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『リプロデュース・アトムズ』について

リプロデュース・アトムズ あらすじ


少年は、死にたかった。

とある出来事から心を病んでしまった彼は幼い頃見た異世界転生モノのラノベの世界に希望を見出し、自殺を決行する。

目が覚めると、望んだままのファンタジー世界が!

喜んだのもつかの間、謎の魔法使いに襲撃を受ける。

しかし、少年は相手の動きを見て、相手の動きを再現することに成功する。

「同じ物理法則が働いている以上、全く同じ動きをすれば同じことができるはずだ。相手の動きを再現するんだ。原子レベルで、正確に。」

自殺した少年の、第二の人生が今、始まる。





『こんなもんかなぁ。』


2年ぶりの新作は、随分と他者の共感を得られなさそうな出だしから始まることになった。

この時の俺は、哲学的な話よりも科学的な話をしたがっていた。


と、思っている。


ただ、科学は突き詰めると哲学に転ずる。

この、『同じ物理法則が働いている以上、全く同じ動きをすれば同じことができる』という思想は、ほとんど哲学の域に片足突っ込んでいると言っていいだろう。

このファンタジー世界においては、魔法や特別な技みたいなものは、契約と特訓をしなければできないものである。


『だけど、この主人公は違うんだよね~。』


普通の人間が原子レベルで正確な動きをできるはずがない。

その説明も、考えていた。

当時の俺は、どんでん返しが大好きだった。

フィナーレ寸前で全てがひっくり返るあの感覚が。


『この世界は異世界じゃない!』


『主人公は死んですらいない!!!』


そんな、バカみたいな筋書きを書いた。


この世界は、超未来の地球。

前作の比ではない、2億年後の地球。

タイムマシンを完成させた科学者が、人類滅亡直前に2億年後の世界に全人類を避難させた。

避難した人類は、それぞれの場所で文明を築いた。

人々は生活しているうちに、特別なチカラに目覚めていった。


科学者、曰く。


「二億年後の地球には、未知の元素があった。これには、体力増強や、超能力的な効果を発揮させることができた。私はこれを『魔力』と名付けた。」


大気組成に微量に組み込まれた『魔力』によって、魔法や特別な技が使える。

主人公のコピー能力は、そんな『魔力』によるものだった。

そして、主人公は一度死んだわけではなく。

飛び降り自殺を試みて死にかけているところを科学者に拾われ、二億年後の世界にタイムマシンのテストとして送られただけだった。


主人公は最後、科学者と共に現代へ帰った。

主人公は科学者のラボの一員として、現代でまた生活していくことを選んだ。

そこで、俺は気づく。


『俺…コイツのこと、死なせたくないんだ。』


この主人公は、もし『俺が自殺したら?』の、シミュレーション結果。

だとするのなら、俺は。


『俺って…死にたくないんだな。』


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