↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
4/4

4

 次の日。マコト君のいた部屋をのぞくと、そこには小さなお花が飾ってあった。白くて

綺麗なお花だった。あたしはその花をよく知っていた。……だって、あたしが泣くとだい

たい目にするものだから……。

 マコト君はこの世界にお別れをしたの。苦しむことも悲しむこともない世界へと旅立

ったの。……やっぱり、あたしは不吉な存在だったのかな。

「……さてっと、マコト君の病室の最終点検でもしますか」

 昨日いた女性が、マコト君が使っていた棚の整理を始めた。といっても、そんなに物自

体は多くなかったみたいで、すぐに終わったみたいだけど……。

「よし。これで終わり……あれ。これ……手紙?」

 女の人目線の先にあったのは、綺麗に折られた手紙があった。

「昨日まではなかったのに……今、誰もいないわよね」

 そう言って女の人はその手紙を開いて口に出して読み始めた。

「えーっと……。バンシーへ。この手紙を読んでいるということは、僕はもうこの世界に

お別れをしている頃かもしれない。君が僕のこの部屋に来た時の事を今でも覚えてるよ。

クラスの友達もこない場所に、君はほぼ毎日遊びにきてくれたよね。本当に嬉しかった

よ。僕も君と話をするのがとても楽しみで、早く次の日にならないかって思ってた程。

次第に僕は君の事を思い続けるようになっていって……。最後に、君からもらったチョ

コレート、今まで食べたどんなお菓子よりも美味しかったよ。本当にありがとう。短い

間だったけれど、君とお話できた事を持って僕は旅立ちます。またどこかで会えるとい

いね。マコトより……。バンシーっていう子は本当にいたってことかしら?」

読み終わった手紙を片手に女の人は部屋を出て行っちゃった……マコト君。あたしもマ

コト君に会えてよかったよ。色々お話できたし、なによりあたしをほんの少し変えてくれ

たから……。マコト君……ありがとう。

 あれ?あれは……。あたしはベッドの下にあった包み紙に手を伸ばした。これって……。

あの日、マコト君にあげたちょこれーとの包み紙だ。そして、その中には食べかけのちょこれーと……。


 パキッ


 ……マコト君。あたしが初めて食べたちょこれーとは、とっても甘くて……ちょっぴり苦かったよ。


                       完

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。