【優芽】凪くんとの2人の秘密、結菜ちゃんへのごめんなさい
「明日、話そうね」
エンタメビルに行く前夜、凪くんからLINEが来た。
前に行ったイタリアンバルで、
「LINE交換しよ」
と言われて交換した
初めましての凪くんは、話しやすかった。
一目みてから、わたしの脳内イケメン図鑑にいれてもいいなって思ってた
こっそり見てたんだけど、
「凪くんて天使なんだよ」
と結菜ちゃんが急にいうから、
吹き出しそうになったんだけど、髪には確かに見える天使の輪?
席をはずしたトイレ奥にある椅子で、隣に座ってから
「何か言いたいことあんの?」
「…え」
「ずっとこっち見てたよね」
チラチラ見てるのバレてた!
「イケメン図鑑」という脳内妄想してましたとは言いにくい
「……俺の顔に、何か付いてる?」
首を傾げて覗き込んでこられて
結菜ちゃんが言う通り、近距離で見ると
確かに「天使」だった。
目の色がブルーだよ?
「……観察、してた…んです」
そのまんま言ってしまう
「かんさつ?」
「結菜ちゃんが『凪くんは天使だ』ってあんまり言うから…どのへんが天使なのかなって見てて」
凪くんは一瞬、目を見開いて固まった
それから、ふっと笑って
「……で、結論は?」
至近距離での天使の笑顔
破壊力、ヤバ!!
「天使だった?」
このまま見てたらおかしくなりそうって思って目をそらしたとき
「結菜ってさ、俺に夢見てんのかな」
天使なんてさ、んなきれいなものじゃないのに…
「ね、見てよ、俺って天使じゃないよね」
って言われたからまた凪くんを見たら
笑ってるけど目が笑ってない?
さっきまでブルーだった瞳の色が…変わった?
本能的にこの人、なんか、こわい、ヤバいって思ったけど、この至近距離
逃げられない?
顔、近い!
後ろは壁で、横も壁。
目の前には今にもキスされそうなくらい近い凪くんの目……
天使なんかじゃ、ない
会ったばかりなのに、結菜ちゃんいるのに、この人なにしようとしてんの?
わたし、なにされるの?
逃げなきゃいけないのに、逃げられなかった
はるくんがいるのに、はるくんが好きなのに。
時間にしてたぶん…5秒後
わたし、凪くんとキスしてる
ヤバ、この人うまい
ヤバい…めちゃ気持ちいい……
はるくんにした「チューハイのチュ」なんか単なるぶつかり事故、なかったことになってしまう
人の気配を感じ、凪くんが少し離れた
「2人だけの秘密にしよ」
そう言ってまた軽く唇に触れて、離れた
「…凪くんって悪魔だよね」
「…悪魔?」
「わ、わたし、はるくんとしかしないって決めてたのに!」
割り込み禁止だったんだからね!
決めてたのに、なにすんだよこいつ。
そういうわたしも、なんでよけなかった?
なんで、逃げなかった?
…逃げられなかった
とその瞬間、凪くんが立ち上がって大爆笑した
え、なに笑ってんの?
なにが面白いの?
じゃ、先に戻るねって凪くんが言ったとき
「あ、いたいた!」
結菜ちゃんだ
背後にはるくんもいた
「あ、やば…」
凪くんがボソッと言った
なんか、はるくんが凪くんをにらんでる?
怒ってる?
火花が散っている!?
目の前ではるくんが凪くんに向かってなんか言ってるんだけど、なにが起きてるのか把握できない。
「…優芽ちゃん、戻ろ」
はるくんの声がなんか真面目。
わたしの腕を引っ張って立たせる
凪くんと結菜ちゃんが向こうに歩いていくのが見える。
あいつ、天使のふりした悪魔かも?
はるくんはわたしの腕を握ったまま
「…あいつと、何話してた? 」
怒ってる?
「なに話してたかって、えっと…」
どう話せばいいのかな
『2人の秘密にしよ』
そうだ、言ったらいけない。
「あ、そうだ、凪くんが今度は4人でエンタメビル行こうって言ってたよ」
そして席につくかどうかのところで
「凪くんって悪魔だよね」
ってボソッと言ったんだ。
「え、なに?聞こえなかった」
聞こえなかったらいいんだ。
聞こえないくらい、小さく言ったんだから
「それよりはるくん、エンタメビル楽しみだね」
それからみんなのところへ戻って飲み会が終わるまでその場を楽しめた
……のがすごく嘘っぽいなと思ってた
それから1週間後、某エンタメビルにある施設にきてる。
「先になんか食べるか」
着いたのがお昼前だったので、先にご飯にすることに。
「VRゲームとかミュージアムとかあるよ」
「デジタルアートって面白そう」
はるくんと結菜ちゃんが楽しそう
凪くんは、結菜ちゃんを見てる
ゲームセンターの進化版みたいで、すっごい楽しかったし、レーシングゲームもそうなんだけど、
途中で凪くんからLINEで呼ばれる。
なに考えてるんだろ?
秘密を増やそうとでも?
「はるくん、あっち行こう」
凪くんのLINEは無視した。
その後、ティータイム。
いちごのスイーツを食べてるとき。
結菜ちゃんが話題になってるっていう
「いちごキス」
を試してみたいって言いだしその動画をみせてくれた
いわゆるポッキーゲームのいちご版。
「流行ってんの?」
「流行らせようとしてんのかも」
みたいな凪くんと結菜ちゃんの会話
それからいちごキスのことについて結菜ちゃんが
「いちごがあると、こう、ふわっとする気持ちいいキスになりそうよね」
甘酸っぱくてとろけるよね〜
ふわっとする気持ちいいキス……
あのときの感触がふいによみがえってくる
結菜ちゃんは凪くんともう、キスしたのかな
「まだ告白されてないの」
さっきトイレで結菜ちゃんが言ってた
つきあってるみたいなんだけど、つきあってるっていえないよね?
と、さみしそうだった。
もしかしたら、まだなのかも。
なんか、ほんとごめん
言えないけど、ごめんなさい
レーシングゲームやってたら、マリオカートやりたくなったってはるくんに言った
「そういえば対戦途中だった気がするな」
と、中学生の頃の話をはるくんが言い出して、あの対戦の続き今度やろうなって誘われた
いちごキスも気になるけど、はるくんとは、たぶんまだ保留。
早く上書きして。
マリオカートなんか、ほんとはやってる場合じゃないと思ってた。
わたしたち、もう子どもじゃない。
【更新時間変更のお知らせです。】
これまで朝夜10時にしてましたが、明日から
朝7時
夜18時になります。
引き続きよろしくお願いします
いつもありがとうございます




