合否
今回の回は、三点リーダがおかしいかもしれません。
もし、おかしいと感じたら伝えて下さると幸いです。
ピコーン
そんな間の抜けた様な音が、部屋に響いた。
これは魔フォンのメール着信音の音だ。
魔フォンを前世で例えるなら、携帯だ。おそらくだが、魔法の携帯だから魔フォンになったのだろう……。
「深夜~学校から結果が届いたよ」
どうやら学校から合否の結果が来たようだ。
先に結果を言わない辺り、母親は子供の気持ちを分かっている。
「本当!?見して見してー」
俺はありきたりな返事をしつつ、母親の元へと向かい、魔フォンに書いてある合否の結果を見た。
魔フォンに書いてあった結果は……。
「合格」
そうデカデカと二文字だけ書いてあった。
……何かが足りない。
普通この手の連絡は、拝啓なんちゃら〜から入る筈だ。
しかも、制服の受け取り日時等も全く書いていなかった。本当に、「合格」と一文字書いてあるだけだ。
「合格」の一言で済ますなど、適当過ぎるにも程がある。
「これ詐欺でしょ?」
俺は新手の詐欺だと思い、母親に聞いてしまった。
こういった類の詐欺は、前世では日常茶飯事と言ってもいい程、起こっていので俺はそう思った。
こんな「合格」の一文字しか書いていない合否の通知など、俺でなくとも怪しいと思う筈だ。
「違うよ?私の時もこんな感じで届いたよ」
しかし、母親にこのメールが詐欺という可能性を否定されてしまった。
しかも、実例付きでだ。これには、何も言い返す事が出来なかった。
「ま、まじか……」
俺は渋々納得する事にした。
「じゃー制服とかっていつ取りに行けばいいの?」
続いて俺は、制服の受け取り日時について質問をした。
普通は、制服の受け取り日時は親ではなく、子に伝える筈だが、今世の日本では子に教えるという事は一切していなかった。
それが魔法学校だけかどうかは、分からないが。
「確か、明後日だったよ……あと、入学式は一週間後だよ」
俺は母親が把握していた事に安堵した。
(それより、まりんは合格したのかな?)
俺はまりんが合格したか心配になった。
まりんは、筆記試験では浮かない顔をし、実技試験に関しては自信が無いと言ったのだ。
ピコーン
そんな事を考えていると、再び魔フォンの着信音が響いた。
「深夜、まりんちゃんのお母さんからメールだよ」
……いや、それを何故俺に言う?……それよりもいつの間に親同士の関係を持っていたのだろうか?
「何て来たの?」
俺は疑問に思いつつも、メールの内容を聞いた。
「えーっとね……まりんちゃんも合格したって!」
「まじ!?ふぅ……良かった」
どうやらまりんの合否の結果が送られて来たみたいだ。
俺はまりんが合格したと聞き、安堵の溜め息を吐いた。
(もし、まりんが合格してなかったら俺はどうしていたのだろう……)
俺はふと、そんな事を考えた。いや、考えてしまった。
慰める?それでは同情しているみたいになるから無しだ。では、どうしていたのだろうか……いや、止めだ。そんな事を考えてもどうしようもない。
俺はこれ以上考えてはいけないと思い、すぐに思考を経った。
――――
「おい、青髪の女の名前を教えろ!」
怠い。この男を表すには、その一言で足りる。
俺は制服を受け取りに来ているのだが、不運にもとある人に絡まれてしまった。
その人物は、入試の時に食堂で暴れていた高宮だ。
制服を受け取る為に待機していた。そんな時に、高宮と目が合ってしまった。それから高宮はずっとこの調子だ。
「青髪の女?知らないよ」
「嘘付け!お前ぜってぇ青髪の女の知り合いか何かだよなぁ?」
高宮の言う青髪の女とは間違いなくまりんの事だ。
食堂での喧嘩の時に、まりんに一目惚れしたのか知らないが、しつこく聞いてくる。
もちろん、答えるつもりは毛頭無い。
高宮に名前を教えたが最後、家を教えろだのとか聞いてきそうで、面倒臭くなるのが目に見えている。
自分で蒔いた種なのだが、こんな事になるとは想定外だった。
「いや、知らない。それより、お前の言う青髪の女がここに合格してたら、分かることだろ?」
「……そうだな、絡んで悪かったな」
……まさかこれで引き下がるとは思っていなかったが、結果オーライと言うやつだ。
(コイツが馬鹿で良かった)
俺は心の中で安堵した。
問題を先送りにしただけに過ぎないが、今はこれで良い。
それに、おそらくだが高宮はまりんに話し掛ける事すらや出来ないだろう。
今日こそナンパするぜ!とかあの女絶対落してやる等言うやつに限って、結局会話すらしないのを前世でよく見てきた。
(入学式の時にだけ警戒しておけば問題無いだろ)
俺はこの問題をあまり重要視しない事にした。
これにて二章は終わりになります。
二章の感想及び評価を下さると幸いです。




