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異世界に来てしまった私は気が付いたらドラッグストアをひらいていた。  作者: ありえ


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90 ヴェルジック領へ

 西門から出発してすぐ、初めての馬車に少し感動するが、思っていたよりも速度が遅い事に気付く。

 町中での速度が人の早歩きぐらいだったが、それは町の中に居るから速度を落としているんだと思っていた。

 しかし、西門を出てもその速度は変わらなかった。

 普通に馬がテクテク歩いている感じだ。

 勝手に乗馬の様に走るイメージだったが、馬車を引いていたら走らないのか…。そうか…。

 馬車で2,3時間かかると言われたが、速度がだいたい7キロか8キロぐらいだから、ヴェルジック領までは15キロから25キロぐらいの思っていたよりも近くにあるみたいだ。

 徒歩だったら3時間から5時間ぐらいの距離。

 車だったら15分から30分弱の距離だ。

 電車だったら…新幹線だったら…

 考えれば考えるほど近くに感じる。

 …誰か電車開発してくれないかな…?

 そうしたらすぐなのに。

 馬車に揺られつつ、そんな事を考え、車や電車や飛行機を開発した人に頭が下がる思いだ。

 考え事をしていたら馬車内でうたた寝をしていたようで気が付いたらもう後少しで着くとの事だった。

 寝ているとすぐだな。

 ヴェルジック領までの道は人通りも多く比較的に安全と聞いていた通り何事もなく安全に辿り着けた。

 入口を見てみると、あれは関所だ!

 見た目が箱根の関所に似ている日本風の建物だ。

 そこで馬車を降り、犯罪歴がないかなど身元確認をし通行税を払い町へ入る。

 クリスティーヌ様と一緒に来ているので身元確認後馬車へ戻り、領主邸まで行くこととなったが、領主とかはどうでもいい。

 そんな事よりも!!

 町が…町が…。

 これは…江戸だ。いや江戸時代の様な感じ。

 日本の観光地で見たこともある武家屋敷の様な建物が並んでいる。

 町行く人は着物を着ている…?

 どういう事だ!?

 昔の日本に来てしまったのか?

 プチパニックになりつつも領主邸に着いてしまった。

 扉を開けられ降りると、Oh…城。

 キャッスルではなく城だ。

 何を言っているのか分からないだろうが、洋風の城ではなく日本の城って事だ。

 おろおろしている内に三の丸を過ぎ二の丸を過ぎ中心の本丸へと来ている。つまり目の前に天守閣があるという事だ。

 プチパニックのときに通った門は城門だったという事か。

 クリスティーヌ様も馬車から降りたようで、こちらに来てくれ話しかけられたが、城が気になり、それどころでは無かった…。

 話を聞いていない間にクリスティーヌ様とウッディさん達が話していたらしく、領主様と会うことが決まっていた様で案内されている。

 そう。気が付いたら天守閣の中を案内されている。

 天守は戦いの時に指揮を出す場所ではないか? とは思うが観光しているように案内されているのだ。

 靴を入口付近で脱いだのはギリギリ覚えている。

 我に戻り、ウッディさんに「ここは領主邸ですか?」と小声で聞くと「クリスティーヌ様と一緒だった事もあり領主様と面会出来るようですよ」と親切に教えてくれた。

 え? こんな急に領主様に会えるものなの? それより天守で面会するのか?

 はっ! 領主様は殿様って事か!?

 再びパニックになりながらも控室に案内され、当たり前のようにでてきた湯飲みに入った緑茶を飲み心を落ち着かせる。

「エリナさん大丈夫ですか? 門に入ったあたりからずっと様子がおかしいですが…具合でも悪いのでしょうか?」

 心配をかけてしまったようでウッディさんの奥様に声を掛けられる。

 もう色々と大丈夫では無いが、ここまで来たら殿様? 領主様? に会って早くここを出たい。

 早く宿屋で部屋を取って心を落ち着かせ状況を整理したい。

 心を落ち着かせる時間もあまり無いまま天守閣の一番上へと案内された。

 そこで少し待つと殿様の見た目では無いが着物を来た領主様が来た。クリスティーヌ様も一緒だ。

 やばい…。作法が分からない。

 座布団に座っている状態なので、前に手をついてお辞儀すれば良いのかな??

 とりあえずそう思ったのでそうお辞儀をする。

「君がクリスティーヌと仲の良いエリナだね? 姉のようだとクリスティーヌも言っておるぞ」

 ええ〜! そう思ってくれているの? 嬉しい!

「クリスティーヌ様にはお世話になっております。妹のように可愛いと思っております」

 そう返すと一緒にいたクリスティーヌ様が照れている。やばい! 可愛い!

「クリスティーヌと仲が良いと聞いて一番見晴らしの良いここで面会にしたんだ。周りの景色を見てみたかい?」

 それで天守での面会となったのか。

「ええ、とても見晴らしが良いですね!」

 ウソだ。外を見る余裕は無かった。しかしそう言うしか言葉が見つからなかったんだ。

 その後も少しお話をした。

 天守という言葉を使って良いか分からず、その言葉を伏せここはどういった使い方をしてるのか聞いてみたが、観光の様に景色を見ることと、オークなどの魔物の群れが襲撃してこないかをチェックするぐらいしか使っていないようだった。

 この領主邸(城)はもう昔からあるそうで、その時の大工達がここを建てたらしくもう800年程経つそうだ。

 その大工の頭が”しろまにあ”だったらしく他の領地の様な家ではなくこんな感じになったらしい。

 多分”城マニア”って事だし、絶対日本人だと思う。

 それに”マニア”という言葉を使っていることから現代日本人だと思われる。

 その話も聞きたいが、今日会ったばかりなので後日聞こうと思う。

 気さくな貴族らしさが無い領主だとは思うが一応異世界人とバレないよう慎重に。

 話も終わり宿屋でも探そうかと思っていたが、天守閣入口に居た奥様(領主夫人?)に呼び止められた。

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