終章|外へ
僕の目は閉じている。
瞼が重い。
村ほど音が多くない。
ここはどこだろうか。
目を開けて、起き上がる。
僕は、ベットの上で目覚めた。
周りには、植物がたくさん生えていた。
瓦礫が、たくさんあった。
建物は、崩れている。
外は、滅びていたのか…
物音がする。
僕は、物音のする方に目を向けた。
母親がいるわけないのに…
僕に肉親がいる訳ないのに…
勝手に僕の口から
「…ママ」
と、嗚咽混じりに声が出て、気づいたら
僕は、母親の元に駆け寄っていた。
が、これは母親ではない!
僕は逃げ出した。
僕の荒い息が、聞こえる。
無我夢中で走った。
怖い
死にたくない。
怖い。
僕の息遣いは、どんどん荒くなっていく。
心臓の音が大きくなっていく。
苦しい。
心臓の音を聞いて母親の形をした怪物は、追いかけているのではないかと思えた。
手が震えている。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…
気づいたら僕は、
数メートルの段差で、転んでいた。
頭を打っていた。
顔を上げると、
見たことのない景色が広がっていた。
生い茂る植物は無いし、
瓦礫は崩れていない。
建物も崩れていない。
追いかけてきたのは白衣のおじいさんと、
本当の母親だった。
母親は、僕に
事故から、数日意識がなくて、
心配だったと話した。
僕は、親友のことを思った。
親友は、外に行ったことがある。
親友は、最後外に行きたがらない。
怖いから。
文明が滅びていたから。
そう言う設定だったのだ。
本当は、夢の中の人だから、外に出られなかっただけなのに。
自然と涙が溢れる。
せめて、忘れないように親友の外見を思い出そうとした。
僕は気づいた。
親友は、現実にいる友達と同じ見た目の
人間だったのだ。
親友だけ、僕らと顔が違ったのだ。
だが、親友は、僕の理想の親友かもしれない。
親友は、現実の友達とは違う性格かもしれない。
そう思うと、とても複雑な気持ちになる。
白衣のおじいさんは、
「足が折れているのに、走れるはずがない」
と呟いた。
視界が揺れた。
僕の後頭部を殴ったのだ。
見覚えのある村の地面に、僕の体はあった。
親友がこっちに駆け寄って、言った。
「…おかえり」




