ゴブリンは敵に入りますか?②
「シャルルさん!」
「ゴブリン討伐の任務を受けたのですね?」
自室で討伐の準備をしているシャルルに二人の男が話しかけてくる。
二人とも中々のイケメンだがシャルルはどこか不機嫌そうだ
あ、わかったぞ。ノックもせずに入ってきたからだな?レディの扱いは難しいのだよ。ふふふ
「エルンスト、ルーザー、お兄様に言われて来たのでしょう?討伐の件、私一人で十分と言ったはずです!」
「ははは、お見通しですか」
「流石はゴリアテ様の妹君、慧眼お見それします」
「もう!お兄様ったらいつまでも子供扱いして…」
やっぱりね、そうだと思ったよ。子供扱いはさみしいもんな。
「ついて来なくていいから!」
「そう言われましても…」
いや、ついて来てもらった方がいいと思うね俺は、後悔先立たずという名セリフもある。
シャルルに死なれるのは寝ざめが悪いし、拾われてゴブリンの物になるのは最悪だ。まだゴリラにぶん回されてた方がいい。
「いいといったらいいのです!」
「ですが…」
口論になりそうだった所をイケメンBが止める。
諦めんなよ 諦めんなよ、お前!どうしてそこでやめるんだ!もう少し頑張ってみろよ!
「わかりました、では私達は同行いたしません」
「しかし気をつけてくださいね。ゴブリンとはいえど油断は禁物です」
シャルルの部屋をあとにするイケメン二人
お前それでいいのか?
一方シャルルは俺の心配など素知らぬ顔。鼻歌混じりにゴブリン討伐の準備は進んでゆく。小さいリュックサックに入れられて行く弁当、水筒、ハンカチ、雨具…
遠足ってレベルじゃねーぞ!いや、他に持って行く物も思いつきませんが。
あるんじゃないの?何かこう、ファンタジー的な物が。
「さぁて明日に備えて寝ますか」
お休み、と言いそうになったがそうだ、俺は浄化されたんだった。危ない危ない、またカンカンされるのは嫌だよ。
フリルのついたかわいい寝間着をタンスから取り出し上着のボタンをプチプチと外し始める。
こ…これは嬉しい誤算ッ!そうだよな。俺は今魔剣ティケオゥな訳で着替えを隠す必要などない訳で。
出来ればこの部屋のタンス、欲を言えばベッドに転生したかった。
そんな事を考えているうちに背中に両手を回しブラを外す段階まで来ていた。
D!V!D! D!V!D!
「…」
くるり、と後ろを向き一瞬で寝間着に着替えるシャルル。
あれ?さっきまでもっとゆっくり着替えてなかったですか?
もしかしてバレた!?
しかし別段変わった様子もなく、軽く伸びをしてベッドに入り、すぐ寝息をたて始める。
気のせいだったか
いや、カマをかけられた可能性もあるな…
シャルル=ヴァージニア
単純そうな娘だが甘く見てはいけないのかもしれない。
次の日の朝、教会の入り口に佇む少女とゴリラの影。
ゴーン ゴーンと朝からでかい鐘の音がなり、完全に寝ていた俺も覚醒する。
しまった、ちゃんと起きていればシャルルの着替えがまた拝めたのに
「気をつけるんだぞ、シャルル」
「はいっ!行って来ます!」
スキップしながらも女の子にしては中々の速度で教会からどんどん離れてゆく。
流石は車とかない世界の人、ご健脚で何より。昨日着替えの時見たが結構いい身体していたもんな。エロい意味ではなく。
しかし意外とこの娘しっかりしているのかもしれない。
結構な速度で移動しつつも周りへの警戒は怠らない。いつでも剣を抜けるように右手は腰の周辺に、足場の悪い泥道でも出来るだけ浅い所を歩き、かつ目線を下には落とさない。
もしかして心配してるのは俺とゴリラだけ?イケメンもすぐ引き下がってたし…ゴリラと同レベルか…
俺が気落ちしてる間にもどんどん風景は進んでゆく
樹が茂っていき、緑が増えてきた。森か、小さい頃から都会に住んでいたからこういう場所には全然縁がなかったんだよな
動物とかいないのかな。リスとかウサギとか見たい
たっ!
不意にシャルルの歩行速度が上がる。というか走っている?
樹々を抜け、茂みを飛び越え、どんどん前に進むシャルル。
い…いきなりどうしたよ!?
ザッ
ガサガサ…
木の上に登り気配を殺すシャルル。少し様子が違う…?
「くそっ見失った!」
「やはり気づかれていたか…流石はゴリアテ様の妹君」
「言ってる場合か!探すぞ」
イケメン二人が息を切らせながら現れ、すぐ周囲に散る。シャルルの護衛は諦めていたワケではなく、後ろからついてきていたのか…さっきまでシャルルが警戒していたのはこの二人…?
「ふぅ…まだ動かない方がいいか…」
そうまでして俺と二人きりになりたかったのかいハニー
「やっと二人になれましたね。高雄さん」
二人きりに…って
「高雄さん、日本からこちらに来た方ですよね?実は私もなんですよ」
えぇーーーーーー!?




