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前虎後狼

前回の投稿から一週間ですね。字数とか相場がわかりませんが…毎日更新されてる方ってもしかしてかなりぶっとんでる?なろう上級者の方ご指摘コメントお待ちしています。本編どうぞ

「は?」


俺は明確にその一音を発した。


「母さん?亡くなったのは矢田じゃないのか?」


母さんは手を頬にあてて不安そうに答えた


「私も思ったんだけどね、学校からのメールにはそう書いてあるの」


そう言いながら母さんは俺にスマホの画面を見せてきた。


そこには今日学校で生徒たちによる殺傷事件が起きたこととそれに対する謝罪。そしてその事件を引き起こした張本人である華岡龍斗はなおかりゅうとが遺体として発見されたことがきっちりと記載されていた。


また明日は全校生徒の授業を休止しこれら一連の事件対する緊急会見を明日開く旨も記載されていた。


「一体なにがあったってんだ…」


華岡はなぜ死んだのか?死因はなんだったのか?事件を起こした犯人がその日のうちに殺されるなど偶然なわけがない。具体的な場所は?華岡は学校から逃げ出した後どこへ行っていた?一体何時頃殺された?いつ?どこで?だれが?なんのため?????????????????????????????


俺は頭をまともに動かせなくなっていた。いや自分で任意に動かせなくなっている。脳が勝手に、己が感情の赴くままに回転する


ガチャ…


ふとそんな音がした。見ると母さんが消え、ドアが閉じられていた。母さんが俺の部屋から出たのだろう。何も答えず、固まったままの俺をそっとするため。


俺はそれを見てようやく脳みその主導権を取り返した。


俺はスマホを開けてクラスラインをのぞいた。案の定そこはパニック状態だった


「華岡が死んだってま?」


「メールにそう送られとるで」


「誰か見たやつとかおらんのか?」


「おれみとらへん」


「俺救急車のサイレン見たぞ止まってたし」


「何字頃?」


「多分17じごろ」


「確かにうちもそんくらいのとき家の前を救急車が通った気がする」


「それでいうと…


こんな会話がずっとずっと下の方まで続いていた。有益な情報は救急車が午後五時ごろ華岡を発見したということくらいだろうか。


華岡…あいつも人望は厚かった…今日のあの事件が起きるまでは陽キャな明るい男子だった。でもあいつも絶対に陰キャを貶すような性格ではなかった。俺にだって優しく話しかけてくれていた。なぜ急にあんな事をしてしまったのか。犯人は…ってそれは俺が考えても仕方ないのだろう


そう…仕方がないのだろう…


俺はベッドに座ったまま膝に肘を置き頬杖をついた、目に溢れ出るほどの涙を抱えて。


特別仲が良かったわけでもない。あいつも俺のことをただのクラスメイト程度にしか考えていなかっただろう。それでも数少ない根暗な俺に気さくに話しかけてくれたやつだった。俺がこんなに涙もろかったか疑問に思うほど泣いた。


俺は胸で何かを決心した。犯人を見つけてやろうか。そうだそうしてやろう。声をかければ賛同してくれるやつも少なからずいるだろう。右手で髪をグシャっと掴む。否定する奴なんていい、そんなやつの言葉は聞かない。力づくで止めてきたらこちらも力づくで対抗しよう。そうだそれがいい!


ふと左手に持ったままのスマホに目がいった。そこには口角をあげ、眼を見開いた興奮状態の自分が写っていた。


この十数分の間だけで俺の精神は大きく起伏していた。自分の冷静さの無さに画面の中の自分が苦笑いした





その時だった


ヴヴヴ…


俺のスマホに着信が届いた。メールの着信だった。


               メール:ゲーム運営からのお知らせ


ああ、ゲームの…?と俺は考えた。確かに俺は陰キャらしくスマホにゲームを大量に入れている。


「なんだろう…」


あとで開くことはもちろんできた。だがこの時の俺は精神が敏感になっていた。このメールですら大きく興味をひいた。


俺はまるで必要事項かのようにそのメールを開いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


From:aabbcc@1234-5678

To:Kasumiya@1077-1221


件名 ゲーム運営からのお知らせ


 現在あなたのクラスである鳶湯とびゆ中高等学校4年d組は厳正な抽選によりゲームに参加していただく運びとなっております。そのゲームの中であなたが厳正な抽選の結果「鬼」に選ばれたことを発表します。またこれに関してあなたに否定権はないこともご了承ください。以下よりゲームの詳しいルール説明です


①鳶湯中高等学校4年d組の全生徒を1人の「鬼」とその他の「子」に分ける。尚、子はゲームに参加している自覚はなく、自覚があるのは鬼のみである。


②鬼はタイムリミットまでに子の中の誰かを殺害する。今回のタイムリミットは現在の状況も加味し次の登校日から一週間後の午後8時とします。


③タイムリミットまでに鬼が②の内容を達成して生き延びていればゲーム終了。タイムリミットまでに達成できていなければ鬼は殺害され新しい鬼がランダムに選ばれる。


◎鬼の詳しいルール

・子の殺害方法は問わない

・鬼は子を殺害したらその遺体を撮影しメールで送ること、写真がなければ殺害をしたとみなさないものとする

・鬼は子の殺害に使う道具をメールを通して発注することができる

・その他質問があれば随時質問をすること


それではまたのご連絡おまちしております。ご武運を。      Fin


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「は?」


おれは20分前に発した言葉をもう一度発した。


「ゲーム?」


俺は案外冷静だった。だが現状は理解不能だ、この異質すぎる文章を理解していいのかすらわからなかった。もしかしたらたちの悪いタイプのいたずらかもしれない。だが華岡の件があったせいで無視をすることもはばかられた。


俺の暴走しがちな感情も先ほどのように頭を回したがらないほどの情報量だった。


ヴヴヴ…


その時すでにパンパンの俺の脳に新しい着信という情報がやってきた


               メール:ゲーム運営からのお知らせ


「…また?」


俺の脳を容量オーバーさせた原因が再来した。


「今度はなんだよ…」


さっき流した涙の痕を目に残し、言葉は怒りをあらわにしているが顔はぴくりとも感情をあらわにしていない。


俺はメールを開いた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


From:aabbcc@1234-5678

To:Kasumiya@1077-1221


件名:ゲーム運営からのお知らせ


こちら元鬼の華岡龍斗さんの遺体の写真でございます。こちらは華岡さんが元鬼であることをお知らせするためのメールです。それでは引き続きゲーム頑張ってください。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺はそのメールに添付された写真を見た


「っm……!!?!?」


声にならない声を出した。なんの声を出すのが正解かも定かではない。ともかくその写真は俺に俺の現状を叩きつけるには十分だった。


そんな訳がない。絶対に華岡の死体など写っていなかった。俺の脳が作り出した幻だ


俺はスマホから自室のあちこちに視線を移す。机、ペン立て、カレンダー、時計、壁にかかったリュック、小6の時に作った将来の自分の工作、ゴミ箱、モンステラ、ガム、積ん読されたライトノベル、ハンガーラックにかかった学校の制服、部屋に乱雑に丸められたパジャマ。地球儀、


いくら目を逸らしてもスマホの画面上にある写真は幻想にはならなかった。


そこには固い路上に横たわり、右腕の二の腕に関節とあざが増え、左膝がかつてない方向にへし折られ、両頬が赤く染まり、右目は腫れてとじていて、左目は腫れて半開き、そんな元鬼、元華岡龍斗の肉塊が落ちていた。それを上から俯瞰している写真だ。


「華岡…?なのか?」


顔に殴打痕が多すぎる。それでも元から美形で特徴的な華岡の顔だとはかろうじてわかる。そんな傷だ。


「………あぁ………………え………?そうよな?」


未だ納得も理解もできていない。それでも俺の低スペックな脳は少しずつ情報の処理をし始めていた。


「……………華岡は鬼に選ばれて…………………………………それで矢田を刺して……………………………………でも矢田が死ななかったから華岡は殺された………………………………?」


口にだしてようやく少し理解が進んだ。口に出したことは本当なのだろう。


ふと俺は時計を見た。時間は11時前。俺は虚ろに立ち上がり歯を磨きに一階に降りた。


母さんはパソコンでドラマを見ていた。俺は声もかけず洗面台へ向かった。


洗面台についた。鏡の中の俺と対面して鏡を開ける。鏡の中のぼやけた目をした俺が消え家族分の歯ブラシと歯磨き粉が姿を表す。


自分の分の歯ブラシと歯磨き粉をとる。歯を磨く。口の中を吐き出す。歯ブラシを少し水ですすぐ。歯ブラシと歯磨き粉を置く。コップを取る。コップに水を貯める。その水を口に含む。水を両頬に交互に移す。口の中を吐き出す。タオルで口周りを少し拭く。鏡の中の俺と対面を果たす。洗面所を出る。


リビングを通ると母さんは先ほどと同じ体勢でドラマを見ていた。俺は声もかけずに二階へ戻ろとする。


「おやすみ。今日は色々あって精神的に寝れないかもだけど体は休めなさい」


後ろから母さんの声が聞こえた。本音を言えば大分驚いた。気付いていたのか。勿論声にも、顔にも出さない。もしかしたら肩は少しぴくついたかも知れない。


「おう」


俺は短く返事をした。母さんの返事を聞く気もなかったため、ほぼ止まらず横目で答えた。


俺は自室へ戻った。電気を消した。ベッドに入った。


この動作を終えるまで俺は今日受けた全ての情報を放棄した。ベッドに入って思考放棄していた分の疑問が頭になだれ込む。


「…っくっそ………」


手を額に当てる。冷や汗をもかいた。電気を消したタイミングでエアコンのタイマーをセットしたため室温は低めのはずなのに。


次の瞬間視界が揺らいだ。変なゲーミング色になってきた気もする。天井にある丸い輪郭のライトが歪んで見える。脳が疲れすぎて他の感覚にまで影響を及ぼしていた。


母さんの言う精神的にと脳の疲労によりその日俺は16年の人生で最も不愉快な寝つきを経験した。


その日俺は夢を見た


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


俺は自分のパジャマを着ていた。背景はどこまでも続くような白にした。地面はアスファルト塗装の道路にした。


俺はその道路の上に右腕の二の腕に関節とあざがあって、左膝がかつてない方向にへし折られ、両頬が赤く染まり、右目は腫れてとじていて、左目は腫れて半開き、そんな元華岡龍斗の肉塊を置いた。


「風景は写って無かったしなあ…」


俺は華岡の横たわる道路を今日母と車で通った道にした。右には排水溝があり左右どちらにも住宅街がある。今日見た風景を再現した。


「我ながら上出来だなあ…」


俺はゲームのチートのように宙に浮いた。そして華岡の上部で静止し華岡を見下ろす。


おれは両手の人差し指と親指で長方形を作り華岡をその枠内に納める。それは今日見た写真と全く同じものだった。





ここは俺の夢の世界。俺が秩序であり法であり神である俺だけの場所。

次も一週間以内に投稿したい。

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