13、洋館「これ、バ○オじゃねぇか!」
予定よりも早く立ち直れたため、どしどし投下していきます。
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とある村でゾンビに遭遇した不知火達捜索隊は、村でゾンビに追われていた少女を保護する。
「君、名前は?家はどこ?ご両親の連絡先は?」
不知火はどこぞの家出娘に職質する新人警官のように、少女の情報を聞き出す。
「私はアンジュ、アンジュ・ヴァイオレットです。この村の古びた洋館に住んでいます」
「なんで、君はゾンビじゃないんだ?」
「ちょうど王都へ買い出しに行ってて、帰ってきたらいきなり村の人たちに追いかけられて……」
少女はふるふると体を震わせる。どうやらさっきの逃走劇がトラウマになったようだ。
「どうするシラヌイ?このまま逃げてちゃだめだ、賢者を探さないと」
「分かってる……そうだ。まずその洋館に行ってみよう」
「そうですね、彼らがああなった理由を見つけなくては」
「洋館には姉がいると思います。魔法を専門としている姉に聞けば、何か分かると思います」
それを聞いた不知火は、なるべく村から離れ、遠回りで洋館に向かった。
「……本当にここなの?」
「1日前と違って、ちょっと外見は変わったんですけど……ここです」
目の前には蔦や草木でいっぱいになった西洋風な洋館だった。1日でこんなに変わる物なのかと首を傾げる一同。
「高機を茂みに隠しておけ、あと、本部に通信、俺たちは洋館にいるとな」
「了解」
栗良が無線機で本部に通信すると、空が暗くなり、雨がポツポツと降ってきた。
「とりあえず中に入ろう。アンジュさん、道案内よろしく」
「はい……きゃっ!」
雷が鳴る。一同は中庭を抜け、洋館へと入って行く。
そんな彼らの様子を終始見ていた者がいた。薄暗い部屋の中央にある王座の様な椅子に座るローブ姿の女性、彼女の目の前には洋館に侵入して来た者達が映っていた。
「あらあら、早いお着きだこと。それにアンジュちゃんまでいるじゃない、これは面白くなりそうね……ふふふ」
彼女が指を鳴らすと、目の前に1羽のカラスが飛んで来た。このカラス、彼女の使い魔である。
「カァー」
「トラップを発動して頂戴。無事にここまで着けるのは果たして何人かな〜」
「グワァーグワァー」
カラスは赤い目で彼女を見ると、外に向かって飛び去った。それを見た彼女は水晶を浮遊させ、席立ち上がる。
彼女が向かった先はロウソクが二直線に並べられた部屋、その二直線のよ先には人間の臓器の様な触手に絡まれ、身動きが取れなくなった賢者がいた。
「うふ、いい感じね、調子はどうかしら?」
「…………こんな……ことして……あの人たちが……来たら……どうなるか…………」
「あの人たち?あぁ、ジエータイとか言う連中とあなたのお友達ね。心配しなくていいわ、彼らは私が作ったトラップで見事に死んじゃうから」
「……あの人たちは……そんなヤワじゃない……」
「どうかしら。その減らず口をどうにかしたいところだけど、あいにく殺すなと命令されていてね、感謝しなさい」
「……くっ……」
「さてと、まだ暇だし、ちょっと寝ましょうか」
彼女、黒魔女ことジェスカ・ヴァイオレットは台の上で寝息を立て始めた。
「一つ言い忘れてたけど、その触手、体力を奪う代わりに快感を与えるから、慣れないことね……」
こう寝言で言うのだった。
一方、無事に洋館へ侵入した一同は、アンジュの案内で順調に洋館を探索していた。
「なぁアンジュ、姉さんはどこにいるんだ?」
「この建物の地下3階です、そろそろ最初の階段が……えっ?」
廊下を歩いていた一同が異変に気づき振り返ると、なんと床の石盤が一枚ずつ崩れ落ちていった。
「あらら……」
「走れぇ!」
一同は全力疾走で走り出す。床は彼らがスピードを上げると落ちる速度が早まり、徐々に背後に近づいてきた。
「やばいやばいやばい!」
すると、10m先の石盤が先に崩れ、大きな溝が出来た。これは大抵ここで終了というお約束な作りだった。
「飛べぇっ!」
全員が向かいの床に飛び移る。不知火達捜索隊は全員飛び移れたが、アンジュは飛ぶ直前にバランスを崩したため、あと数cmの所で落ちそうになる。
「あっ!?」
「アンジュ!掴まれぇ!」
「はいっ!」
不知火が手を伸ばす、彼女はギリギリの高さで不知火の手を掴んだため、穴に落ちなくて済んだ。穴を覗き込んで見ると、一番底に無数の針山があるのが見えた。
「あ、あぶねぇ……」
「ありがとうございます!」
「気にすんな、引き続き頼む」
背筋を凍らせた一同は、次の部屋へ向かう。そこは石像が無数に置かれた遺跡の様な部屋だった。
「アンジュ、ここは?」
「ここは信仰室だと姉に聞きました。ここで悪魔払いやその他の行事をするらしいです」
辺りには騎士や悪魔の石像が立ち並んでいる。不知火と栗良は背中合わせになりながら周りに89式を向ける。
「みんな、気をつけろ。何かいる……」
戦士が周りを警戒する。不知火と栗良は扉の横のボタンを押す。
ゴゴゴゴゴ…………ガタン
動いたのは扉……ではなく、石像だった。
「危ない!」
2人に振り下ろされた石像の斧を、騎士が何とか盾で弾くが、反動が強すぎたためか壁に吹き飛ばされる。
「騎士!」
「ぐ……ぐはっ、気をつけろ、奴は並大抵の強さじゃない」
「こなくそ!」
不知火が小銃を頭部に乱射する。しかし、89式から発射された5.56mmNATO弾は、石像の頭を潰すどころか、全て弾かれてしまう。
チュン!
「あぶね!」
跳ね返ってきた跳弾が右足付近に飛んでき、焦る不知火。
「これでもくらえ!」
栗良が手榴弾を投擲する。爆発に飲み込まれ、石像は動かなくなるが、しばらくして何事もなかったかの様に動き出す。
「はぁ!?ビクともしねぇ!?」
「みんな伏せて!」
ティアの声に全員が床に伏せる。ティアは石像が粘土と塩岩の混合物で出来ているのを見抜き、水霊の加護を付与した矢を石像に射った。
矢は途中で渦巻きに変わり、石像に当たると水を放出した。タイミングを見計らった不知火と栗良が小銃を脚にうち、動きを止める。
「勇者!今だ!」
「うおぉお!食らえ!ガイアスラッシュ!」
天井ギリギリから稲光を纏った剣を振り下ろす。それを食らった石像は大きな音を立てて潰れる。
「はぁはぁはぁ……」
ガラガラガラガラ…………
石像を倒したことによって扉が開く。一同は重い足取りで次の部屋に向かうのだった。
100m×50本ダッシュきつい……泣




