【凪】結菜の元カレ疑惑と優芽に言われた「凪くんって〇〇だよね」
結菜のうちに何回か送ってったとき、そのうち2回は黒い車が止まってんのを見かけた。
なんの車かって、たぶん結菜の元カレ。
結菜にバイバイしたあと、少し歩いて振り返ったとき、その車から男が降りてくるんだよ。
そして結菜んちにはいってく。
結菜の部屋に干してあった洗濯物とか、歯ブラシとか、あの男のものじゃん?
「離れたくないのにー」
とか言ってたくせに、俺が帰ってあんなすぐ男部屋に入れる?
俺も結菜のこと言えね―から、まあ言わない。
なんだ結菜、おまえなかなかやるなーくらい。
でもほんとはかなり、怒ってる
される側ってこんな嫌な気持ちなんだな。
お互いやってるからいいってゆーんじゃなくってさ、お互いそれ、やめればいいってことだよ。
それがいまわかったんだ。
悠真さんはよく俺に
「経験してみろ、そしたらわかる」
って言ってたんだけど、確かに!
今そう思った。
誰かとつきあって、浮気することはあっても、されたことはなかった。
される側の気持ち、わかってなかった。
結菜は見た感じ、そんなことするように思えなかったのに。
だけどひとつ思うのは、
「浮気って悪いこと?」
だいたいもめごとになるとき、女の彼氏とか出てくるんだけどさ
「やめて! 凪くんは悪くないの!」
って言われちゃうんだよな
無事に逃がされる。
俺が悪くないなら、じゃあ誰が悪いんだ? ってなれば、
「俺以外」ってことじゃん?
悪いことしちゃダメなら、俺が誘っても応じなきゃいいだけだし、
男が悪いなら、女にそんなことさせんなって思うし。
なんで受け入れるんだろ?
…それより腹減ってきた。
そういや優芽が、たこ焼きの話してたっけ?
たこ焼き買って帰ろう。
さっき悠真さんが、遥希の女に手を出すなよって言ってた。
そして、俺が知ってる女か?
とか聞いてたから、もう誰のことかバレてっかもな
悠真さん、俺の心のなか見えてそうだし。
人生経験積むと、あんなふうになれるのか。
みんなが遥希みたいに、心のなかが見えやすいと楽なのに。
ほんっと遥希、面白いくらい丸見え。
そうだ、怒らせたお礼にたこ焼き持ってってやろうかな
俺は急に思いつき、遥希のマンションにいってみた。
いつ来てもいいとこだな、と思う。
オートロック押そうとして、
「あれ、部屋番号なんだっけ?」
忘れたので遥希にLINEした
「開けて」
しばらく待ったあと、遥希が開けてくれた
なんだ、もう怒ってないんじゃね?
遥希チョロい
部屋にはいったら遥希にたこ焼き渡して、勝手にシャワー借りた。
俺が頼んでたエイトザタラソUのやつ、ちゃんと買ってくれてんの
これ使うと結菜が
「凪くん、水色のにおいがするー」
って言うんだ。
色ににおいがあるなんか、初めて知った。
遥希のパーカー勝手に着てから、遥希の横に座った。
悠真さんちのソファーより遥希んちのが気持ちいい
ここでは、ソファーに座る。
めちゃ座り心地いいんだ。
「凪、なにしに来た?」
あれ、まだ怒ってんのかな?
「たこ焼き持ってきた」
見ればわかるだろ
遥希が食べないなら俺が食べる。
海を見ながら食いたかったたこ焼き!
思い出し笑いがでてしまう。
「なに笑ってんだよ」
「はるくん、たこ焼き食べる?」
優芽のマネしてみる。
あれ、俺ってこんなキャラだっけ?
結菜とか優芽とかのキャラが混ざってきてね?
「優芽って個性的だよな」
遥希に言ったら
「おまえがそれいう? は?」
だって。
まあ、うちの会社に入社できてる時点で、みんな個性的じゃん?
俺なんか社長に会った瞬間「いいね」って言われてそれだけで面接受かったんだ。
変な会社、つまり遥希も変。
「あのさ凪、ちょっと聞くけど」
「あ、優芽のことか」
「呼び捨てすんなよ」
「怒るとこ、そこ?」
「や、違うけど…」
「がんばれ遥希、なにが聞きたい?」
聞きにくそうだから、俺から話してやることにした
「結論からいうと、なんもしてないよ」
だから安心しろって言ってやった
「まあ、しようかと思ったけどな」
未遂だなって、きちんと言ったら
「は? おま、なにしようとしたって?」
未遂なのに、なぜ怒る?
「反応確かめたくて、優芽にキスしてみよっかなと思って」
顔近づけたんだけど、まったく逃げないんだ。
「優芽、俺とキスしたかったんかな?」
とその瞬間、頭叩かれた。
「いってー」
グーじゃなかったけど、パーでも痛い
「じゃあ逆に、なんで未遂でいられた?」
我慢したってわけ? って聞かれた。
「遥希の女、おもしれーんだぜ」
「女って…」
「次にするのは、はるくんって決めてるから割りこみ禁止だよ!」
って言われた
「凪くんって、悪魔だよね」
って言われたし
「あ、悪魔?」
「結菜が俺のこと天使ってゆーけど、どのへんが天使なのかって見てみたら、目のなかに悪魔が見えたんだって!」
俺、目のなかに悪魔飼ってんのかな?
キスするくらい近づかないと、きっと見えないくらいの悪魔じゃね?
あの日ブルーのカラコンつけてたのに、なんでバレたんだろうね?
って遥希に言ったら
「優芽ちゃん、俺の目は嘘つけない目だって言ってたから」
俺との違いでも、見つけたんだろって遥希が笑ってくれた。
なんとか遥希とも仲直りできたし
「さ、寝よう遥希」
ベッドにも勝手に寝転ぶ
「ソファで寝ろよ、気にいってんだろ?」
「いいじゃん、仲直りのえ…」
バッカじゃね!
また叩かれた。
次の日仕事いったら悠真さんに怒られた
「髪、そのまんまじゃんかよ!」
忘れてた。




