プロローグ:それってまさか、〇ねってことじゃ!?
エルディア王国の王宮内。
豪華絢爛な謁見の間に、宰相の重々しい声が響き渡った。
「悪い知らせがある。――魔族が攻めてきた」
「……!」
その場に集められた人々に、大きな動揺が走った。
宰相が続けて言う。
「しかも、率いているのは、魔王カイヴァルミオンだという」
「ま、魔王カイヴァルミオン!」
人々の顔色が一気に悪くなる。
一番後ろに立っていた蜂蜜色の髪の娘――デイジーは、思わず目を見開いた。
魔王カイヴァルミオンといえば、遠い北の大地に住むという魔族の王だ。
国を一夜にして滅ぼした、異種族を皆殺しにしたなど、悪評は数え切れず、最凶魔王と呼ばれている。
(そんな魔王が攻めてくるなんて、この国は一体どうなるの……!?)
デイジーが不安な気持ちで両手を胸の前でギュッと握った――
そのとき。
黙って玉座に座っていた国王が、静かに口を開いた。
「筆頭聖女デイジーよ、前へ」
(……え?)
突然名前を呼ばれ、デイジーは目をぱちくりさせた。
なぜ自分が呼ばれたのか見当がつかないまま、急いで前に出ると、玉座の前にひざまずく。
「……デイジーでございます」
国王はうなずくと、軽く手を挙げた。
1人の騎士が、デイジーの目の前に重そうな箱を運んでくる。
中には、透明の刃が冷たく光る短剣が一振り置かれていた。
国王が厳かに言った。
「それは、我が国の国宝、“エテルミオンの聖剣”だ」
約300年前、当時の魔王が攻めて来た際に、
聖女ルーシーが、この聖剣で自らを突き、自分の命と引き換えに魔王を封印したという。
国王がデイジーを見た。
「筆頭聖女デイジーよ。この聖剣にて、王国を救ってはくれまいか」
「…………!」
デイジーは大きく目を見開いた。
それってつまり、死ねってことじゃないか!
(ちょ、ちょっと待って! いきなり何でこんなことに……!)
呆然とする彼女の脳裏に浮かぶのは、今朝から今までに起こった出来事だ――
本日より投稿開始します!
どうぞよろしくお願いいたします。(,,ᴗ ᴗ,,)ペコリ
今回は全話執筆済み。
完結まで一気に投稿します。
本日はキリが良い5話ほど投稿したいと思います!




