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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第一章 〜救ってくれるもの【出会い編】

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【悠真】思った以上の凪のやらかしと暗黒期のこと

心配していた通りだった。


思っていた以上に、凪はやらかしている。


「はあ…」


ため息つかずにはいられなかった。


あのメンバーでの飲み会。


開催すれば、結菜ちゃんの耳に届くことは間違いないと思っていた。


凪が手を出してたのは、莉愛。


さっき女子トイレに呼ばれてたから、たぶん結菜ちゃんは聞いたのだろう。


戻ってきた彼女の表情をみればわかる。


明らかに顔色が悪いんだが、凪は気づいてるのか?


寝てる場合なのか?


ここに、なにしに来てる?


莉愛が戻ってきて、凪の横に座る。


「起きなよ〜凪くん」


明らかに近い距離感。


ちらっと結菜の顔を伺うと、必死で泣くのを我慢しているかのように見えた。


「結菜ちゃん、ちょっと出ようか?」


俺は結菜ちゃんを個室から連れ出した。


「莉愛に、なに言われた?」


聞くと、声を震わせながら話してくれる。


そして壮介が言っていたことも、結菜ちゃんが受け止めるには、重く苦しい


「真実」だ。


とてもそんなことを言うわけにいかないから、


「そんなの、ありえないし嘘だ。でももしつらいなら、今日は帰ってもいいと思う」


「悠真くん、わたし、でも凪くんと約束してて」


聞くとこのあと、近くのファミレスで待ち合わせ、一緒に帰る約束があるという。


だとしたら、いま帰るとかなり待つことになってしまう。


「わかった、一緒にそのファミレスで待っていよう」


俺は、結菜ちゃんが体調悪いみたいだからと、送ってゆく体で、先に帰るとみんなに言った。


まだ寝てる凪に近づき、


「凪、ちょっと来い」


引っ張って外に連れ出した。


結菜ちゃんを先に連れてファミレスで待ってると伝える


「え、結菜大丈夫?」


「凪くん、わたし、なんか、信じられないこと聞いて、それで…」


「その話はまたあとだ」


俺は結菜ちゃんを連れて店を出た。


ファミレスにいる間、すっかり元気をなくした結菜ちゃんを目の前に、俺は果たしてこれは正しいことなんだろうか?


と悩むことになる。


本当に、凪に結菜ちゃんをまかせてもいいのか?


2人がこのまま、つきあってもいいのか?


遥希が凪を連れてきてから俺は、懐いてくる凪を甘やかしたかもしれない。


「遥希が兄貴で悠真さんはオヤジみたいだな」


凪はそんなふうに言ってたな。



凪は中1の頃、交通事故に巻き込まれたと遥希から聞いた。


その事故で、父親と兄を同時に亡くし、凪は一命はとりとめたものの、数年間目を覚まさないほどの重傷を負った。


これも遥希から聞いたことだ。


凪は成人しているけれど、時々どこか子どもっぽい仕草をすることがある。


ときが止まってるということも、あるのかもしれないな


凪はひどく孤独をこわがるから、あちこち手を出してるのも、さみしさの穴埋めなんだと思う。


この先、もし結菜ちゃんがずっと凪のそばにいるとなれば、凪は落ち着くのかもしれない。


それは期待したいけれど、結菜ちゃんにそれらが背負えるんだろうか?


こればかりは、いますぐ答えは出せない。


俺も遥希も、凪のことを見放すつもりはなかった。


とてもじゃないが、ほっておけない。


と、そのとき、凪が来た。


「なんだ、早かったな」


「結菜が心配で、トイレに行ったふりして抜けてきた」


「心配はいいんだがな」


抜けてきたのは、良くなかったな。


俺は壮介あてに凪が抜けたことをLINEしておいた。


凪は別に悪いとか思ってなさそうだ。


結菜ちゃんの隣に座り、


「大丈夫?…つらい?」


などと優しく聞いている。


その凪の表情、俺や遥希の前では絶対見せないだろ?


凪が結菜ちゃんを大切に想っていることはわかった。


当分、見守るしかないか。


ファミレスを出て、凪と結菜ちゃんが、しっかり手をつないでいるのを確認する。


「じゃあ、頑張れよ!」


2人の背中を見送りながら俺は言うと、いつものように遥希に電話する


ところで遥希のほうは、どうなったんだろうか?


今度改めて、そっちのほうもフォローするか。


「俺、いったいいつ、落ち着ける?」


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