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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第二章~まだ俺は救われない【交際編】

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【優芽】キッチンリフォームにみんなが集まったたんだけどごめん、わたしまた悪いことした

土曜日仕事のわたし以外、はるくんが呼びかけたみたいで


「キッチンリフォームをみんなでやる」


という目的でみんなで集まったらしい。


みんなでおばあちゃんちに行ってくれたってはるくんから聞いた。


はるくんによるキッチンリフォーム計画案は、人数揃えばだいたい2日でやれる、というものだ。


はるくんの仕事って、技術職。


専門は違うけどそういうのできちゃうんだ?


はるくん、すごい。


そして日曜日、わたしもおばあちゃんちにいき、リフォームを手伝った。



昨日のうちに大きな作業はもう終わってた。


体力使うところは、はるくんと悠真くんが、協力してくれたらしくって、凪くんは結菜ちゃんと、磨き掃除とかやってくれたみたい。


もう壁紙と床は終わってたし、わたしがやることはほとんどなかった。


そしてやっぱり、はるくんは細かいところの微妙な調整にこだわってた。


はるくんらしいこだわり。


最初にはるくんが言ってた通り、壁紙と、床、キッチン扉と蛇口取り替え。


それだけなんだけど、見違えるくらいきれいになった。


みんなで最終的な掃除をして、食器棚とか、もとに戻してからの、ティータイム。


専門業者に頼むよりとても安くて、おばあちゃんが涙流してるんじゃないか、ってくらい喜んでたからわたしも泣きそうだったよ。


凪くんを見ると


「おじいちゃんもこの色やってみれば?」


若返るかもよ、と凪くんの髪色を見てたおじいちゃんにすすめてた。


あれ、結菜ちゃんいるのに、いつもの凪くんだ、と思った。


天使設定じゃない凪くんなのに、結菜ちゃんは普通に話してる?


そうか、結菜ちゃんと大丈夫だったってLINEきてたし、そういうこと?


2人の距離がなくなったんだと思った。


わたし、はるくんと、まだなのに。


勝手に先に終わらせないでよ。


と思ってハッとする。


人の彼氏じゃん。


なに競ってんだ?



さっき、凪くんから、呼ばれて


「内緒だけど、これやる」


「なにこれ」


変なものを手渡された。


「サメの歯だろ、好きだろ?」


「わたしが?」


「前に言ってたじゃんサメとか深海魚好きだって」


好きって? そんなこと言ったかな?


「えー忘れたの? 一緒に行ったのに、深海水族館」


「ちょっと待って、それ、行ったけどそれ、湊くんとだよ?」


目の前にいるのは凪くんで、でもその目をじっと見てたら


「行ったのは湊くん…と、なのに」


なんで? 凪くんの目に、やっぱり吸い込まれる。


「おい、凪なにやってる?」


ドキッとして振り返ったら悠真くんが立ってて。


「わ、悠真さん! ヤバ」


凪くんも慌てて離れたけど、見られた。


「まだみんな気づいてね―から」


黙っててやるから、早く戻れって悠真くんが言ってくれたけど


「ちょっと、話聞かせてもらいたいんだが」


いいかな、と言われた。


「あ、え、わたし…」


嫌だ、こわい、この人大きい、ふたりきりはダメ!


そう思った直後、わたしはまるで、悠真くんになにかされたかのような大声で


「いやああ! やめて! 助けて!」


思い切り叫んでしまった。


声を聞きつけて、みんなが集まってきた。


わたしは悠真くんのことを、嫌だ! ゴミって言ってしまった…


おそるおそる、はるくんを見る


「たすけて、はるくん」


呆然と立ち尽くしてたはるくんは、ハッと我に返ったみたいに来て抱きしめてくれたんだけど


「優芽、大丈夫か?」


震えが止まらない。




歴代彼氏みんなイケメン。


わたしは言ってたでしょ?


でもね、誰とも最後までできなかった。



だからわたし、高校1年の夏休み以来誰とも、できなかったよ?


きっと、トラウマって言うんだよね。


無意識でも怖くなる。



それなのに、凪くんなら大丈夫だったのはたぶん、やっぱりそこに湊くんを見てたからだね?


湊くんなら、怖くない。


湊くんが生きてた頃は、何も起こってなかったんだもの。



「もう、あいつはいない」


お兄ちゃんがそう言ってわたしの体の1番大切なところを汚した。



「はるくん、部屋戻る」


おばあちゃんちには、わたし専用の部屋がまだそのままにしてある。


わたしは、そこで休みたいと思った。


誰もなにも言わないんだね。


無言の空気。


でも、その圧がつらかった。



せっかくの明るい空気、壊してごめんね、みんなごめんなさい。






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