1/3
Superbia
---ついに、ついに悲願が成就する。
喜びに酔いしれる彼女は、今まさに悪魔と契約したかのような、狂った笑みを浮かべていた。
この刻の為にどれだけの犠牲を払ったことか。
…いや、それはただ無駄に支払われた犠牲ではない。
対価だ。
願いに相応なだけの、等価なる捧げ物。
何よりも大切だった「ソレ」を取り戻すために、彼女はそれ以外の全てを捨てた。
家族も友も、自身の地位も名誉も。その命さえ、生贄の祭壇に捧げて。
…あるいは、とうに狂っていたのかもしれない。
けれどもその想いは、愛は一点の穢れもなく。
けれどもその行いは、呪は穢れきっていた。
ささやかな、叶わぬ夢を追いかけた彼女は、永い間に失いかけた声で呼び続ける。
「ついに、ついに会えるよ。xxx……」
掠れた声は、澱んだ血の匂いに融けていった。




