27.魔王の始動
「魔王様、商人から連絡ありましたよ。」
「では行こうか。」
「食事済んだらいきましょう。」
◇
商人ロイの案内で店舗を見に行った。
「ここはどうでしょうか。」
大通りに面した2階建ての店舗で裏へ回る道があり裏庭もある。
「ここなら通りで屋台を出しながら店舗でも商売できるな。」
「良さそうだ、ここにしよう。」
「ありがとうございます。」
「それでロイ、船は手に入れられれるか?」
「もちろんでございます。どのような船を?」
「漁船だな、5人乗り程度の。」
「こんどは漁ですか。」
「まあ、いろいろ考えておる。」
「ここで漁を始めるのになにか手続きとか縄張りとかあるのかな。」
「港の管理事務所に登録する必要がありますね。手続きは私が代行することもできます。」
「ここで船も作っている?」
「大きいのは無理ですが作ってますよ。」
「ということは改造もできると。」
「改造?」
「帆の形や大きさとか、船底にキールを付けたりとかだな。
ジグザクだが風上へも進めるし港を出れば手で漕がなくていい。」
「それであれば、漁と運搬の両方できるかな。あとで詳しく聞かせてくれ。
今日は店舗も手に入ったしこれで良しとしよう。」
「では店舗の手続きはやっておきます。」
「頼む。」
「先程の船の話を聞かせてくれ。」
「ああ、見た所こっちの船はガレー船、手で漕いで進むのが主流のようだが、
大きな船だと漕ぎ手が大勢必要になる。
向こうの歴史では次に風で進む帆船が作られて主流になっていてね。
風で進むから遠くまで行けるようになったのさ。
大きな帆船だと帆が10枚はあるけどそれだと扱いが凄く難しくなる。
だから最初は三角の帆が一枚の船がいいと思う。」
「風で進む帆船か。」
「風上の斜め前に向かって進むことができるからシグザグに行けば風上にも進んでいける。
まあ、欠点もあって接岸が難しいからオールで漕げるようにしたほうがいいかな。
大きな帆船だと接岸はせずに投錨するような感じかな。」
「なるほどな、いずれここでも主流になるだろうな。
ならば今から帆船について勉強しておくべきだな。」
「帆船を手に入れる?」
「ああ、手に入れて漁に使う。そして森の向こう側の海沿いを偵察していい所を探す。
まあまずは屋台だなもうすぐ仲間がやって来るから何を売るか考えないと。」
「屋台かそれだと手でもって食べ歩きできるようなのがいいから
食器が要らないやつかタコスかハンバーガーか他にはソーセージか。
そういえばソーセージは見てないなここにはないのか?」
「なんだそれ。」
「んーミンチにした肉を動物の腸に詰めて煮たり焼いたり燻製にしたり
保存食にもなるんだけど、結構美味しいんだ。
それをパンにはさんだのがホットドッグ。」
「ホットドッグかソーセージの串焼きとかいいかも。
まずはソーセージを作ってみるか。肉屋さんによってから帰るか。
詰める道具は、道具屋さんかな。」
道具屋へよって適当なものを探してみるがいいものがない
ので取り敢えず詰められる道具を買いそれから肉屋へ。
肉と腸を買って家に帰ってきた。
「お帰り。」
「お昼できてるわよ。」
「ただいま。食事にするか。」
「ソーセージ?」
「そう、作ってみるので材料買ってきた。食事終わってからね。」
「なんだろ、楽しみ。」
「さて、じゃー始めますか。まずは、豚肉をひき肉にします。」
結構大変だ、ひき肉の道具が欲しいな。
「そしたら塩・胡椒と水を入れてこねる。」
「次に腸に詰めていく。」
「詰めたら、適当な間隔で回して、分ける。」
「これを蒸すか、燻製にするか。今日はそのまま焼いてみる。」
「燻製もありなの?」
「保存食にできるはず。」
フライパンで焼いてみた。香ばしい匂いがする。
「出来た。これがソーセージ。このまま食べても美味しいけど
これをパンにはさんで野菜もつけてトマトを細かくきざんで
いれてみる。」
「完成ーこれがホットドッグ。」
好評だった。アメリカの屋台の定番だもんな。
「うむ、これならいけそうじゃな。」
「いろいろアレンジしたらもっと美味しくなるかも。
ソーセージをくしで刺して焼いて出すのもいいはず。」
「それと詰める道具はどうにかしないといけないけど商人さんに
頼んでみるか。」
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