24.俺、替え歌に救われる
いかん、落ち着け、俺。
こーゆー時は……、確か大先輩は素数を数えてたな…。
じゃあ、俺は今の状況を歌ってみるか…。
迫るー烏、無敵の軍団♪
我らを狙う黒い羽根♪
……。
…いや、これ、元歌が古くね? っていうか、古すぎるだろ。確かに語感とかは合ってるけど…。
知らない世代も多いと思うから説明しよう。
これ、親父が子どもの頃ハマってた、元祖ライダーのOPなんだ。
うん。俺もハマったよ。こーゆー時に浮かぶぐらだもん。
大人になってから、親父が当時集めたライダーカード(美品、欠番無し、アルバムも全種コンプ)を見せてくれたときは、マジ興奮したさ。
オタクな両親を持つと、子どもも自然とそうなる見本だな。
ついでだ。自分にダメ出ししておこう。なあ俺、悪役を無敵にしてどうするの?
ふう、おかげで冷静になれた。
ああ。カラスが本当に無敵と決まったわけじゃない。
マーブ・アタックはド派手だ。でも、あくまでもカラスを駆除するイメージで作った魔法だ。威力自体は、並の術者のファイヤーボール程度なんだ。
HPを自動回復する雑魚はRPGにもいた。当然、自動回復量を上回るダメージを与え続ければ倒せた。
カラスも同じだ。ファイヤーボールに耐えるHPは予想外。回復力も予想外。でも、一撃でHPをゼロにしちゃえば、それで済む。
つまり、打つ手はまだまだあるんだ。
それじゃ、オーバーキル上等で新魔法を一発。
全力で撃ったファイヤーボールの反省・改良版だ。
俺は魔法のイメージを描く。
凝縮された魔力が超高温の球となり、眩いほどに輝く。
物騒な音が聞こえだす。
バチバチバチ…。
「消滅弾!」
ソフトボール大のプラズマ球はオゾン臭を残して飛び去り、先頭のカラスに命中した。
ついでに、かなりの数の後続を巻き込んだ。
「計画通り…」
カラスは消滅。残された羽が宙を舞う。
俺、ちょっと悪い顔しちゃったよ…。
………。
……。
…よし、復活はない!
しかも、カラスが混乱してるぞ。運よくリーダーにでも当たったか?
チャンス到来!
それじゃ、マーブ・アタックを改良して…。
「マーブ・エクスティンクション!」
魔力弾が分裂し、プラズマ球がカラスを…。
…おおっ!?
ちょっ、マジかよ…!
プラズマ球はカラスに命中。そして地面に落とした。
そう、カラスが消えてないんだ!
カラスは次々に起き上がり、何事もなかったかのように飛び立つ。
何だよこれ、「何か知らんけど上からどつかれて空から落ちた件」とか言ってるみたいじゃん…。




