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今の時点で三人の異世界人が自分の世界を失いそうになっている。みんなが無事に帰れれば本当に良いと思う。そのために出来る事があるのなら協力したいが、これまでも特別な事をして来たわけではない。転移者達と現代観光をただ楽しんで過ごして来ただけなのだ。
「出来る協力はしますけど、期待していただくほど私達に特別な何かがあるわけじゃないんです。ね?」
雄真に同意を求めれば彼も申し訳なさそうに頷いた。
「あまり気負わないで。こうして話を聞いてもらえるだけでも助かるんだよ。今までこんな話誰にも出来なかったからさ。何か気づく事があれば教えてくれるだけでも良いから」
すると何か閃くようにガラケー型端末の画面を再びこちらに向ける。
「たとえば、この子は千歳ちゃんも乗ってたかも知れない電車で消息を絶ってる。見覚えがあったりしない?」
言われてまじまじと写真を見つめる。笑顔が可愛い男のだけど際立った特徴がある訳ではない。でも見た事もある様な気もする。
「見覚えがあるのか?」
「うーん、、」
私の様子に気づいたのか雄真が聞いてくる。小野からも期待を込めた視線を向けられた。
「見覚えががある様な、ない様な、、でもあったとしてもこの一ヶ月とかじゃないと思う」
私は必死に記憶を辿る。こんな無邪気な笑顔を見た気がするのはいつの事だったか。電車では良く親子連れを見かける事もあるけど印象的だったのは夏のあの日か。流星群を見つけると言う素敵な宿題の話をする親子に和まされた。その直後にリオンに出会ったからあの日の事は特に印象に残っているがその子は宿題をする小学生だ。晴翔君は四才だから未就学児なわけでその時の子であるわけはない。でも似たような光景をまたすぐに見た気がする。
「あ!あの時だ!」
「思い出したのか!?」
「うん、よく電車で見かける社畜さんが珍しく顔色のいい時があったの。スーツじゃない彼を見かけたのは初めてで印象的だったんだわ。休日の素敵なパパさんって感じで小学校にはまだ届かない位の男の子と一緒だった!その子にとても似ていると思う」
小野は早速得られた手掛かりに目を輝かせた。でも、、
「それは夏の事で晴翔君が居なくなった頃よりずっと前よ。多分違うわね、ごめんなさい」
「いや、、」
異世界から迷い込んだ晴翔君が行方不明になった時期とはかなりの時差があり無駄な情報かと思い私は謝ったが、それに対して小野はとんでもない可能性を口にした。




