不吉の象徴 ~ Black Bird
*フキツノショウチョウ~ 黒ヰ鳥*
何者から攻撃されたと思い、光が飛んで来た方を見てみると、何かが飛んでいた。
射竜の持っていた懐中電灯を空へ向けて照らし、正体を確認してみる。
「アホォォォ!!アホォォォ!!」
射「かっ…鴉?」
空「いやっ…アイツは…」
「阿呆ォォォ!!この人間共め!!」
射「うぇぇぇっ!?喋った!?」
空「…何驚いてるんだよ」
幽霊にも俺の事に対してもあんまり驚かなかった射竜が、声を出して驚いている…さっきまであんなにヘラヘラしていたのに…
射「だって!鴉が喋ってるんだよ!
有り得ない事だよ!」
空「さっきも有り得ない事が二回ぐらい起きただろ」
「阿呆ォォォ!!吾輩を無視するな!!
コレだから人間は馬鹿で困る!」
空「あんだって?」
射「キミは誰なの?」
射竜は鴉に質問をすると、羽ばたいていた鴉は降りてきて、地面に着地する。
「吾輩は天才鴉の鎹だ!」
射「かすがい?」
空「…天才?」
鎹「吾輩はお前達人間より遥かに高い頭脳を持って
る鴉で、お前達人間より頭が良くて、お前達人
間より賢くて、お前達人間より知能指数が高い
んだ!
食欲睡眠欲性欲しか無いお前ら人間より全然偉
いし、凄いんだ!」
空「………
よく喋る鴉だな」
射「とりあえず頭が良いんだね」
鎹「ちなみに、吾輩は仲間の鴉の中でも高い頭脳を
持っていて、頭が良くて賢くて知能指数が高い
んだ
鴉一番の天才!いやっ!!全生物の中で天才な
のだ!」
空「煩えな」
無駄に頭が良いアピールをしてくるけど…それが逆に頭の悪さを引き立たせている様な気がする。
あの鴉、もしかして相当頭が悪いんじゃないか?
射「どうしてそんな風になったの?」
空「おい何どうでもいい事聞いてるんだよ」
鎹「フッフッフッ♪聞きたいか?」
射「教えて教えてー♪」
空「良いって…どうでも良いよ」
鎹「吾輩は…」
空「聞けよ!」
なんでどいつもこいつも俺の話を聞かないんだ…
またあの鴉の鬱陶しい前口上を聞かないといけなくなるじゃねぇか…
鎹「吾輩はこの姿のままでも十分に頭が良かったん
だ
しかし頭の悪い仲間達が天才である吾輩の事を
除け者にしたり、疎んだりしたんだ
身勝手な奴らだ、全く」
空「(…その終わった性格のせいでもあるだろ)」
鎹「それで行き場を無くした吾輩はこの森に流れ着
いたんだ」
射「へぇー、大変だったんだね」
空「射竜、今の話で同情出来る場所はあったか?」
鎹「そして!この森は吾輩の縄張りとなったのだ!
この森を彷徨う幽霊も!この森に破棄されてる
死体も!
全てが吾輩の所有物なのだ!カーッカッカッカ
ッ!」
空「………ん?」
アイツ…今何か変な事を言った様な…
死体が…破棄?この森に死体放棄がされているのか?
空「おい鴉、ちょっと良いか?」
鎹「なんだ小さい人間、気安く吾輩に喋りかけるな
馬鹿の癖に」
空「あ"?んだクソ鴉(怒)
ゴミを啄んでるだけの癖に」
射「空泡くん、落ち着いて
鴉はゴミ以外も食べるんだよ?」
空「そんな事は聞いてねぇよ」
鎹「ふん!吾輩をそんじょそこらの鴉と同じにする
な」
空「あ?」
射「え?」
|
鴉の鎹は何やら胸を張って、自慢気に話を進める。
俺は興味無いけど、(無駄に)好奇心旺盛な射竜が鎹の話を詳しく聞こうとする。
射「それで普通の鴉と何が違うの?」
空「喋ってる時点で、普通とはかけ離れてるけどな」
鎹「カーカッカッカ!」
鎹は羽を羽ばたかせて、宙を舞う。
その瞬間、鎹の周りに何やら怪しいオーラが出てきて、鎹に纏い始める…
射「鎹、何か変身しそうだね」
空「大した事なさそうだけど、一応構えるか」
俺は錫杖を構えて、戦闘態勢に入る。
一応射竜を俺の背後に立たせて、鎹から守ってあげる。
鎹「見よ!吾輩の新たなる姿を!」
(バサッ!!)
空・射「おぉー…………お?」
オーラが晴れて、鎹の姿が顕になる。
でもそこから現れたのは小さな少女…でも、背中には黒い翼が生えている…
空・射「………誰?」
鎹「カーッカッカッカッ!吾輩の姿を見て慄いたか!」
射「その喋り方は…」
射「もしかして…さっきの鴉…?」
鎹「その通りだ!」
鎹の答えを聞いて、俺と射竜は口が閉じらなかった…
さっきまでは何の変哲もない普通(?)の鴉だったのに…今は小学生ぐらいの少女になったのだから…
鎹「吾輩はこの森の幽霊や死体を食べていたら、い
つの間にかこの姿になっていたのだ!
やっぱり吾輩は特別な鴉だったのだ!
カーッカッカッカッ!」
射「…ねぇねぇ、鎹?」
空「…その姿、お前が見下してる人間の姿だけど、
それは良いのか?」
鎹「…あ?
……………( ゜д゜)!?!?
確かに!?吾輩、人間になってる!!」
射「………(^_^; )」
空「………( ¯-¯ ; )」
気づいた鎹は羽をバサバサし始めて、酷く動揺し始める…
アレだけ人間は馬鹿だ馬鹿だ言っていたのに…
空「アイツやっぱりアホだな」
射「悲しいね」
鎹「…でも!
人間の姿になっても、吾輩の方が頭脳は高い!
よって吾輩の方が人間よりも上の存在なのだ!
カーッカッカッカッ!」
空「アイツクソポジティブだな」
射「羨ましいね
でもなんで人間になれるの?」
鎹「知らん!
バラバラ死体と幽霊を食べ
ていたからかもしれないな」
空「…アイツ、また"死体"って言いやがった」
鎹はさっきから定期的に"死体"という言葉を発している…
幽霊が彷徨っているのは、何となくというか、この先に大門道病院があるから、副産物的に湧いているのが分かるけど…何故死体が転がっているのだろう…
空「おいクソ鴉、ちょっと良いk…」
射「じゃあ、猫の死骸を食べたら、猫みたいになる
って事だね」
鎹「!?」
空「おい!!」
また俺の話が遮られた…
ので、俺は射竜の耳を抓って、この短時間での怒りを全て射竜にぶつける…
空「射竜!お前はしばらく二度と永遠に喋るな口を
開くな!(怒)
こちとら真剣なんだよ!なんでそんな呑気なん
だよ!何どうでもいい事を聞いてんだよ!(怒)」
射「イタッ!?痛いよ!空泡くん!」
空「大体なんで猫なんだよ!
こんな森深くに猫は居ないだろ!」
射「そっ…そんな事はないと思うけど…」
鎹「おっ…おっ…おっ…」
空・射「?」
射竜に怒鳴っていたら、鎹が何かプルプルしていた…(というかアイツも邪魔だし、適当に退治して先に進もう、それから射竜にガチ説教をしよう)
鎹「お前ら……吾輩を"猫みたい"と言ったな!?」
空・射「………」
射「言ったっけ?」
空「そう言えばお前、黒猫みたいな色してるな」
鎹「!!!!!
こっ…こっ…こっ…」
空「何、鶏の真似してるんだ?」
射「多分違うと思うよ?」
鎹「こんぬの!!!!!
阿呆めがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
鎹の大声が…辺りに響き渡る…
耳を塞いでいても…凄いうるさい……脳に直接響いている様な…
空「うっ!?煩せぇ!!」
射「みっ…!耳がっ!?」
鎹「吾輩があの黒い泥棒猫みたいだと!?
何を馬鹿な事をぬかしおる!」
空「なっ、何キレてんだ?アイツ…」
射「猫に何かされたのかな?」
鎹「あんな黒毛玉と…吾輩を同格にするなんて……
許さん!!殺してやる!!」
空「!!」
鎹の片手に紫色の光の玉が集まり、野球ボールぐらいの大きさになる。
そしてそれを俺達の方に投げてきたので、俺は錫杖を使って光の玉を打ち返す。
射「なっ、今のは…?」
空「アイツ、弾幕を飛ばしてきやがった…
ッチ、めんどくせぇな」
射「おっ…オーブ?」
空「説明は後だ
射竜、お前は木の陰に隠れてろ!」
射「あっ!?空泡くん!!」
───────────────────────
俺は鎹の元に近づいて、錫杖を振りかざす。
見た目は少女だが、中身は呪われた鴉なので、容赦無く叩こうとする。
鎹「ふっ!甘いわ馬鹿めが!」
(バサッ!!)
空「!!」
鎹は翼を羽ばたさせ、空中に飛び立つ…
そして勝ち誇った様な顔をしながら、さっきと同じように光の弾を飛ばしてくる…
鎹「カッカッカッ!!
人間は一生地面に這い蹲ってろ!!
そして死ね!!カーカッカッ!!」
空「………」
あぁもう、鎹の啼き声はなんて耳障りなんだ…
まともに相手をするのも面倒くさいし、鎹なんかに御札を消費するのも、経典文を唱える必要も無い。
空「(射竜に後で色々聞かれそうだけど…致し方無い)
飛ぶか」
俺は目を瞑って、意識を集中させる。
普段は目を瞑らないけど…こっちで飛ぶのは初めてだしな
鎹「おっ?戦闘放棄か?
カーカッカッ!!なら死ねい!!」
(バッ!!)
鎹「!?」
俺は身体を宙に浮かせ、鎹の元に一直線に向かって…
(バシッ!!)
鎹「ガハッ!?」
頭に思いっきり錫杖を叩き付ける。
叩かれた鎹はそのまま無気力に下へと落ちていく。
空「フンッ、たわいも無い
さて、射竜の元に戻るk…」
鎹「カアァァァァァァァァ!!!!!!!!!!」
空「あん?」
下の方からなんか声が聞こえた。
下を向いてみると、光の弾が飛んできていたので、錫杖で弾いて軽くあしらう。
空「…しつこいな、さっさとやられろよ」
鎹「貴様ァァァ!人間の癖に!何故空を飛べる!」
空「何故?
そうだなぁ…修行の賜物だな」
鎹「なんだと!?」
空「人は長い時間をかけて修行をすれば、空なんか
簡単に飛べるんだぜ」
鎹「何!?」
まぁ、俺は大した修行なんかしてないけどな。
疲れるだけだし、やる意味も(個人的に)無いからだ。
鎹「ふっ…ふん!人間の癖にやるじゃないか!」
空「はいはい、良いから雑魚はさっさとやられてく
れないか、邪魔だから」
鎹「ふん!さっきのは前座だ!
吾輩の力はココからだ!!」
空「あん?」
鎹「鴉の啼き声を聞くが良い!
【レイヴンセヴン】!」
空「!!」
鎹が呪文の様なモノを詠唱し始めると、鎹の周りに七つの光の弾が現れた…
そしてその七つの弾は俺の方へ向かって飛んでくる為、俺は被弾しない様に飛び回る。
空「…ッチ!めんどくせぇな」
俺は御札を取り出して、光の弾に投げ飛ばして相殺させる
近づいて攻撃をするのは無理だと感じた俺は、遠距離攻撃用の御札を(仕方が無いから)使う事にした。(まぁ良いか、御札は無限にあるし)
鎹「そんな紙切れで吾輩の攻撃が負ける訳ないだろ
う!ゆけ!」
鎹は指示をし、再び光の弾を出して俺の方に飛ばしてくる。
空「俺の御札を舐めるんじゃねぇぞ
ほら、墜落しな」
俺も御札を鎹の方へ投げる。
御札と光の弾…大きさは全然違うけど、別に気にしない。
鎹「カーッカッカッカッ!
負けを認めたか!」
(ドン!ドン!
…バッ!)
鎹「!?」
光の弾と御札はぶつかりあって、煙が上がるが、煙の中から俺が投げた御札が出てきて鎹の元に一直線に飛んで行く。
鎹「んなっ!?
何故だ!?吾輩の出した弾とぶつかり合った筈
だろ!」
空「お前の邪悪な力が、俺の力に勝つ訳がないだろ」
鎹「ぐっ…でもそんな紙切れで負ける吾輩じゃ…」
空「逃さねぇよ」
(バッ!)
鎹「!?」
俺が合図をすると共に、御札は発光して弾幕に変化する。
紙より殺傷能力が高いから、当たったらタダじゃおかないだろうな。
鎹「ぐっ!!」
空「紙だから油断してただろ?
頭が良いなら、敵の策略を考えるんだな」
鎹「おっ…己ぇぇぇ!!」
(ドーーーン!!!!)
|
下から二人の争いを見ていたら、鎹が墜落してきて、地面にぶつかる…
そして空を飛んでいた空泡くんも降りてきて、僕の前に立つ。
射「空泡くん!」
空「よぉ、射竜」
射「大丈夫だった?怪我は無い?」
空「こんなもん、へじゃねぇよ
幽霊に羽が生えた程度の強さだったよ」
射「…鴉には元々羽が生えてるよ?」
空「って、こんな場所で寄り道してる場合じゃねぇ
よ!
射竜、先に行こうぜ」
射「えっ?うっ、うん」
空泡くんは鎹に目もくれないで先に進む。
僕は(一応)鎹の様子を見に行ってみると、鎹は目をグルグルさせながら起きる気配が無かったので、僕も無視して先に進む事にした。
To be continued
( *・ω・)ノ丫∀☆ #モノです。
かーらーすー、何故鳴くのー
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キャラクター
*无色 空泡
奇霊な少年。
普通を超えた少年です。
ちゃんと射竜から質問責めされて、一から丁寧に教えました。
*夏芽 射竜
呑気な少年。
鴉が喋った事に対しては流石に驚きました。
空泡の新たな一面を知れて、お喋りが悪化しました。
*鎹/不吉の象徴
不吉な象徴。
人語を理解し、話す霊能力を持つ。
知能が異様に発達している鴉です。
鴉の中でずば抜けで頭が良く、人間の言葉を覚えて理解する事が出来ます。
自分は特別な鴉だと思い、仲間の鴉を馬鹿にしたり見下していたりしたら、仲間達から疎まれて、鴉の群れから追い出されてしまいました。
群れから追い出された後、最恐の心霊スポットがある森に流れ着き、彷徨う幽霊や落ちていた死体を啄んでいたら、呪われました。
黒猫とよく縄張り争いをしたり、死体や幽霊の取り合いをしています。
*ちなみに
弾幕とは霊能力者や幽霊、人間でないモノが飛ばす霊力・魔力の塊です。
霊力や魔力を持つモノが弾幕に当たると凄く痛いですが、霊力や魔力を持つのが少ない現代人には何の効果も無いです。せいぜい体調か精神が悪くなるぐらいです。




