表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/150

26.俺、世界の理(ことわり)にちょっと呆れる

 うーん、違いと言ってもなぁ。


 過程やビジュアルが影響するとは、さすがに思えない。というか、思いたくない。

 もしそうなら、この世界のことわりは少しお遊びが過ぎるんじゃね、と言いたい。

 だってさ、俺と同じ魔法を使ってる人、99.9999パーセントいないと思うんだ。つまり、俺を狙い撃ちしてるわけ。そんなの、こまっちゃうナ。

 となると、使用者視点だと単体を狙ったか全体を狙ったか、発案者視点だと単体用か複数用かだな。


 ……。

 …まさか、全体攻撃魔法…いや、複数攻撃魔法は無効…なのか?

 それも、完全無効じゃなくて、本来期待される効果――たぶん、理を決めた者が想定した効果――を無効にする…?

 そんな手の込んだ特性、俺の知識にはなかったぞ!?


 でも、そうとしか考えられない!

 そう考えれば、辻褄も合う!



 消滅弾エクスティンクションブレットは単体用だから、普通に通じた。

 勢いあまって後続を巻き込んだけど、あくまでも偶然。狙ったわけじゃないから、そのまま通った。


 マーブ・エクスティンクションは複数用だから、消滅の効果は無効化された。

 ただし、俺の魔法には質量を持たせたコアがある。遠距離でも威力を落とさないための工夫の一つだ。

 おそらくだけど、理を決めた者は、そーゆー構造の魔法を想定してなかったんだろうな。

 消滅の効果がなくなっても、核が持ってる運動エネルギーは残ったまま。それが当たって、カラスは落下した。


 プラズマ球は、魔力弾より遅い。だから、受ける衝撃も軽い。結果、立ち上がるのも早い。

 マーブ・アタックは、そもそも傷を負わせてなかった。傷跡はなくて当然だ…。


 よし!

 それだけわかれば何とでもできる!



 俺は単体攻撃用の大魔法をイメージする。


 いにしえの大賢者が残したとか、複数人でやっと使えるからとか、そんなことが理由の大魔法じゃない。

 文字通り、そのまんまの大魔法だ。


 バチバチバチ…。


 オゾン臭が立ち込める。

 物騒な音が広範囲に響く。


 ふっふっふ。いいかね、これはあくまでも単体を狙う魔法なんだ。ただ、相手が予想を超えて素早くて、万が一、いや、億千万が一にも逃げられると困るから、効果範囲をほんのちょびっとだけ広げたんだ。当然、威力は単体用だよ。わかるね?


消滅弾エクスティンクションブレット、エクスクラメーションサイズ!」


 消防署の方から来ました的な思いを込め、俺は大魔法を放った。


 大魔法は「お前絶対逃がさないから!」の思いに反応し、大大大大大大大大魔法ぐらいになってカラスの群れに着弾。狙い通り、先頭のカラスを消し飛ばした。

 なお、近くにいて巻き込まれて消滅した不幸なカラスが相当数出た模様…。


 いやー、偶然って、本当に恐ろしいですねー(棒)


 いやいや、何でこれが通用するかなー? やった本人が言うのもアレだけどさ。



 …この世界の理、マジでお遊びてんこ盛りじゃん…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ