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99/140

99.

 須田は次に三山の店に電話をいれてからからタクシーを拾った。三山はちょっと前に店に戻って来ているとのことだった。

 タクシーから見る街は、どうということはなかった。田舎にも都会になれない、中途半端なところだった。何の価値もないような、どこにでもあるような街。

 だが、須田にとっては、今この街でこの件を扱えるというのが重要なことだった。一応ホームと言えて、色々な協力も得られる。以前に比べれば、格段に状況は明るかった。

 そうしてとりとめのない考え事をしているうちに、タクシーは目的の場所に到着していた。店内に入ると、それなりに繁盛しているようで、店内はにぎやかだった。須田はバーテンダーに軽く手を上げてから、事務所に続くドアを開けた。

 三山は机に向かいながら眠そうにしていた。須田が入ってきたのを見ると、多少目が覚めたような顔をした。

「お前か。何か進展はあったのか?」

「進展があるのはこれからだ。今はその準備だな」

「なるほどな。先に言っとくが、吉田は自宅に帰したぜ。今更逃げようって気力もないだろうからな」

「そうか。それなら安心だな」

「ああ、そうだ。一応人も付けといたからな、狙われてたとしても何とかなるだろ」

 三山はそう言って、机の上に脚を投げ出した。須田は黙って山中の絵のコピーを差し出した。

「完成したのか」

 三山はそう言って絵を受け取る、しばらくの間、絵をじっと見た。

「こりゃいい絵だ。これで解決しないんなら驚きだな」

「吉田にも見せといてくれ。背中を押すのには役に立つはずだ」

「このおっさんが吉田が書いてた大平って奴か」

「そうだ」

「そしてこのおっさんは鍵を握る人物、というわけだ。この絵の倉庫の場所もわかってる、このおっさんも誰だかわかってる。なかなかいい兆候じゃないか、ええ?」

「つめを誤らなければな」

「まあそうだな、だからこそお前がこうして駆けずりまわってるわけだ。ヘマはするなよ、葬儀屋と坊さんを喜ばしてやる必要はないからな」

「肝に銘じておくさ」

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