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明美をぶっ殺す  作者: 麻青
第一部
6/174

16歳・2

 翌日。

 なにか変化があるかもと明美の動向を注視していたが、昨日の激昂が嘘だったかのごとく、ヤツは平常運転だった。


 クラスの女王さまっぷりも同じ。

 いつも忙しそうにしてるのも同じ。

 基本、私を無視するのも同じ。

 たまに脈絡なく私をディスってくるのも同じ。


 そう、私への接し方にも、まったく変化はなかったのだ。


 ……ヤツが私をどう思ってるのか、これっぽっちも理解できない。

 死ぬほど嫌いな相手って、徹底的に無視して離れるか、徹底的に攻撃して痛めつけるか、そのどちらかの対応を取るものじゃなかろうか?

 なのに、明美は私を適度に無視して適度になじってくるという、いじめ一歩手前のような半端なスタンスをずっと維持し続けている。

 そもそも昨日の態度から考えれば、同じ教室にいること自体が耐え難いだろうに、少なくとも普段の明美からはそこまでの強い感情は伝わってこない。


 わからない……。わからない……。


 というわけで、やっぱり明美は殺すしかないという結論に至った。

 どれだけ意味不明な存在だろうと、ただひとつ、ヤツが私の存在を死んでも認めないことだけは確かなのだ。

 ならば、私もヤツを全否定するのみ。



 明美を事故死を装って殺す計画だが、色々あって停滞せざるを得ない状況となっている。


 まず、単純にシチュエーションを作りにくい。

 高さ数百メートルの崖をロッククライミングするとか、海峡を泳いで横断するとか、そんな殺しやすい状況に自分で向かってくれれば、やりようもあるだろう。

 が、当然明美はそんな危険なことはしない。せいぜいが高原へピクニックへ行く程度だ。


 つまり、場所に依存する殺害計画は立てづらいということだ。そこで考え付いたのが、明美が乗る車に細工を仕掛けるという案である。


 1、監視カメラのない場所で、明美の車に時限爆弾的な仕掛けを施す。

 ↓

 2、私の関係ない場所で、明美が勝手に事故死する。

 ↓

 3、全宇宙がハッピー。


 ――という計画だ。


 確実性がないのが問題だが、ヤツは車にしょっちゅう乗るし、方向性は間違ってないと思う。何度も失敗したら命を狙ってることを気づかれるかもしれないが……まあ、たぶん大丈夫だろう。


 車で事故死させるにあたって、決して無視できない点がひとつある。それは、明美以外の人間を巻き込んではいけないということだ。

 死ぬべきは明美ただ一人であり、それ以外の人は(たとえ明美の両親だろうと)死なせては絶対にいけない。その一線を踏み越えたら、私はただの殺人者になってしまう。


 というわけで、明美を車で事故死させるまで、少なくともあと二年ほど待たなければならない。なぜかというと、二年たてば明美は十八歳となり、自動車の運転免許を取って一人で車に乗るようになる(たぶん)からだ。

 そうなれば通りの少ない道で大事故を起こさせ、誰も巻き込まずに明美を地獄に送ることができる。


 プランは決まった。

 さしあたり、車の構造についての知識や、それらを誤作動あるいは爆発させるための知識を獲得するのが、当面の目標となるだろう。


 だが、格闘技や勉強でやったように、時間を費やして一流のプロから教えてもらう――といった手法は現状だと難しい。というのも、道場・ジムでの鍛錬と、大学受験のための勉強に、すでに一日の空き時間の大半を当てているのだ。

 喧嘩の強さは今の明美殺害プランには必要ないが、せっかくここまで強くなったのだから、それを維持したい。勉強のほうは、既に国立大学を目指して勉強計画を練ってもらっており、崩すことはできない。

 あと言うまでもないが、車を事故らす手法なぞ、教えてくれる人間なんていないに決まっている。なので、合間合間に独学で学んでいくしかないだろう。


 どのみち、明美が一人で車に乗るようになるまで待つ必要があるのだ。焦らず、気長にいくとしよう。

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