第2話 とりあえずレベル上げよう!!
【ステータス:阿良木龍夜】
役職:最強チート レベル:1
HP:105 MP:25
スキル:ジ・エンド MP9999
説明:魔王のみに発動する、物語を終わらせるチート技。
「はぁぁぁぁぁあああああ!?!?!?」
「なんだこのクソ能力ーーっ!!!
最強だけど最強じゃねぇじゃん!!!!!
ふざけんなーーーっ!!」
"魔王のみに発動"って言う馬鹿げた能力に、俺は唖然とした。
「はっ!?そうだ、きっと間違いだ!!
さくらぎちゃんに聞いてみよう!!!
えーっと、……ヘルプ!!」
何も起きない。
「……ヒント!!」
空は青い。
「システム!!」
雲が漂っている。
「運営サポート!!!」
そよ風が吹いていた。
「仕事しろよ!!ばか作者ーー!!!!」
一瞬、強い突風が吹いた。
「ひっ!すみませんっ…!」
俺は瞬時に態度を改めた。
世界に怒られた気がした。怖かった。
「い、いや、待て!!敵を倒せばレベルアップで新しい技覚えるかもしれねぇ!!!」
……多分。
いや、絶対そうだ。
RPGってそういうもんだ。
俺は詳しいんだ。異世界漫画読んでるもん!
「よし!仕様を信じろ俺!!」
俺は敵を探すために、平原を歩いた。
しばらく歩いた頃、前方の岩陰に何かの小さな影が見えた。
「おっ、もしや雑魚敵か!?」
俺は影の方に走っていった。
「あーっ!いた!!!」
岩陰に隠れていたのは空色のスライムだった。
「よっしゃ!お前を倒して経験値ゲットだぜ!」
俺はスライムをパンチしようと手を振りかぶった瞬間、スライムは高く飛んだ。
「んなっ!?えっ!?どこいった!?見えねぇ!!」
高く飛んだのは見えたが、空と同化して全く見えなくなった。
「くそぉ、姑息な真似しやがってぇ!!」
俺は執念深く、空を見た。
「……っ!!いたっ!!!」
微かに雲と空の間で動いてるものを見つけた。
「逃がすかぁぁっ!!!」
俺は経験値のために、スライムを追い続けた。
数時間後――
日が真上まで登っていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……あの野郎……落ちては飛んでを繰り返しやがって……はぁ、はぁ……」
スライムは未だに捕まらず逃げていた。
俺は息が上がり、走り回ったため体力も尽き、地面にあぐらをかいて座り込んでいた。
「くそぉ、経験値すら手に入らんかった。
スライムって雑魚モンスターじゃないのか?」
「……つか、他の奴はどうしてんだろか。
学園全体巻き込むって言ってたよな。
誰かしらと会ってもいいはずなのに、
誰ともすれ違わん……なんでだ。」
俺は独りでぶつぶつと呟いていた。
そのせいか、
背後から危険が迫っていることに気付かなかった。
「ぷるるっ!」
「……ん?腹鳴ったか俺。」




