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第七学園 「生徒会とは、学校の僕となり下がったな、青年」

第七学園 「生徒会とは、学校の僕となり下がったな、青年」


「青年」

「なんですか?紗川さん」

俺の目の前に、頭の後ろで結っている、ポニーテールを揺らしながら、紗川 魅穂が現れた。

ゲームで例えるならエンカウント。今の俺にとっては魔王以上に厄介な人だ。それに、学校の廊下でのエンカウントだ。魔王と廊下でエンカウントするなんてどんなRPGだ……。

紗川さんの武器は言葉攻めでの精神的攻撃、発射まで約0.5秒の早業。きっと的確に記憶の引き出しから、言葉を巧みに、瞬時に選んで攻撃するのだろう。

「その腕の腕章はなんだ?まさか、なり果てたか?」

紗川さんが見つめているものは一点集中。俺の腕につけられている、真っ赤な腕章に集中していた。

その目で人が殺せるんじゃないかと思うほどに様々なものが詰まった目だ。

紗川さんが見つめているもの――左腕についている腕章を右手で強調するように持ち上げる。

「……見てもらえれば分かる通り、生徒会副会長の腕章です」

「ふっ――生徒会とは、学校の僕となり下がったな、青年――」

一層目の鋭さが増す。本当に怖い。ファリクサーで戦っていた頃より恐怖を味わっている気がする。

そして、また言葉を彼女は紡ぎだす。

「――戦争だ。雹尾!」

「ハァーッハッハ!紗川嬢の名を受けて雹尾 志乃参上!」

何処からか参上したのか、志乃が紗川さんの数メートル後ろに着地していた。

上から来たにしても志乃の数メートル上は天上だ。

いつものことながら何処からでもくるな……。

それより

――。

「戦争……?」

戦争ってアレだよな……戦いだよな。なんで学校で戦争始めようとしてるんだ?紗川さんは。

「受け取れ」

ボスっと俺の手元に紙が投げられた。

「何だこれは……?志乃、果てしなく意味のわからないものをよこすな」

「フッ……さて、紗川嬢、行きましょう」

「そうんだな……青年。その紙はしっかり生徒会長に渡してくれ」

「……」

手の中にある紙を見る。丁寧に折られており、裏返すと果し状と書いてあった。いや、こっちが表なのか。紗川さんも何しようと思ってるんだろうな……。

疑問を抱きながらも、生徒会室への道を歩きだした。

……

「ふ~む……いいねっ!戦争しよう!」

「「「……」」」

生徒会室の空気が固まった。今、生徒会長様は何ていった?戦争しよう?あの二人が相手なんだぞ……?

あの二人はいうなれば核兵器級の危険対象だ、この学校で爆発したらどうなるか。

「あ~……ちなみにそれには何て書いてあったんだ?」

冬が、終いかけていた紙を再び開き、読み始めた見たいだ。目が上下に動いている。しばらくしたらこっちを向いて口を開いた。

「拝啓 比良乃 冬 現生徒会長様――戦争しようby紗川&志乃。だって」

「……それだけ?」

「うん、それだけみたいだよ、なえかちゃん」

いつの間にか冬はなえかのことをなえかちゃんと呼ぶようになっていたらしい。それにしても、志乃は生徒会側じゃなかったのか?

「それだけなのか。その前に、志乃は生徒会の人間じゃなかったのか?」

「輝くんがくる数分前に辞表提出してきたよ」

「……アイツはそこまで真剣なのか」

「そう、みたいだねっ!」

「それより、戦争しよう、だけじゃ何も分からないよな」

「そうだね……輝くんは何も聞いてないの?」

「聞いてないな、一体なにするつもりなんだろう――」

その時、生徒会室に近づく足音が聞こえてきた。地響きが起きているかと錯覚するほどの足音だ。

どんな巨漢が歩いてきてるんだ……?

「お使い行ってき――」

勢いよく、生徒会室の扉が開いた。そこにいたのは陽樹だった。両手に荷物を持っている。

外から見る限り、ジュース、お菓子など様々なものが入っているように見えた。冬やなえかが命令したんだろうか。

陽樹の顔は……もう言葉に表せないほどに歪んでいて、汗も噴きだしていた。あいつ……もうパシリ受け入れたのか……と、考えていると陽樹の頭に何かが刺さった。

「……」

またもや空気が固まる。よく見ると、刺さっているのではなく。陽樹の頭の上に止まっているだけだった。

陽樹はクタクタと力なく倒れ、買い物袋の中にある様々なものが音を立てて落ちた。

そして、俺はいち早く、陽樹が入ってきた扉の反対側――空気を入れる為にあけてある窓を見た。

目に映ったのは、窓から見える反対側の校舎だった。しかし、誰もいないみたいだ。

多分反対側の校舎からやって来たんだろうけど……こんな芸当をできる奴は知り合いには志乃と紗川さんぐらいしか思い浮かばない。

あいつらは、本当に学生なんだろうか、と時々思う。

「輝くん?聞いてる?」

そんなことをボーッと考えていたからか、いつの間にか冬や咲が騒いでいることに気づかなかった。

振り返ると、咲が俺の目に焦点を合わせて、心配そうな顔でみていた。

「ああ……ごめん。聞いてなかった。なんだって?」

その俺の言葉に、なえかが答えた。

「んー、陽樹の頭に乗っかったのは、矢みたい。何か紙がくくりつけてあるし……」

見てみると、矢のような形状で、真ん中あたりに紙が括りつけてあるようだった。

あれは何て言うんだったっけ?そんなことは今はいいと頭から振り払う。

陽樹の頭から矢を取ったなえかは、丁寧に矢に括りつけられている紙を取り外して、読み始めた。

「生徒会の皆様。今週の土曜日、夜8時から学校にて戦争を開催したいと思います。参加人数は学生全員。私達、反生徒会vs生徒会

に分かれて戦いたいと思います。先生に対しての根回しは既に完了しており、後日のプリント配布にて生徒全員にこの戦争についてのルールを説明すると共に、反生徒会側か生徒会側に一般生徒についてもらう形になります。人数調整など細々したことは私達がやらせていただきます。つきましてはルールの説明ですが――」

なんだ、この長い文章は。それに結構分かりづらいぞ……。

……

「――します」

やっとなえかの説明が終わった。

重要な所だけを抜き出すと、参加は生徒全員。戦争には大将を用意して、大将が討ちとられたら負け。最初に武器である、おもちゃの銃を手渡して、それを武器にして戦うらしい。

弾はBB弾で、討たれたら倒れて死んだふりを戦争終了までしないといけないらしい。もし死んだふりをしない場合は死よりも恐ろしい罰が待っているらしい。

死んだ相手から銃を奪うのはOK。しかし、顔などに弾をぶつけた場合は即座に銃を撃った側は罰を受ける。味方に当たった場合も当たった人は死んだふりをしなければならない。

学校側もよく承認したな、という内容だった。いや……ここは普通の学校と思っちゃいけないよな……校長があれだから。

「大将は輝くんね」

「はっ!?冬、どういうことだ」

「いいよね?皆も」

「うん、それでいいと思うよ」

なえかが賛成の声をあげる。

続いて、咲も声を発した。

「輝くんなら安心だね」

駄目だ。断れる雰囲気じゃない。まぁ……いいか。

こういうイベントを楽しむのも悪くないと思った。

「分かった、でもやられても恨むなよ……?」

「大丈夫、輝くんは大丈夫」

どこからその自信はくるんだ、冬。

……

生徒会が解散した後、俺はなえかに呼びだされて、夕日に染まる屋上に呼びだされた。

「で、なんで屋上なんだ?」

「真剣な話があるからだよ」

「真剣な話?」

なえかが風になびく髪を抑えながら、こちらを今までに見たことが無いくらい真剣な表情で見据えてきた。

本当に真剣な話なのだろう。

「そう――聞きたいことがあるの」

「答えられることなら答えるけど」

「ありがと。聞きたいのは咲のことなんだ。輝は……咲に告白したよね?咲がアルクェル帝国にさらわれた時」

「……あ、ああ」

「それは、咲と付き合いたいとか……それで告白したの?」

「……」

答えられなかった。そういう意味での告白ではなかった。

考えても、考えをまとめようとしても。

解らないのだ。

解らない。

「……その顔は分かってないね……。それじゃあもう一つ質問。咲と私、どっちが好き?」

「は……?」

「いいから答えてっ」

「……どっちも比べられないくらい大切な人だ」

「そう――」

「……」

なえかの顔が俺を見据えたまま停止する。

時間が流れていないようだった。先ほどまで流れていた風もすべてが止んでいる。

本当に世界が止まっているようだった。

数分の静寂……俺は何も考えられなかった。何故か居たたまれない気持ちになった。

俺が耐えられなくなって顔を逸らそうとした時――。

「ぷっ……あはは」

「……どうしたんだよ、なえか」

なえかの表情が和らいだかと思うと、次にはなえかは笑いだしていた。

めいっぱい笑っている。笑顔にすら見える。

「ううん、なんでもない。咲、聴いてた?」

「うん、聴いてたよ」

俺の後ろの扉から咲が現れた。

なんでそんな所にいるんだ。

「どう思う?」

「どっちも本当なんだと思う。私だけが特別じゃないのは残念だけど……これが輝くんだからね」

「やっぱり咲もそう思う?」

咲はコクンと頷いた。

「何の話だ……?」

「輝は黙ってて」

「そうそう、輝くんは口を閉じてて」

「……」

さらに数分後。

咲はなえかの所まで歩いてから、右手と左手を後ろで組んで、こちらに振り返った。

咲の短い髪が揺れて、夕日に照らされている。

「輝くんは、いつでも輝くんだね」

「当然だろう……?」

「輝には鈍感・ザ・鈍感の称号をあげるよ」

「なえか、それは何だ……」

「だから称号。みーんな多分、輝のこと鈍感・ザ・鈍感。だと思ってるよ」

「……?」

俺は釈然としないままだ。どうしてなえかはこんなことを言い出したんだろう。

もしかしたら最近なえかがやったゲームにでもそんな単語があったのかも、知れない。

「まぁ良いとして……輝、これ見てみて」

なえかが紙を渡してきた。何時の間にこんなものを持ってたんだ?

紙を見るとそこにはこう書かれていた。

「女装研究部……?」

「そう、輝の女装姿を研究するんだって……」

「……」

俺の日常が執行猶予も何もなく、崩れ始めた……気がした。

……

「晴天晴天……!」

「いや、夜だから晴天とは言い難いぞ」

「いいのだよ!雰囲気が大事っ」

「そんなもんか……」

「うんうん」

「早く始まらねーか」

「陽樹、お前、いち早く突撃して死にそうだよな」

「輝、俺に任しとけ」

「あー……分かったよ、お前に任せるよ」

陽樹を適当にあしらう。そして、俺は黒板に向きなおった。

日は過ぎて、土曜日の夜7時。

冬、咲、なえか、陽樹、そして俺こと、甲長 輝は学校の敷地内、そして自分達の教室に来ていた。

三年生の教室から出た所にある、廊下を真っすぐいくと、紗川さん達、反生徒会の陣地に到達する。恐らくそこに大将はいるのだろう、と思う。

この学校は一階、二階、三階、屋上。と階段で繋がっているため、何処から攻めるか、というのも重要になる。ちなみに三年生の教室は二階だ。

恐らく紗川さん達は得意だと思う。分は悪そうだ。

「とりあえず、教室の中にある椅子や机をバリケード変わりに配置しないとな……」

「そうだね。男子達がそれは率先してやってくれてるし問題ないと思うけど。輝、作戦とかどうするの?」

「……ない」

「「「ないの!?」」」

冬、なえか、咲が全員声をあげる。

「……いやいや。考えてるとでも思ってたのか?」

「輝くんのことだから考えてるんだと思ってたよ」

「咲、それは過大評価だ。皆は各自行動してくれればいい。大将は撃てれば撃てる奴が撃てばいい。でも、味方は狙わないように」

ここにいる生徒全員に聞こえたのか、全員が十人十色の返事をする。

参加者は全員で三百人ほどらしい。どうしてもこれなかった奴とかもいるみたいだ。

「じゃあ、私が考えてきたの発表するね」

「冬……?」

「私が作戦考えてきたのだっ!」

「あ、ああ、じゃあ頼む」

「あいあいさー」

あいさいさーってなんだよ……。

冬が作戦の説明を始めた。部隊を三つに分けて行動。今居る百五十人を二階の廊下に三十人。一階と三階にそれぞれ六十人配置するらしい。

真ん中には強固なバリケードの構築が出来る為、それほど人数がいらない、と判断したらしい。三階は教室がたくさんあり、バリケード構築は楽なものの、廊下が二階より大きい為、大勢が侵入することができるから、多くの人数を割く。

一階は教室が少なく、机も少ない。バリケードも張りにくく、防衛がしにくいから、こちらも攻められやすい。だからこちらにも同じ人数を配置……らしい。

でも、相手は紗川さんと志乃だ。どんな策を講じても、無意味な気、すらする。

「とりあえず、頑張ってこー!」

「あんまり大声だすと聞こえるぞ……」

「とと、そうだったねっ!」

「とりあえず、私は二階を防衛するからっ!なえかちゃんと咲ちゃんは三階。陽樹君は一階ね。輝くんはここで待機。危なくなったら引くんだよ!」

冬が言い終わった直後。

学校の校庭が光に照らされた。

「なんだなんだ!?」

陽樹が慌てている。

「落ちつけよ……」

校庭でライトに照らされていたのは、校長だった。

暇……なのか……?

「生徒諸君!よく集まった!これから血肉躍る戦争を開始しよう!怪我のないように楽しめぇぇぇ!じゃあ開始だ!」

怪我

人が続出するような気がする。

こうして、戦争は開始された。

……

戦争が開始されてから数分後。当たりは静寂に満ちていた。

何も働かない訳にもいかないと、俺は冬が仕切っている、二階のバリケード付近まで慎重深く歩く。

「……お逝きなさい」

BB弾の発射音が聞こえた。それと同時に不気味な声も聞こえたんだが……気のせいだろうか。

いつの間にかバリケードが見えるくらいの所に来ていた。

だがそのバリケードは少し不思議な形状をしていた。廊下を埋め尽くすように並べられているのに、廊下の真ん中…人が一人通れる分空いているのだ。

「……逝け」

またも発射音。

「って、冬、何してるんだ……?」

「あ、輝くん」

あの発射音は冬か……生徒が他には見当たらない。

「他の奴らはどこいったんだ……?」

「あ、うん。違う所に行ってもら――逝け――ったの」

話している間にも、バリケードの空いている場所を潜ってくる敵が出てきた所を的確に狙って攻撃していた。

死んだ生徒は横にある教室に放り込まれているようだった。

女の子の力じゃないぞ……。

「そ、そうか……頑張ってくれ……」

「う――お行きなさい――ん」

冬は……彼女はとても生き生きしているようだった。

……

次は三階にきた。三階は騒音を発しているようで、先ほどまで聞こえてなかったのが嘘のようだった。

「俺……帰ったら告白――ゴフッ」「ああ……タカシ……」「ミカコォォォォォ!うわぁぁぁぁ!」「お前等、ゆるさねぇぞぉぉぉ!」「やめろ!それ以上進むと撃つぞ……!」「アッハッハッハーアッハーハハハハ!」

なんだろうな……三階だけ異質なようだった。騒音に包まれていた場所から少し外れた所に、咲となえかは二人で話しているみたいだった。

近づいて、話しかける。

「咲、なえか」

「あ、輝くん」

「輝……」

「どうした……なえか」

「うん、あのね……どうしたら、いいかなぁって」

「ああ……」

なえかの視線が向かう先は騒音が瞬く場所。

「どうにもならないんだから放っておけばいいんじゃないか?」

「そうかな……」

「その方がいいと思うぞ。あれは言ってきくような奴じゃない。とりあえず大丈夫そうだから俺は一度二階に戻る」

「あ、うん。そっちも頑張ってね」

「頑張って」

咲となえかの励ましを背中に受けながら三階を後にした。

……

二階に戻ると、そこは戦場に早変わりしていた。

「輝くん!?

逃げて!早く!」

冬の声が聞こえたかと思うと、足元にBB弾が着弾したらしく、少し音をたてた。

「甲長を発見!至急二階奥に応援を頼む!」

さっきの弾は志乃のものだったらしい。志乃の手にはトランシーバーが握られていた。

おいおい……。

「早く!私に構わずいけえぇ!」

「わ、分かった、冬頼む」

冬に言うと、俺は来た道を引き返し、三階へ。

「輝!?どうしたの!?」

「何か音が聞こえたけど……」

「咲、なえか。今詳しく説明してる暇はないからとりあえずここは頼む!」

冬を突破してきたのか、志乃が後ろから「ハァーッハッハ!」と言って追いかけてきていた。

俺はさらに上を目指し、屋上の扉を用心深く開いた。

目の前には、紗川さんの顔。手には銃が握られていて、俺の額の目の前に銃が存在していた。


俺も扉を開けた直後の紗川さんの額に銃を合わせていた。


「……」

「……」

「…」

「…」

静寂。

「……紗川さんは……どうしてこんなことを?」

「……答える義理はない、と言いたい所だが、青年の頼みだ。答えよう」


「余興だよ」


俺は余興?と聞き返す。

「そうだ、余興だ。私の、すべてを賭けた……な」

「……?」

「このゲームはどう思った?楽しかったか?」

俺は何もしてないけど……。

「楽しかったですよ」

「そうか、私も楽しかった。だから、これは余興だ」

「言っている意味が全然分からないんですけど」

「ふっ……そうだろうな」

俺は首を傾げる。いつも分からないことを言う人だと思っていたけど、今回はいつにもまして訳が解らない。

「輝ぅぅぅぅ!」

下から響いてくるこの声は……陽樹だ。

俺を目指して一直線に走ってくる。

そして手には銃で紗川さんを狙っている。

「さぁ!撃ってくるがいい!陽樹くん!」

陽樹は紗川さんのその言葉に反応して、銃で弾を発射した。

「あ、おい!馬鹿!」

咄嗟のことで言葉しかでなかった。俺の体は紗川さんに引っ張られ、丁度陽樹の弾の直線状に位置した。

……

「お前な……」

「ごめんなさい。命だけはお助けください」

あれから二日後。

「まったく、陽樹くんのせいでっ!」

「死刑ね」

「……」

「ああん、女の子の視線が痛い!輝!助けてくれ!」

「却下だ。少しは反省しろよ……」

「陽樹くん」

「会長……」

「お使い宜しくっこれ、リストねっ!」

「うわぁぁぁぁん」

腕をクネクネしながら買い物に陽樹は行った。

「あいつは女か……」

「あはは……」

「これだけじゃ足りないわよ」

「うんうん」

陽樹の扱いはさらに酷い物になっていた。

二日前。

陽樹が駆けつけ、銃で紗川さんを撃った。その時、俺は丁度弾の当たる場所に移動させられ、その弾が当たり、大将死亡で終了。

その時即アナウンスで反生徒会勝利と宣言され、生徒会側が全員大声を発した。そのアナウンスはご丁寧に、誰が撃ったかも報告をした……陽樹の地位はこれで最低も最低に落ちたんだろう。

その時、一人だけ笑っている人がいた。

紗川さんだ。

本当に真剣に、笑っていた。その笑顔は、悲しそうでありながらも、本当に愉快だというのが伝わってくる笑い声だった。


第七学園 オワリ


第八学園に続く

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