25.俺、全力で考える
さて、認めたくない現実を受け入れよう。
試しに撃った消滅弾は、カラスに通じた。
でも、同じプラズマ球を撃ち出したマーブ・エクスティンクションは、通じなかった。
その謎を解かないと、カラスを倒すのに時間がかかりすぎる。
俺としては、なんとしてでもそれを避けたい。
いやね、落ち着いて考えたらさ、俺一人なら、魔法が通じなくても全然問題なかったんだよ。
うん。身体を伸ばして入り口をふさいで突っ込んでくるカラスを悪食で食べるだけの簡単なお仕事だったんだ。
でも、それじゃ時間がかかる。何より確実じゃない。そんな方法、俺は絶対に採らない。
カラスを大目にみて7000羽としよう。
1秒に1羽片付けたとして、所要時間は2時間ほどになる。
でも、それは机上の計算ってやつなんだ。
実際には、もっとかかる。
だって、間隔を空けずに連続で突っ込んでこないと毎秒1羽は無理だもん。
鳥はそんな風には飛べないよね?
そもそも、最後の1羽まで特攻するほどカラスは馬鹿じゃないと思う。
いいとこ1/3ぐらいで止めて、この辺に居つくんじゃないかな?
そうなると、狩りに出られないからハーピーたちが飢えちゃう。
俺としては、そんな事態を起こすわけにはいかないんだ。
何故かって?
彼女たちは全員、俺の娘みたいなものだからだ。種族は違うし、実年齢だと全員年上だ。でも、そんなの関係ない。
親として、子どもたちを飢えさせるわけには断じていかないんだよ!
でも、現実問題として、俺一人じゃ、200人分の食糧を獲るのはキツイです。
さっきの計算と同じことなんだ。数は必要な力なんだよ。
なので、できるだけ速やかにカラスを何とかしたいんだ。
ということで、俺はマーブ・エクスティンクションが通じなかった理由を、全力で考えてる。
まず、防御の基本はシールドだ。
文字通りの盾だったり、魔法の結界だったり、種族の能力だったりいろいろある。
でも、今回は違うと思う。
根拠は有効範囲だ。
シールドの理想は全方位全方向のカバー。
でも、これはメチャメチャ超高難度。
実際には、盾を向けてる方向しかカバーできない。
正面からの攻撃に反応できなかったカラスが、上からの攻撃に反応できたとは思えない。
最初から背中にシールドを張るのも考えにくい。だって、鳥は、丸くなって身を守るわけじゃないからね。
シールドじゃなければ防御力なんだけど、これは無いと言い切れる。
だって、消滅弾は通ったもん。
となると、あとは特性か。
バックアタックを無効にする特性?
いや、それなら平然と飛び続けたはず。
それに、ゲームだと不意打ちにならないだけで、攻撃自体は普通に通った。
カラスは落ちた。つまり、ちゃんと攻撃できてたってことだ。
じゃあ、消滅弾とマーブ・エクスティンクションの違いは何だ?




