102:畑効果!?
カテゴリ:うんちく マンガ 世知辛い話
やあ、リョーコさんはいつ再開するのかな? なくまだよー!
すこし下世話な話をしよう。
我々が親しんでいる紙媒体。
そう、雑誌やコミック、小説といった『書籍』にまつわる話だ。
書籍の販売形態というのは基本『委託販売』となる。
委託販売というのは、取り合えず店頭に商品を置かしてもらい、一定期間で売れた数だけ卸原価を回収する方法だ。
同人誌販売に手を出している人ならば経験済みだという方も多いだろう。
店舗側としては売った分だけ利益が上がり、売れ残ったら返品するだけの美味しい販売形態だ。
まあその分利益率(儲け分)は低いので、万引きされると致命傷になる。
例えば……1冊500円の雑誌がある。
この雑誌の仕入れ値が450円。
1冊売れば50円の儲けである。
店舗側は販売スペースを確保するだけで、1冊売るごとに50円の利益。
しかし万引きされると450円の損失になる。
1冊万引きされると、9冊売らないと損失補填にならない。
例は極端な原価率設定ではあるが、概ねこんな感じになっている。
なので万引きは止めよう。
話が逸れたな。
大手書店は知らないが、小規模店舗やコンビニなどはこの委託販売。
納品数の決定権は出版者(配送センター)側に委ねられている。
あ、希望はあげられますがね。
基本は納品した数を売り切ったら、次回は増える。
売れ残りが発生したら、次回は減る。
と覚えてもらえればいいです。
そりゃね?
100冊納品して5冊しか販売されず、95冊返品するA店と。
50冊納品して50冊完売しているB店。
こんなんだったらB店にA店の分渡した方が売れそうだものね!
出版者としたら返品されたら丸々損なんだからさ!
という、事前情報を踏まえて頂いて本編。
『日曜日』という週刊雑誌がある。
屋台骨の『死神探偵』が長期休載に入ったためか、うちの店舗では売り上げが落ちて落ちて……
どんどんと納品数が減らされてしまったんだ。
まあ、講読者の若いゾーンが減ったともいうが……限界集落なので。
ここ半年ほどの納品数は1~2冊である!
いや、マジの話で。
しかもほぼ返品(笑
1ヶ月(4回)で1冊売れればいいかなーという凋落振りに目頭に熱いものが込み上げてきます。
まあそれでも『跳躍』や『雑誌』に続く業界3柱の一つなので、納品カットになることはありません。
そう! 『王者』とは違うのだよッ!! 『王者』とはッ!!
……『王者』なー、3連続全返本(各1冊納品)したらカットされて納品されなくなったんだよなー。
そんな綱渡りをしている『日曜日』に転機が訪れた。
そう、『ハヤテ※ごとく』の畑先生の新作が連載開始したのだ。
売れた。
久しぶりに『日曜日』が当日に品切した。
流石に出版社も気合いをいれたのだろう、第一話掲載誌の納品数が2冊だったのだ!
2倍ですよ!
前週比率200%ですよ! 奥さまッ!!
いやまあ、ベースが1冊なんですがね。
そして週を重ねる毎に納品数は増えていき……なんと3月第3週の納品は5冊です!
5冊ですよ!
この期間中、他に新連載とか始まってないので(ないはず、あったらごめん)間違いなく『畑効果』であろう。
うちの店舗だけかもしれないが。
いやまあ、ベースが1冊ですからね?
5冊に増えたら500%達成ですからね?
普段50冊売ってる店が60冊売れてるくらいかもしれませんよ?
そんな訳で、有名作家効果を目に見た訳です。
とりあえず……この作者は夜中にヒロインを拾う(出会う)導入しかしないのかなーとは思う。
そして第一話と同時掲載された久米田先生の応援(?)漫画の方が面白かったのは内緒。
業界全体の話になるけど、一昔前より『汚い』作品が多くなった。
絵が荒いともいえる……いえるのかなぁ?
なんか殴り描きみたいな印象を受ける作品が多いんですよね。
比較的『跳躍』マンガはその傾向で、『日曜日』が丁寧、『雑誌』がその中間……というポジションでした(くまの中では
『神聖モテモテ※国』は掲載当時『汚い』部類にはいっていたのですが、それが『綺麗』『丁寧』に見えるんですよねぇ
うーん?




