【優芽】はるくんがヘタレすぎてぐだぐだなので、Tシャツ一枚で横に座ってみたけれど
早くはるくんがその気になるように、わたし頑張ったんだよ。
カラオケの選曲だって、ちゃんと考えてたし、サンセットビーチで気分上がるかなって思った
でも、どっちもグダグダだった。
キセキ歌えなくて泣いてるし?
演歌歌って「さよならあんた」って歌詞のところで「演歌、怖っ」とか言う。
選曲する機械?
あれ教えてもらうとき、かなりくっついて見てたのに、なんも反応してくれなかった。
やっと「きみをあいしてる」のとこだけ、なんとか歌ってくれたけど、意味わかってんのかよって思ってた。
海にいたときだって、わざと凪くんのこと話してみたのに、イタリアンバルで怒ったときみたいな反応はなかった。
「優芽ちゃん、もしかして凪に会ってんの?」
「LINE交換したの?」
くらいしか聞かれなかった。
そのあとは、何も聞かれず、サンセットを見てから海をあとにした。
はるくんちにも、作戦アイテムを買ってく。
まず、思い出の缶チューハイでしょ、
それからいちごは売ってなかったから、いちごが乗ったショートケーキ。
この2つでも、わたしがなにをしたいか、考えてるか、わかりそうなものなのに。
凪くんだったら、こんなアイテムなくても、手を触れなくても、何もしなくても、目が合っただけでそうなるのに。
はるくんは昔のわたししか、まだ知らない。
大人になってからのわたしとは、まだつきあいが短いわけで、やっぱり子ども扱いから抜けてない。
はるくんのうちは、想像してたよりもずっとキレイだった。
家賃高そうだなぁなんて、つい考えてしまった。
だってわたしのとこなんか、ワンルームのアパートで、オートロックもなければ築年数だって古い。
カフェの収入だって、バイトするよりちょっと多いかなってくらいだし、わたし高卒だし、こんなとこ絶対借りられないよ。
ちょっと卑屈になってしまう。
想像してたよりも、はるくんは素敵な大人になっていて、ちゃんとした仕事もしてる。
拓海さんと「合わない」と感じてたように、もしわたしが、はるくんと昔馴染みじゃなかったらきっと、合わないを感じてたんじゃないかな。
わたしの相手してくれるのは、お兄ちゃんの妹だからなのかもしれない。
その点、凪くんも高卒って聞いた。
学歴社会ってめんどくさって言ってたっけ。
そうだよねって共感できるのも、わたしもそうだから。
でもいまは、ここまで来たんだし!
気持ちを切り替えていこう
はるくんにシャワー借りた。
バスルームには、あんまり見たことのないシャンプーが置いてある。
使ったことないけど、それしかないから借りた
わたしが着替え持ってないって言ったら、乾燥機つきの洗濯機あるから、シャワーしてる間にそこに入れといたらいいよって。
そしてはるくんの部屋着貸してもらって着てることに。
Tシャツとジャージみたいなセットだけど、Tシャツだけ着ておいた。
洗濯機の中ではまだ下着類回ってる。
「あとでいいか」
って思って、見られたら絶対ヤバイ恰好だけど、そのままわたしは勝負に出ることに決めた。
なんの勝負だよって自分で突っ込んでおく。
はるくんもシャワーからでてきて隣に座ったと思ったら、なんかマリオカートする気満々で、わたしとの温度差を激しく感じた。
ソファーがあって、その前にテーブルがあって、そこに食べもの並べて、お酒置いてスタンバイOK。
「なにか映画がみたい」
って言ったら、好きなの選んでいいって言われたからサマーウォーズを選んだ。
サマーウォーズ見てる途中ではるくんの手が、わざとなのか無意識なのか時々わたしの髪の毛に触れるんだけど……
なにしてんの?
映画に集中できなくって髪の毛に意識がもってかれてしまった。
どきどきした。
ねえ、そのまま頭ごと引き寄せて、抱きしめるとかしない?
いろいろ妄想してたのに結局、サマーウォーズがおわり、はるくんが選んだ映画、銀魂に変わったときは、何にもなかったみたいに手は離れてた。
銀魂はなんというか、
くだらなさすぎて…
でも隣ではるくんがめちゃくちゃ笑ってるのをみたら、つられて笑ってしまう
銀魂が面白いというより、良くそんなに笑えるな!
楽しそうなはるくん見てたら笑えてしまった
そのあとはHUNTER×HUNTER~緋色のなんとかってやつを見せられた。
銀魂よりはストーリー性があって、最後までハラハラして見れたよ。
「優芽ちゃん、昔クラピカ好きだったじゃん?」
って言われたけど、そうだね昔の話。
子ども目線での好きと、いまの大人目線ではやっぱり違ってた。
クラピカは、優しいんだよね。
優しいけど、男らしいのかっていうと、ちょっと足りない。
いまなら違うかな。
ヒソカなんか、ゾクゾクしちゃうよ。
ほんとにこのままだと、違うひとを
…選んでしまうかもね。




