16.遭遇
夜になった。
「ナオヤさん夕食ですよ。」
「はい。」部屋でまったり中でした。
1階では女性陣が夕食を準備していたが、何故かその中にちびっ子がひとり。
ふぁ、魔王! 何故ここに。
「来たか、遅いぞ座れ。」
ここは俺の家なんだが。しかも3人仲が良さそう。
いつの間に打ち解けたのか。俺はアウエーな感じだ。
「どれも、美味しそうじゃな。」
「魔王様も手伝ってくれたんですよ。」
「ご馳走になるからな当然じゃ。」
「私も手伝った。」
「さー食べましょう。」
「食べましょう。」
「いただきます。」
「野菜にかけてあるこの白っぽいのはなんじゃ。初めて見るな。」
「ドレッシングです、美味しいですよ。ナオヤさんに教えてもらって作ったものです。」
「うむ、美味いな。これは異世界のものか?」
「ええ、そうです。」
「聞いた事あるぞ異世界には不思議なものがいっぱいあるそうじゃな。
そなたの知識はなかなか貴重なものかもしれん。」
「それはわかりますが、同時に危険でもある。」
「どうゆうことじゃ。」
「元居た世界でも戦争はあってね。
戦争の道具が進化した結果大勢が死んだ。
俺はそんなことに関わりたくない。」
科学者の中にも作ったことに後悔している人間はいる。
軍隊は国を守るために必要だと思うが強力な武器は
この世界にないのなら作りたくはない。
「ところで魔王様、この街にはいつまで滞在予定ですか?」
「そうだな、話しておこうか。おぬしなら話が合いそうだ。
私はな、今回は勇者と戦うつもりはない。
人間との戦争で魔族はかなり数が減った。
魔族は長寿のせいか繁殖力が弱いのじゃ。
だから今回はお茶を濁す程度にする。」
「影武者を用意してある、そいつに勇者と戦ってもらう。
他の者には適当に戦ったらあとは影武者にまかせ撤退するように言っておる。
人間も魔王さえ倒せば満足するであろう?」
「人間に奪われた故郷を取り返したいが今は無理じゃ、
今の魔族の領域は人間には住みずらい場所じゃから
魔王さえ倒せばほおっておいてくれるじゃろう。」
「というわけでしばらくヒマなのじゃ。」
「なるほどね、ちびっ子の割にはいろいろ考えているんだな。」
「ちびっ子いうな。」
このちびっ子なら大丈夫そうだな。
「そうか、ならしばらくこの家に滞在するか?」
「いいのか?」
「ああ、問題をおこされても困るし、人間の世界は不慣れだろ。
部屋は空いてるよ。」
二人とも仲いいみたいだしこれでいいだろ。
「よかったね、仲良くしましょう。」
「あとで部屋に案内する。」
魔王がいるならこの世界で一番安全な家になるな。
「ところでナオヤさん、まさか手を出したりはしないわよね。」
ミリーも何故かジト目だ。
「おいおい、俺は子供に手を出したりはしないぞ。」
「誰が子供だ、おぬしらよりずっと年上じゃ。」
見た目は完全に子供だろ。このロリっ子が。
しかもぺったんこだし。
ストライクゾーンから大きくはずれてるわ。
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