籍本編には出さないという事を貫いていることですね。

 アニメ化にもなった某作品の某作者さまは書籍でしか登場しないキャラをウェブ版で平気でだしたりしてますからね。

 これは本当にやめて欲しい。

 しかも説明一切なく、読者は知ってて当たり前だろう的な書き方で登場させてるのできついんです。


 書籍特典のドラマCDなんかは、下手したらようつべとかにことかで聞けたりしますけどね(違法です)

 店舗特典も探せばどこかでウェブ公開していそうな気もしますが(もちろん違法です)

 別話でも触れてますが、店舗特典短編は世界観が広がる一つの要因でもあるので、くま個人としては賛成なんですよ。

 だけど『読めない読者』が存在するという事を踏まえて、作者さまには書いてもらいたいと思うくまー。

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