『第九話 お花と妖精』
カレーを食べて、次はサクヤさんの華道の授業。
事前に庭園に来るよう言われていたので私はそこに向かった。
「こんにちは、サクヤさん」
庭園の真ん中に置いてあるテーブルと椅子に座って、景色を眺めているサクヤさんはとても美しくて絵になりすぎていた。
なんだろう、現実味がないというか…。
「杏樹ちゃん、こっちに座って」
私を見て微笑むと、隣の椅子に座るよう促してくる。
そこへ素直に座ると頭をなでなでされた。
「今日は花を見てもらうよ。少しでも花の種類を覚えてくれればうれしいかな」
「はい!…あの、妖精について質問してもいいですか?」
サクヤさんは、いいよと笑う。
「何が知りたい?」
「えっと、妖精を見れるようになるにはどうすればいいですか?」
「そうだね…、精霊に認めてもらえば見れるよ」
「精霊…、妖精と精霊の違いはあるんですか?」
「うん、妖精より、精霊のほうが数は少なく使える力も大きいんだ」
ふむふむ、なるほど。
「認めてもらうには、どうすればいいですか?」
「何かを一生懸命取り組んだり、生き物を大事にすれば認めてもらえるよ」
…つまり、私が授業をちゃんと受ければいいと。
くっ、認めてもらえるようにがんばりますか!!
そのあと、ちゃんとサクヤさんの話しを聞いて花の名前を忘れないように頭にメモをした。
絶対に精霊に認めてもらうぞー!!