表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十章 社交界デビューです
60/114

1

 高等部に上がり、魔武器生成に使い魔召喚も無事に終え、次の大きなイベントと言いますと……。

 貴族としての私のイベントになりますが、いよいよ社交界デビューです。

 正直、あまり気が進みませんが……。

 ドレスを作らねばならないので、次の週末は戻るようにお母様に言われております。

 マリアは私の社交界デビューに、どんなドレスで、どんなヘアメイクをするかなど、とても楽しそうにしています。

 正直、華やかな所は苦手です。

 当日のパートナー役は私には婚約者がおりませんので、お兄様がして下さるそうで。それは安心出来るのですが……。

 リンちゃん曰く『かなりの人見知り』である私には、知らない方と体を密着してダンスを踊るなど、苦痛以外の何ものでもありません。

 そんな訳で、このところの私はとても憂鬱(ゆううつ)なのです。

 窓の外を眺めてボーッとする時間が増えました。


「なぁ、リン。なんかカレンおかしくないか?」

「あまり大きい声で言えないけど、社交界デビューが嫌みたい」

「それは何故か聞いても?」

「カレン自身、華美なドレスは窮屈だし、興味はないみたい。それに人見知りなカレンからしたら、知らない男とダンス踊るのが嫌みたいだね」

 リンにキースにウィリアムの三人が、様子のおかしいカレンを見ながらコソコソと話し合う。

「お貴族様も何だかんだと大変なんだね~」

 リンが気の毒そうな目でカレンを見やる。

「キースもそのパーティーには出るのか?」

「一応親父に着いては行くけどな。俺は食い物だけ食ったら抜け出して先に帰るつもりだ」

 キースの言葉に呆れ返るリンとウィリアムの二人。

「じゃあさ、キース(あんた)がカレンを守ってやんなさいよ」

「は? 俺?」

「私もウィリアムもパーティーに出られないんだから、あんたしかいないでしょうが」

 リンとウィリアムの、残念なモノを見るような視線がキースに向けられる。

「友人をしていると時々忘れてしまいますが、カレンはあのリード家のお嬢様です。貴族の殆どは子どものうちに少しでも有力な貴族の家と婚約を取付けますからね。今現在婚約者が居らず、悪い噂もなく、格調高い家柄で尚且つ性格も温厚で見目麗しい。カレンは今一番の優良物件という訳ですよ。可憐な子羊を狙う狼どもが、それはもうわんさかと押し寄せるでしょうね」

 ウィリアムの言葉にキースは黙って何かを考えているようだ。

 ウィリアムとリンはニヤニヤしながら、そんなキースを見ている。

「ねえウィル、ついつい忘れちゃうけど、キースの家もカレン程じゃないけど格式高い家じゃない? てことは、婚約者がいないキースも一応優良物件てことよね?」

「まあ、そうなりますね。当主様も今迄はキースの自由にさせて下さってましたが、今後はそうもいかなくなるでしょうね」

「「さっさとくっつい(てしまえば)ちゃえばいいのに」」

 そんなことを言われているなど全く知らないカレンとキースなのである。

 そんなこんなであっという間に週末となり、カレンは今屋敷に向かう馬車の中。

 本日何度目かの溜息をつき、外の景色を眺めながら膝の上のアルを撫でまわします。

 左肩にはいつもの様にエテルノさんが。

『主よ、その辛気臭い溜息は何とかならんかの』

「辛気臭い……。エテルノさん、もう少し優しくしてくれても……」

 少し拗ねて言うと。

『そうは言ってものう、主はこのところ心ここにあらずで、溜息ばかりついておるぞ。あまり辛気臭いと、そのうちキノコが生えてくるやもしれんぞ』

 キノコ……。

「だって、舞踏会など行きたくないんですもの。溜息ぐらい吐かせて下さい……」

『行きたくなければ行かねばよいのに、人間とは面倒な生き物よの』

 そんなやり取りをしている内に、馬車は屋敷の車寄せで停車致しました。

 馬車から降りた途端、急ぎ部屋に連れて行かれ、既にドレスの作製をお願いしていたのであろうお店の者に細部にわたるまで採寸され、その後はドレスの形、色、生地などを話し合い、漸く一息つけるようになったのは日も大分傾いた頃でした。

「つ、疲れました……」

 部屋のソファーにゴロンと横になります。

 だらしないのは分かっておりますが、今だけは勘弁して頂きたい。

『カレン、大丈夫か?』

「……大丈夫じゃありません。いっそのこと病気と偽ってパーティーに出ないとか……」

『主よ、それをしたら学校にも行けなくなるのではないかの?』

「学校に行けなくなるのは嫌ですっ! でも、パーティーに出るのも嫌……」

 アルとエテルノさんは顔を見合わせ、溜息をつきました。

 リード家長女として、パーティーに参加しなければならないのは分かってはおりますし、参加したならば自分の役割はキッチリと果たすつもりでもおります。

 けれど、貴族としてのカレン・リードを演じるのはかなり疲れるのです。

 扉のノック音がして、慌てて起き上がりました。

「どうぞ」

「失礼致します」

 マリアが紅茶の用意をして来てくれました。

 フィナンシェやクッキーも。

 やはり疲れた時には糖分補給です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ