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何でもいいと言われたので転生特典をありったけもらって転生したのに、実家がなくなったので妹と共に魔法を極めます  作者: あっきー


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特典EX6「うーみー!!」


-----


時は流れて夏休み直前。

せっかくなので皆でおでかけしようと決まったのだが。


「海を見てみたいです!」


「いくらリズの頼みでもそいつは聞けねえ。

海なんて陽キャの行くところだ。」


「でも・・・夏らしくていい、よ?」


「山でバーベキューだって充分に夏らしいぞ、リンリン。」


「それは・・・そう。」


「リンリン、いくらタクミ相手でも負けちゃダメです!

バーベキューなら浜辺でもできますよタクミ!」


「間をとって山にある川じゃダメなのかい?」


こんな感じで見事にまとまらない。

リズは海に行ったことがないので行ってみたい。

俺は根が陰キャなので海より山派。

リンリンはどちらかといえば海派。

そしてグレイは、泳げなくて荷物番か肉焼き係のどちらかが確定なのでどっちでもいい派。

と平行線。

なんでもそつなくこなすイメージのあったグレイにも、意外と苦手なものはあったらしい。


リズとの初めての意見の対立だが、大抵こういうときの決着はあっさりしているものなのだ。


「お兄ちゃん、何か盛り上がってる?」


「おお良いところにマイシスター!

海と山だったらどっちに行きたいかで意見が割れてるんだ。」


「海でスイカ割りしたい!」


「よし海に行こう。」


「ふふ・・・さすが、タクミ。」


「自分の意見を通すことより妹のやりたいことを即座に優先とは。

いつものシスコンなんだが、少し良い兄に見えてしまう自分が悲しいよ。」


「はあー?俺はいつでも最高の兄ですー!最高の妹の意見を尊重するのは義務ですー!」


「別に義務じゃねえわ。あと自分で最高の兄とか言うな。引くわ。」


グレイの冷ややかな目と、喜びのあまりサクヤをうれしそうな顔で撫でまわすリズが印象的だった。



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「うーみー!!」


馬車に乗り半日ほど。

お目当ての海へと到着。

早々にマイシスターのテンションが跳ね上がっており、お兄ちゃん大満足です。


お義父さんでもあるリンクス公爵様に相談したところ、公爵家の別荘をお借りできた。

おかげでプライベートビーチだ。

これなら陰キャの俺でも楽しめそうで本当にシャンドリー様に感謝だな。

ほかの目を気にする必要もないということで、サクヤの友達2人も参加。

おかげで男女比がひどいことになっているが、まあいつものことだ。


女性陣が着替えている間、こちらはグレイと2人きり。

俺特性のアスレチックによく挑戦しているだけあり、以前よりも筋肉がしっかりついている。


「なんだいシスコン。相変わらず視線が気持ち悪いぞ。」


「相変わらずってことはいつも思ってるんですかー?

それはさすがの俺でも傷つきますー!」


そんないつものやりとりをしていると女性陣が到着。

我が家のスーパープリティな2人の水着姿を脳内におさめなくては。


「お待たせいたしました、2人とも。

・・・タクミは大丈夫・・・ですか?」


「わが人生に一片の悔いなし・・・!」


「死なれるのは・・・困る。」


「水着姿で鼻血を噴き出して倒れるとか妄想力凄いな。」


「はー?どう見ても健全ですー!

妹の健康的な太もっも!

奥さんの奥ゆかしいスクール水着!

どっちも脳内永久保存はマストですー!」


「お兄ちゃん、さすがに気持ち悪いよ?」


「がはっ・・・!」


「やめてやれサクヤ。

ただでさえ鼻血で血が足りていないのに、君の否定で口からも大量の血が出てる。

死んでも死なない奴だが、君たち2人の言葉だけはこのシスコンを殺めうる。」


「たしかに・・・死んでも、死なない。」


「さすがにひどくないか?

皆は俺のことをなんだと思ってるのさ。」


「「「化け物」」」


「あっ、はい。」


かわいい奥さんに介抱されつつ、にぎやかな海水浴が始まった。



-----


女性陣は自由に遊びに行った。

リズたちはボール遊び、リンリンが浮き輪に浮かんでいるのをサクヤが泳ぎながら押している。

うちの女性陣がきゃっきゃしているのは、ひいき目なしでもいいものだ。


「本当ならあっち側に行きたかったんじゃないのかい。」


「まあそうなんだけどさ。

こういう機会って滅多にないし、今後もどうなるかわからないから楽しんでほしくてな。」


その言葉に驚いた顔をするグレイ。

まるでこいつに人の心があったのかと言いたそうな顔だ。


実際のところ普段から一緒にいるとはいえ、王太子・公爵令嬢2人・伯爵だぞ。

文字にするとあたらめて凄いメンツだ。

自分でいうのもなんだが、今後のこの国を背負っていく人財なわけで。

今後もどれだけ一緒に居られるかわからないからな。

だからこそこういう機会は大事にしたいんだ。


「まあ正直僕も秋から本格的に忙しくなるしな。」


「建国記念祭か。

今年から運営に参加するとか言ってたな。」


「ああ。」


意外にも寂しそうな顔をするグレイ。

普段はそういうの隠し通す奴なんだけどな。

海で開放的になって表に出てしまったのかもしれない。

そんな会話をしていると最後のお肉が焼きあがった。


「おーいみんなー!ご飯できたぞー!」


その言葉に徐々にこちらに集まってくる女性陣。

集まる前にこれだけは言っておくか。


「ならなおさら、めいいっぱい楽しもうぜ。」


「・・・ふっ・・・そうだな。」



-----


皆でおいしくご飯を食べた後は全員でこれでもかと遊び倒した。

サクヤがどこからか取り出したスイカでスイカ割りをしようと言い出し開始。

グレイが俺めがけて剣を振るものだから危うく反撃しそうになってしまった。


そんな楽しい時間はあっという間に過ぎ去り。

徐々に日も落ち夕焼けがきれいに水面に写されていた。


「あー、もうすぐ日が沈んじゃうね。」


「でも景色は本当にロマンティックで好きですよ。」


「リズさんってそういうの好きだよね!」


「女の子ですから。」


リズとサクヤのやりとりを聞きながら、こちらは後片付け。

ひと段落したところでリンリンが膝の上にちょこんと座ってきた。


「今日は・・・楽しかった?」


「ああ、海も悪くないと思うほどには楽しかったよ。」


「ふふ・・・よかった。」


「グレイに斬られそうになったことは末代まで語り継げそうなくらいには良い思い出だ。」


「それは君の代で終わりにしてくれないか?」


そんなやりとりにくすくすと笑うリンリン。

そんなかわいい奥さんの頭を撫でつつ考える。


この夕焼けのようにいつかは終わってしまう今の皆との関係。

それでも変わらないものも確かにある。


「このみんなで見る夕焼けは、一生の思い出だな。」


「うん・・・そうだね。」


これから先のことはまったくわからないけれど。

今、このみんなで楽しい時間を過ごしているのは今後もずっと変わらない事実だ。


このみんなとの景色も、永久保存だな。



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