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君の知らない僕のダークサイド〜救ってくれるもの  作者: 水波瀬 凪
第一章 〜救ってくれるもの【出会い編】

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【優芽】はるくんがヘタレすぎてぐだぐだなので、Tシャツ一枚で横に座ってみたけれど

早くはるくんがその気になるように、わたし頑張ったんだよ。


カラオケの選曲だって、ちゃんと考えてたし、サンセットビーチで気分上がるかなって思った


でも、どっちもグダグダだった。


キセキ歌えなくて泣いてるし?


演歌歌って「さよならあんた」って歌詞のところで「演歌、怖っ」とか言う。


選曲する機械?


あれ教えてもらうとき、かなりくっついて見てたのに、なんも反応してくれなかった。


やっと「きみをあいしてる」のとこだけ、なんとか歌ってくれたけど、意味わかってんのかよって思ってた。


海にいたときだって、わざと凪くんのこと話してみたのに、イタリアンバルで怒ったときみたいな反応はなかった。


「優芽ちゃん、もしかして凪に会ってんの?」


「LINE交換したの?」


くらいしか聞かれなかった。


そのあとは、何も聞かれず、サンセットを見てから海をあとにした。


はるくんちにも、作戦アイテムを買ってく。


まず、思い出の缶チューハイでしょ、


それからいちごは売ってなかったから、いちごが乗ったショートケーキ。


この2つでも、わたしがなにをしたいか、考えてるか、わかりそうなものなのに。


凪くんだったら、こんなアイテムなくても、手を触れなくても、何もしなくても、目が合っただけでそうなるのに。


はるくんは昔のわたししか、まだ知らない。


大人になってからのわたしとは、まだつきあいが短いわけで、やっぱり子ども扱いから抜けてない。





はるくんのうちは、想像してたよりもずっとキレイだった。


家賃高そうだなぁなんて、つい考えてしまった。


だってわたしのとこなんか、ワンルームのアパートで、オートロックもなければ築年数だって古い。


カフェの収入だって、バイトするよりちょっと多いかなってくらいだし、わたし高卒だし、こんなとこ絶対借りられないよ。


ちょっと卑屈になってしまう。


想像してたよりも、はるくんは素敵な大人になっていて、ちゃんとした仕事もしてる。


拓海さんと「合わない」と感じてたように、もしわたしが、はるくんと昔馴染みじゃなかったらきっと、合わないを感じてたんじゃないかな。


わたしの相手してくれるのは、お兄ちゃんの妹だからなのかもしれない。


その点、凪くんも高卒って聞いた。


学歴社会ってめんどくさって言ってたっけ。


そうだよねって共感できるのも、わたしもそうだから。


でもいまは、ここまで来たんだし!


気持ちを切り替えていこう


はるくんにシャワー借りた。


バスルームには、あんまり見たことのないシャンプーが置いてある。


使ったことないけど、それしかないから借りた


わたしが着替え持ってないって言ったら、乾燥機つきの洗濯機あるから、シャワーしてる間にそこに入れといたらいいよって。


そしてはるくんの部屋着貸してもらって着てることに。


Tシャツとジャージみたいなセットだけど、Tシャツだけ着ておいた。


洗濯機の中ではまだ下着類回ってる。


「あとでいいか」


って思って、見られたら絶対ヤバイ恰好だけど、そのままわたしは勝負に出ることに決めた。


なんの勝負だよって自分で突っ込んでおく。


はるくんもシャワーからでてきて隣に座ったと思ったら、なんかマリオカートする気満々で、わたしとの温度差を激しく感じた。




ソファーがあって、その前にテーブルがあって、そこに食べもの並べて、お酒置いてスタンバイOK。


「なにか映画がみたい」


って言ったら、好きなの選んでいいって言われたからサマーウォーズを選んだ。


サマーウォーズ見てる途中ではるくんの手が、わざとなのか無意識なのか時々わたしの髪の毛に触れるんだけど……


なにしてんの?


映画に集中できなくって髪の毛に意識がもってかれてしまった。


どきどきした。


ねえ、そのまま頭ごと引き寄せて、抱きしめるとかしない?


いろいろ妄想してたのに結局、サマーウォーズがおわり、はるくんが選んだ映画、銀魂に変わったときは、何にもなかったみたいに手は離れてた。


銀魂はなんというか、


くだらなさすぎて…


でも隣ではるくんがめちゃくちゃ笑ってるのをみたら、つられて笑ってしまう


銀魂が面白いというより、良くそんなに笑えるな!


楽しそうなはるくん見てたら笑えてしまった


そのあとはHUNTER×HUNTER~緋色のなんとかってやつを見せられた。


銀魂よりはストーリー性があって、最後までハラハラして見れたよ。


「優芽ちゃん、昔クラピカ好きだったじゃん?」


って言われたけど、そうだね昔の話。


子ども目線での好きと、いまの大人目線ではやっぱり違ってた。


クラピカは、優しいんだよね。


優しいけど、男らしいのかっていうと、ちょっと足りない。


いまなら違うかな。


ヒソカなんか、ゾクゾクしちゃうよ。


ほんとにこのままだと、違うひとを


…選んでしまうかもね。


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