14、セーフティが掛かってるぞルーキー
疲れた……
落下の間と石像の部屋をクリアーされたジェスカは少し焦り始めた。本来ならこの時点で3人ほど仕留めれたはずなのに、侵入者達は誰もが健在だった。
「むぅー、何よなによ〜、全然死なないじゃないの」
すると、どこからか1人の男が現れる。
「ちょっと、人造人間が何なの?」
「ご主人様、私にもイーガルと言う名前がありますので、そろそろホムンクルスと言うのは……」
「ん、まぁいいでしょう。で、何なの?」
「私を次の部屋で待機させて欲しいのです」
「勝算はあるの?」
「確証を掴みたいと存じております」
「許可するわ、たしか別離の間ね。期待しているわ」
「ありがたき幸せ」
ホムンクルスもとい、イーガルと呼ばれた男は一礼すると部屋から出て行く。
「次は一体何だ?」
遺跡の様な地下へ来てしまった一同、彼らは取り敢えずここを探索することにする。
遺跡は迷路の様に階段が上下になり、壁一面には苔が生い茂っていた。
「気味悪いねぇ……」
「なんか臭うし」
「なんか……ってこれじゃね?」
不知火がうひゃひゃと笑いながら元が狼で有った様な肉の残骸を指差す。ティアは目を回し転倒、アンジュは失神した。うんよく騎士が持っていたポーションでアンジュは意識を取り戻した。
「シラヌイさん、次やったら殺しますよ?」
「へーい」
少しゴタゴタしながら遺跡を進む。すると、部屋の中央に棺桶が置かれていた。
「何あのテンプレ」
「怪しさMAXだろ?」
「いや、ここはあえて開けるべき」
「んじゃ開けたい人手を上げて」
すると、不知火がビシッ!っと手を上げ、それに釣られたように全員が手を上げる。
「俺がやる!」
「私よ!」
「んじゃ俺がやる」
「「「どーぞ、どーぞ」」」
結局、この絡みを知らなかった勇者が開けることになった。付き添いに騎士と栗良、ティアに戦士も近づく。
「せーの」
ズズズと重い音がした後、棺桶の蓋が開かれる。すると、五人のいた場所が開き、クイズ番組お約束の落とし穴が展開された。
「はい、出ましたお約束っ!」
不知火が落とし穴を覗く、どうやら落下廊下と違い針山はなく、下の階に繋がっているようだ。
「たーいちょー!」
「あんだよー?」
「ここの石板に書いてあるんですけどー!上の階に行くにはそっちからクランチを回してもらわないと無理らしいですー!」
「クランチ?そんなのどこにある?」
「探してくださいよー!早く出たいです!」
仕方なく、上に残った不知火とアンジュの二人は仕方なくクランチを探すことにした。しかし、どこを探してもクランチは見つからない。
「ここです!」
「アンジュ……それって」
「シャー!」
「蛇じゃないか!」
アンジュが持って来たのは生きた蛇だった。彼女は農作業で慣れているのかしないが、何の躊躇もなく蛇を掴んでいる。
「それでどうやってクランチを回すんだよ!?」
「えっ!?蛇さんをこうしてこうしてこうやって」
バキバキメキっという音がする。アンジュは蛇を六角の棒へと変えてしまったのだ。擬音語で表すとおり、映像ではモザイクが付いてしまう。
「よしっ!」
「よしじゃない!いくら六角にしたからってそんな蛇じゃすぐにしなって使えなくなるよ!?てか動物虐待じゃね!?」
「大丈夫、見ててください」
アンジュは口元に人差し指と中指の2本を添えて息を吐く。すると、白い息が蛇にかかり、蛇はカチンコチンに凍ってしまう。不知火は目の前の現実に背筋を凍らせてしまった。
「アンジュ、君もしかして?」
「雪女……って違います!魔法ですよ!」
「だよな」
凍った蛇でクランチを回す。すると、床の一部が開き、抜け穴が出来た。
「動くな」
不意に後ろを振り返る。そこには不知火の89式を構えた男が銃口をアンジュと不知火に向けていた。
「あらら……」
「男、銃を捨てろ」
「お前に銃が扱えるのか?」
「舐めるな。俺はホムンクルスだ。学習能力はこの世で一番早いんだ」
ホムンクルスと名乗った男はケラケラと笑い出す。
「いつ俺の銃をとった?」
「今さっきだよ。それより早く銃を捨てろ」
「分かった。アンジュ、じっとしてろ」
「はい……」
不知火は構えていた9mm拳銃を地面に置き、アンジュはその場で固まる。不知火はゆっくりホムンクルスに近づく。
「うっ、動くんじゃねぇ!」
「……ふっ、安全装置が掛かってるぞ新米」
「し、新米だとっ!?俺はこの身を授けられ、こうした仕事は今年で10年のベテランだ!」
そう言ったホムンクルスは89式の側面に付いている安全装置を確認する。不知火はその瞬間を見逃さなかった。
「ふん!」
片手で89式の銃口を下げ、裏拳を顎にヒットさせる。怯んだすきに89式を中心とした合気道技でホムンクルスを投げる。
「ギャフン!」
雑魚キャラよろしくな悲鳴をあげて、尻から叩きつけられるホムンクルス。不知火が銃口を向けると、極度に青ざめる。
「人形でも顔は青くなるのか」
「や、やめてくれ……殺さないでくれ」
「それはできない相談だ」
不知火は頭部に5発ほど叩き込む。そして、クランチを回し終え、落とし穴から落ちた5人と再開した。
「くせっ!?」
「うぅ、落ちた先が下水の溜まり場だなんて」
「水を浴びたい……髪が……」
最後まで飽きさせない捜索隊一行だった。
なぜメンバーも朝練!?




