非道な看護婦 ~ Violence Nurse
※題名を変更いたしました。
廃病院内で、大きな音と眩い光が発生する。
それらだけではなく、金属が落ちたり刺さったりぶつかり合う音も聞こえ、ほんの一瞬で静寂だった廃病院は戦場と化した。
いや、病院は医師にとっては戦場だから、ここはずっと戦いの場だったのか。
空「(…あれ、手術室が医師にとって戦場だったんだ
っけ?
確か地元の先生も、そう言ってた様な…言って
いなかった様な…
にしても、至る所に血痕が付きすぎだな…)」
(バシッ!!)
空「うおっ」
治「ウフフ♡
考え事をしているなんて、馬鹿なネズミですこ
と♡」
空「(…今日、やたら“馬鹿“だと言われるな)」
治「アハハッ!!!鼠は駆除しないとね!!!
【痛ィの痛いノ飛んで逝け】!!」
空「!!」
暴力ナースが呪文を唱え、凄まじい速さで注射器を俺に投げ飛ばしてくる…
目で捉えられない速度であり、光線のようにも見える注射器は、当たったら一たまりもないだろうなぁ。
空「まぁ…(バッ)」
(ガガガッ!!)
空「こんなのは、避けるより護る方が楽で良いけど
な」
俺は再び結界を展開して、飛んできた注射器から身を護る。
単純な攻撃は好きだ、何も考えないで結界を展開すれば良いだけの話だ。
幸い、威力は道中で出会った鴉と似たようなもんだ。
治「鼠風情が私の攻撃を防ぐだなんて…
憎たらしいですわ、うざったいですわ、生意気
ですわ」
空「”すわすわ”煩ぇですわ
少しは口を閉じろですわ」
治「フンッ(ぶんっ)」
ナースは再び注射器と刃物を投げ飛ばしてくるが、俺は素で避ける。
馬鹿の一つ覚えだ、看護師なんだから頭を使えば良い物を…
空「…てか、お前看護師だろ
さっきからスゲェ暴力的な事しかしてこないじ
ゃねぇか
自分がどういった存在なのか、分かってんの
か?」
治「あら失礼ね、分かっているわよ
私の存在意義が何なのか」
空「お前の存在意義なんて、無いに等しいだろ
この世に必要の無い存在だ、さっさと消えやが
れ」
治「私の存在意義…それは”シヤ様と恋仲になる事”
なのよ!」
(……………)
空「…ん?」
アイツ…今なんか場違いな事を言ったような…
空「なんだって?恋…仲?」
治「あぁ~ん♡カッコよくて素敵でイケてる麗しの
シヤ様~♡
私は貴方様の力になれて光栄ですわぁ~♡
例え右腕だろうと、私は貴方と一緒にお仕事が
出来て嬉しい所存です~♡♡♡」
空「………」
アイツ…何言ってんだ…突然恋する乙女になりやがって気持ち悪ぃ…
それより、”シヤ様”という単語が何回もアイツの口から出てきているけど、そいつがきっとこの廃病院での騒ぎの黒幕何だろう…
空「おい、さっきから口に出しているシヤという奴
の元に連れていけ、調伏しに行く」
治「はぁ!?はぁ!?はぁぁぁぁぁ?????
何をぬかしているの?アンタみたいな下賤な鼠
に合わせる訳ないでしょ!?
自分の身分をわかっているのかしら?鼠の癖に」
空「生憎、俺は下賤上等で汚れ仕事の方が好きなん
だよ
それにお前らのせいで大切な人を失くしている
人もいる
これ以上好き勝手させねぇぞ、言わねぇなら…」
(ドンッ!!!)
空「無理やりにでも聞くまでだ」
俺は力いっぱい足を踏み込んで、掌に清らかな弾幕を出す。
こういう話が通じない奴を相手にする時は、力業で強引に攻めるのが良い。
(キュイィィィン)
空「…ん?“キュイィィィン“?」
なんか足元から変な音が聞こえる…
足元を見てみると…俺はなんか血痕らしきモノを踏んでしまったらしく、しかもなんか光っている…
空「なっ、なんだ?
なんで光ってるんだ?」
治「!?!!?
おい!!その陣を踏むな!!
その陣は…」
空「あっ?なんだって?
………ぐっ!!」
目の前が闇に包まれる…移転の陣か?
…もしかして射竜もココに来た人達も、この血痕に触れて消えて殺されたのか…
射竜の奴…今頃、生死を彷徨っているのだろうか…
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僕は廊下に落ちていた鋏を拾ってその場に立ち尽くす…
鋏の持ち主は”Frazial・Harmend”という、(多分)日記の中に出てきた異国の子供の持ち主だと、僕は考えた。
すくなくとも、診察室の中で見たカルテの中には異国の患者は居なかった…
射「その鋏が…どうしてこんなところに…」
「ねぇ ねぇ お兄ちゃん」
射「…ん?」
「その鋏 ボクのなんだ 返して 返して」
射「………!?!?!?」
僕の目の前に…いきなり小さな男の子が現れた…クマのぬいぐるみを抱えていて…子供らしい雰囲気をかもしだしているけど…
生きた人間では無い事は明白だけど…それにしては身体の至る所が包帯で巻かれている…
とりあえず…鋏を男の子に渡してあげて…話を聞いてみよう…
「エヘヘッ、 ありがとう♪♪」
射「うっ、うん…きっ、キミは?」
「ボク フラジアル・ハーメンド
お兄ちゃん よろしくね
あっ このクマは友達の フラン・コープスメル」
射「あっ…うん、僕は夏芽 射竜
よろしくね」
フ「ウルーくん よろしくね」
舌足らずなのか、フラジアルくんは僕の事を“ウルー“と呼ぶ。
見た目は(ちょっと)おどろおどろしいけど…ちゃんと可愛らしい子供で、幽霊とは思えない…
射「フラジアルくんは、どうしてここに?」
フ「……………」
射「?
フラジアルくん?」
フ「その名前」
射「えっ?」
フ「“フラジアル“って名前…ボク嫌い…
呼ばないで…嫌い…嫌い…嫌い嫌い嫌い!!」
射「ええっ!?」
フラジアルくんは…突如駄々をこね始めた…
抱きしめているクマのぬいぐるみを引っ張ったり床に叩きつけたり、噛み付いたりしている…
とりあえず僕は落ち着かせる為に、“フラジアル“じゃないあだ名を考える。
フ「あーっ⤴︎あーっ⤵︎⤵︎ーっーあ⤴︎⤵︎ーっあーー!!」
射「あっ…えっ、えっとえっと…
フラジアル…フラジアル…くん…
あっ、アルくん!」
フ「!!」
射「“アルくん“ってどうかな?」
フ「………アルくん、アルくん…アルくん!
うん!アルくん! ボクアルくん!」
(フラジ)アルくんは喜んでくれたみたいであり、その場でクマのぬいぐるみと一緒に回り始める。
さっきまで痛めつけていたとは思えないぐらい、仲良く回っている…
フ「ウルーくん ありがとう♪」
(ぎゅううう)
射「わぁ!」
アルくんは人懐っこく僕に抱きついてくる。
今まで出会ってきた幽霊の中で一番人懐っこい…
そういえば…僕の額には空泡くん印の退魔の御札が貼られているから、幽霊は嫌がる筈なのに…
フ「ねえねぇ ウルーくん」
射「ん?何?」
フ「ウルーくん 何しにココまで来たの?」
射「…えっ?あっ、僕は…」
フ「大きい方の病院で見たお兄ちゃんは帰った?
ボクの警告はー、役に立った?」
射「…お兄ちゃん?警告?
アルくん、空泡くんの事を知ってるの?」
フ「うん あのお兄ちゃん、病院の周りをウロゥロ
してたから"入っちゃダメー" って、上から鋏
を落として、 警告したん だーーー!!」
射「はっ…鋏を落として?」
フ「あっちの病院は 呪われてるからねーーー
迂闊に入ると 死んじゃぅよー」
射「ぼっ、僕はどうしてココに?
そもそも…ココは何処なの?」
フ「………」
アルくんに質問してみたら、アルくんは黙り込んでしまった…
まだ幼くて小さいし…詳しい事は言えないのかな…?
フ「ココは…まだ平和だった時の大門道病院の施設
の内の一つだよ」
射「…ん?」
フ「"サナトリウム"って言って、特別な患者が入る
場所だよ
と言っても、サナトリウムを利用していたのは
ほとんどボクしかいなかったけどね
先生と看護婦もやぶ医者のアイツと嫌われ者の
アイツしか居なかったから、それはそれは窮屈
で仕方なかったよ、アハッ!ハハッハハッ!!
アハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
射「あっ、アル…くん…?」
フ「アイツのせいでボクはこうなったアイツのせい
でボクは自由が無くなったアイツのせいでボク
は死んだアイツが黒魔術にハマったりしたせい
でボクはボクで無くなったアイツアイツアイツ
アイツアイツアイツアイツアイツアイツアイツ」
アルくんは突如饒舌に喋りだしたと思ったら…突如狂った様に笑い出してしまった…
なんだろう…今まで出会って来た幽霊の中で一番怖いかもしれない…
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空「…アイタタタ…
全く…いったいなんなんだよ…」
意識を取り戻した俺は身体をゆっくり起き上がらせて、辺りの様子を伺う。
周りは異様に広いけど、広い事は分かる。
でも、音も響かないし…生気も感じられない…
感じる事が出来るのは…異様に重く、息苦しい空気感…
更に、俺が今立っている場所は上から光で照らされていて、地面が見える。
風呂場の様なタイルが広がっていて、更に真っ赤な鮮血で塗れていた…
空「うぅーわぁー………最悪な環境だな…
ココ、本当にさっきの病院なのか?
……………
さっきの奴の姿は無し…か
まぁ良いか、とりあえず出口を探そu…ん?」
歩き始めようとしたら、前方に何かがあるのが見えた。
意識して音が聞こえる闇の方を見てみると、アレは手術台の様なモノだった。
空「手術台…てことは、ココは手術室か?
……普通の手術室じゃなさそうだよな」
とりあえず手術台に近づいてみて、今の状況を整理してみよう。
気持ち悪い世界に迷い込んでしまって、ちょっとゲンナリしてしまったからな…
空「…ふぅ、さっさとこんな世界から抜け出さない
といけない
見た感じ、射竜は居なさそうだし…」
見える範囲だけど…あるのは男の死体らしきモノ数体と、真っ赤な血の海だけだ…
とても病院とは思えない、不衛生な場所だ…
空「それから、気になるのはやっぱりコレだよ
な…」
死体と血以外にあるのは、この手術台だ。
手術台からも赤い滴が垂れてきており、死体が乗っかっているのが分かる
…分かるけど、一体どんな死体が乗っているのかが気になり、俺は覆い被っているシートに手を取って、中身を見ようとする…
(ヒュンっ!!)
空「!?
バッ!!」
(ダダダッ!!)
殺気を感じて咄嗟に避けると、俺が立っていた場所にメスが突き刺さる…
「…手術室には入ってきては行けませんよ」
空「あん?」
闇の方から声がしてきて、目を向けてみると、白衣を着た医者の様な奴が出てきた…
両目の位置に蒼い炎が燃えている…目が無いのか?
空「…なんだお前」
「キミは病院内を彷徨っていた人間だよね?
どうしてココに?」
空「さあな、"踏んではいけない陣"を踏んだらいつ
の間にか居た」
「あぁ、そうかい
治子の奴、また陣の術を閉じるのを忘れてたな」
「シヤ様!違います!!」
空「!?」
男の隣にさっきの看護婦が現れた…
そして男の前に膝まづいて、報告をしている。
治「私、転送の陣を弄っていません!
弄ったとしても、シヤ様の元になんて転送させ
ません!」
「…あぁ、そうかい
分かったよ」
治「申し訳ございません…
それから、後ろに居る鼠なんですが…」
看護婦は立ち上がって、俺の方を向く。
さっきより鬼迫が激しく、殺気も強くなった様な気がする…
治「どのような理由であれ、鼠を手術室に迷い込ま
せたのは、私の責任でございます
ですので、あの鼠の処理は私が…」
空「お?やんのか?」
「…治子、キミにはキミの仕事があるだろう?」
治「…!!
ですがシヤ様…貴方様は…」
「キミはこの前、一匹の鼠を取り逃したんだろ?
それに今日も一匹取り逃したみたいじゃないか
キミはそれを探しに行ってきなさい」
治「!!
はい、かしこまりました!
(シュッ!!)」
看護婦は消えて、俺は男の霊と二人になる…
取り逃した二匹の鼠…間違い無く射竜と射竜の親友の事だろう…
空「(…探しに行きたいけど)」
「改めまして、僕は薮石 師弥です
専属は外科です」
空「………」
男はやけに柔らかい物腰で自己紹介をしてくる…
やたら丁寧だし…体力殺人をしているとは思えない…
空「なんだお前、気持ち悪いんだよ」
師「キミは何しにこんな所に来たんだい?」
空「…それ、ワザと聞いてんだろ
俺はこの廃病院に蔓延る幽霊を調伏しにきた僧
侶だ
即ちお前を退治しにきた」
師「おやおや、僕はただ治療をしているだけです
よ?」
空「何言ってんだ
人間を大量虐殺しておいて、よくそんな軽口が
言えるな」
師「人間の虐殺なんて、尊い犠牲ですよ
あの子の為に必要な命なんですよ」
空「…………はぁ、話にならないな
とりあえず、お前を調伏する
恨むなら、自分が犯した罪を恨むんだな」
俺は錫杖を構えて、戦闘モードに入る。
アイツがどんな霊か分からないから、本気にならないとな…
師「あの子を完治させるには…まだ足りないんです
血も…肉も…内蔵も…全然足りないんだ!
…キミはなんだか良い身体と力を持っていそう
ですね…
よこせ!!その命を!!」
To be continued
( *・ω・)ノ丫∀☆ #モノです。
ヒーリングット!
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*无色 空泡
奇霊な少年です。
戦闘モードに入りました。
霊能力を使えば一瞬で決着が着きそうですが、霊能力を使う事はありません。
*夏芽 射竜
呑気な少年です。
生まれて初めて恐怖を感じました。
霊的恐怖では無く、未知なる存在に対して恐怖を感じました。
*木綱 治子
非道な看護婦です。
暴力看護婦です。
患者の心配も、早く治る様に願ったりもしません。
ずっと師弥に縛られた憐れな霊です。
*薮石 師弥/闇医者
闇医者です。
魔術(黒)を扱う霊能力を持つ。
空泡が出会った、医者の悪霊です。
両目が潰れていて、腹部も刺された傷跡が多々あります。
生きていた頃は"神の手"を持っていて、どんな病気も治す事が出来て、"天才医師"とも呼ばれていました。
そんな師弥の元に、一人の小さな少年が現れました。
その少年は遠い異国からやって来たそうであり、不治の病を患っていましたが、師弥は必ず治療してあげると、少年と約束しました。
しかし、何回手術をしても、何回診察しても、少年の状態は悪くなる一方であり、師弥本人も焦っていました。
同僚や看護師達の期待の眼差しや、少年との約束を果たせない事に対して、師弥はある本を見つけ出しました。
その本とは封印されていた禁忌の黒魔術がまとめられていた本でした…
*フラジアル・ハーメンド/壊れた小悪霊
壊れた小悪霊です。
何でも切り刻む霊能力を持っています。
射竜が邂逅した、正体不明の小さな霊です。
精神が壊れて、狂っていて、会話をするのにも情緒が不安定なので、まともに会話をするのも一苦労です。
日本人ではありません。
どういった経緯で日本の病院に来て入院する事になったのか、彼の素性や過去は一切不明です。




