表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ  作者: 月輪林檎
吸血少女と邪神?

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

950/951

想定外の感覚

 夜が明けて、少ししたところで、異神の気配を感じ取る。その気配は、大分遠くの方からする。フレ姉達が向かった先でもあるから、多分フレ姉達が倒す予定の異神だと思う。メイティさん達も一緒かな。

 感覚的には純色の赤の異神だと思う。炎を使う異神だと思うけど、アク姉が水を中心戦闘する魔法使いだから、特に大きな問題はなさそうかな。


「ママ!」


 リビングで、異神の気配を探っているとヤチがアカリを連れて起きてきた。どちらかというと、アカリの方がヤチを起こしてきてくれた感じかな。

 ヤチは真っ直ぐ私の元に来て、座っている私の膝に上って抱きついた。ヤチが落ちないように支えて、私からも抱きしめる。


「おはよう」

「おはよ!」


 ヘスティアさん達が作ってくれる朝ご飯をヤチに食べさせていると、今フレ姉達が戦っている異神とは別の異神の気配を感じ取る。その異神の出現場所は、かなり近い。


「ハクちゃん?」


 私の様子が変わった事にアカリが真っ先に気が付いた。この辺りはさすがだと言わざるを得ない。


「近くで異神が出た。ちょっと近すぎる……フチムニナ?」


 私はヤチを持ち上げてアカリに預ける。ヤチが私に手を伸ばすけど、こればかりは受け入れられない。代わりに、ヤチを頭を撫でる。


「ちょっと、ママは行ってくるね。アカリママと良い子でお留守番出来る?」

「むぅ……」


 ヤチはむくれながらもアカリにぎゅっと抱きついた。取り敢えずは分かってくれたみたい。せっかく一緒にいられる時間なのにって感じだけど、こればかりは無視出来ない。


「それじゃあ、アカリよろしくね」

「うん」

「ヘスティアさん達も、ここをお願いします!」

「任されました」


 ヘスティアさんは笑顔で私を送り出してくれる。私が負けるとは一切考えていないような感じだ。その信頼が私に力をくれる。アテナさんが槍と盾を出しているので、ここは本当に任せて良さそう。

 ニュクスさんが私の背後についてくる。ニュクスさんは一緒に来るみたい。アマテラスさんとガイアさんは、こっちの防衛に残ってくれる。


「アスタロト!」


 外で日光に当たっていたアスタロトを呼ぶと、即座に私の元に来てレメゲトンに入る。私の声色から緊急事態という事を察してくれたらしい。

 最後に、フレンダさんの現在地を確認しようと思ったらシキドウジと一緒にいた。


「フレンダさん! この近くに異神が出ました。小屋の中にいてください。シキドウジ、防衛をお願い」

「ええ」

「分かった」


 ひとまずフレンダさんが近くに居てくれて良かった。シキドウジがどのくらい対抗出来るのか分からないけど、十の存在としてのシキドウジと同等の強さがあるとしたら、ある程度は対抗できるはず。

 ニュクスさんをつれて、私は異神の気配がした方向に向かって飛ぶ。ワンスアポンを少し越えた先の空に雲が浮いていた。その雲は、普通の雲と同じく白いけど、その雲からは異様な気配を感じる。異神だ。


「フチムニナ……」


 聞いていたフチムニナの姿と同じだ。思っていたよりも雲だけど。雲だから水滴の塊だろうけど、私の支配が及ばない。私が攻撃をする前に、ニュクスさんが夜を凝縮した攻撃を放った。

 フチムニナは、身体に穴を作り出して攻撃をすり抜ける。


「身体が雲……厄介ね……」

「そうですね。なら、避けられないようにするしかないですね。皆、地上への被害を防いで」

「はぁい」

「任せて」


 アスタロト達とメタトロン達が一気にレメゲトンから出て来て、地上の方に向かう。私とニュクスさんの攻撃が地上に落ちないようにしてもらう。

 白百合と黒百合を出して、血液を纏わせる。そして、一気にフチムニナに突っ込む。闇を纏わせた血液の刃を次々に放っていくと、フチムニナは身体を自由自在に変えて、攻撃を避けていた。

 雲という不定形の身体を持つフチムニナには、こうした攻撃は通用しないという事がよく分かる。連続で放ってもその身体の変形が追いつかなくなるという感じはない。ニュクスさんの攻撃も同じように避けている。降り注ぐ夜も通用していない。

 ただ、私が血液を放った理由は、攻撃というだけではない。フチムニナの背後で貼った血液を広げて、フチムニナを囲むように展開する。避ける範囲を狭めたところで、ニュクスさんが大型の夜を放つ。直後に、逃げ道を塞ぐように密閉する。同時に血液を介して内部を火で満たす。


「通じている……かしら……」

「どうでしょう。異神がそこまで甘いかどうか……」


 私がそう言った直後、血液の球体に罅が入っていく。ニュクスさんの攻撃の結果じゃなくて、別の要因で罅が入っている。つまりフチムニナが内側から攻撃しているという事だ。


「血の耐久力じゃ封じきれない……」


 私は手数の白百合と黒百合から、赫夜刀に入れ替える。そして、赫夜刀に血液を急速補充させていく。そこにニュクスさんが夜を凝縮して赫夜刀に注ぎ込んでくれた。赫夜刀の許容量は高く、ニュクスさんの夜も普通に吸収している。そこに私は自分が持っている全ての属性を合わせる。赫夜刀が僅かに震えるけど、一応問題はない。

 全属性を乗せたこの攻撃は、ナイアルラトホテプの空間を割る一撃になったもの。しかも、今は赫夜刀になり放つ武器が進化している。

 今使えばどうなるのか分からないけど、フチムニナを吹き飛ばすのなら、これが一番良い。

 血の檻が割れるのと同時に一気に接近して赫夜刀を振るう。空間が歪み、フチムニナの一部が飲み込まれる。フチムニナから焦りのような気配を感じた。身体の大半を切り離したフチムニナは、歪みから離れていく。

 歪みは世界の修正力で戻っていく。一応、私も歪みによる被害を抑えるために、空間の修復に力を貸す。これでフチムニナに大ダメージを与えたけど、これまで通りなら、ここからが本番だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ