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次の日。マコト君のいた部屋をのぞくと、そこには小さなお花が飾ってあった。白くて
綺麗なお花だった。あたしはその花をよく知っていた。……だって、あたしが泣くとだい
たい目にするものだから……。
マコト君はこの世界にお別れをしたの。苦しむことも悲しむこともない世界へと旅立
ったの。……やっぱり、あたしは不吉な存在だったのかな。
「……さてっと、マコト君の病室の最終点検でもしますか」
昨日いた女性が、マコト君が使っていた棚の整理を始めた。といっても、そんなに物自
体は多くなかったみたいで、すぐに終わったみたいだけど……。
「よし。これで終わり……あれ。これ……手紙?」
女の人目線の先にあったのは、綺麗に折られた手紙があった。
「昨日まではなかったのに……今、誰もいないわよね」
そう言って女の人はその手紙を開いて口に出して読み始めた。
「えーっと……。バンシーへ。この手紙を読んでいるということは、僕はもうこの世界に
お別れをしている頃かもしれない。君が僕のこの部屋に来た時の事を今でも覚えてるよ。
クラスの友達もこない場所に、君はほぼ毎日遊びにきてくれたよね。本当に嬉しかった
よ。僕も君と話をするのがとても楽しみで、早く次の日にならないかって思ってた程。
次第に僕は君の事を思い続けるようになっていって……。最後に、君からもらったチョ
コレート、今まで食べたどんなお菓子よりも美味しかったよ。本当にありがとう。短い
間だったけれど、君とお話できた事を持って僕は旅立ちます。またどこかで会えるとい
いね。マコトより……。バンシーっていう子は本当にいたってことかしら?」
読み終わった手紙を片手に女の人は部屋を出て行っちゃった……マコト君。あたしもマ
コト君に会えてよかったよ。色々お話できたし、なによりあたしをほんの少し変えてくれ
たから……。マコト君……ありがとう。
あれ?あれは……。あたしはベッドの下にあった包み紙に手を伸ばした。これって……。
あの日、マコト君にあげたちょこれーとの包み紙だ。そして、その中には食べかけのちょこれーと……。
パキッ
……マコト君。あたしが初めて食べたちょこれーとは、とっても甘くて……ちょっぴり苦かったよ。
完




