第八十四話 色欲の宴
ダンジョンの最奥で、魔王軍所属のフランケインに遭遇したフィズ達。彼の魔の手がフィズ達に襲い掛かりピンチに追い込まれたが、成長した仲間たちとの愛が状況を好転させ、切り札を使用したフランケインを見事に打ち破った。
「ぐあああああ………」
「やったぜセシリア!」
「ええ!」
「ぐ…まさかこの私が負けるとは…しかし、これで…」
ゴゴゴッ…
今にも消え入りそうな声でダンジョンの装置を操作したフランケイン。すると最奥の扉が閉まり閉じ込められた。
「な!?お前、何をした!?」
「フハハハハッ…道連れだ!貴様らもこの私と一緒に朽ちてもらう…ぞ…」
奴はそう言い残すと、白い液体になりダンジョンの地面に消えていった。
僕達はそれを見届けると、扉が開かないか調べてみたが、
「ん、殴ってもビクともしない…」
「押しても引いても、フィズさんの魔法でもダメなら、どうしょうもないですね…」
「力技でも無理ね…完全に閉じ込められたわね…」
「えぇ…じゃあ俺達に死ぬまで一生このままですか!?そんな…」
絶望する僕達であったが、他に出来ることは無いかと広い部屋を探索してみる。
先ほどフランケインが操作した装置は沈黙している。魔力切れか…どうにか魔力を補充出来れば動くか?
「フィズさん!コッチにこんな物が…あの魔族の物でしょうか?」
「お、これは!出来したぞサキュ!」
サキュから受け取った物はフランケインの纏めた資料だった。研究者らしい彼は律儀に実験結果を纏めてくれていたようだ。
「魔族の文字通りですよね?フィズさん読めるですか?私達でも分かりませんでしたけど…」
「あ、そうか…ほら僕にはもともと女神様の『鑑定』があるからな」
「ん、何でも有り」
「ははは…どれどれ、ふむ…これによると…」
1 ダンジョンにはコアが有り、膨大な魔力にて稼働している。
2 人間の精液から魔力を生成すると、ある条件で生成される魔力が増加する。男性のみのパーティよりも 男女が混在するパーティの方が良い結果が出た。
3 条件の考察。捕らえた人間に性交をさせた結果、精液と女性の膣分泌との混合液が2の条件に当て嵌まる。
4 装置にこれらから生成した魔力液を注ぎ込むと、ダンジョンを更に改変する事に成功した。
5 魔力液生成が芳しくない…精液と膣分泌液の他に条件が有るのか…さらなる検証が必要…
「つまり、どう言う事ですか?」
「取り敢えず、ダンジョンを再起動する為には凄い魔力が必要だって訳だ!」
「ん?と言うことは…」
「疲れてるところ悪いが、皆協力してくれるか?」
「あ♡そういう事ですか♡」
「勿論よ。それに私も魔力が殆ど無いからついでにお願いね♡」
「ん、ご褒美♡」
「俺も…『転換』!わ、私も頑張ります♡!」
みんな僕の意図を汲んでくれたようで、やる気満々だ。汚れた装備を脱ぐとマジックバックから思い思いにスケベ衣装を取り出して着替え始めた。
僕一人じ時間がかかるしな…本当に便利だよな~『分身体』!ポンポンポンっと十人を超える人数に増やした僕が姿を見せると、
「うわぁ♡フィズさんが沢山いますね♡」
「全部相手にするのは骨が折れそうね…」
「ん、私なら何人でも相手出来る♡」
「凄い光景です♡」
「じゃあ始めるぞ!」
前掛けだけのメイド服に、スケスケのネグリジェ、布面積の極端に小さなエロビキニ、定番の牛ビキニを着た彼女達を囲むと、思い思いの方法で魔力生成に勤しんだ。
「ま、負けたッ…悪魔殺しだよ…」
「ん…触手も動かない…」
「こんな人数を相手にするのは初めて…」
「あら?みんな情けないわね…フィズ足りそう?」
「ああ、皆の頑張りのお陰でな」
満身創痍の彼女達を他所に、僕とセシリアはダンジョンを再起動すべく、装置の前に来た。
2人で装置に手を伸ばすと、魔力が吸い取られ装置が起動した。ブーンと言う音と共にステータス画面が目の前に浮かび上がった。
『魔力不足…魔力を供給しますか?』
「勿論!魔力なら僕の中に大量にあるぞ!受け取れ!」
『ブーン…高濃度の魔力を確認…回収します…充填率16%…26%…49、68、81、95、100%…ダンジョンコア再起動!』
装置から放たれた青白い光がダンジョンの床から壁全体に走る。暗かった部屋が明るさを取り戻し、硬く閉じた扉が開いた。
「やったわね!」
「ああ!成功したみたいだな!」
『ダンジョンに異常を検知…修整中…通常モードへ移行…完了…異常は排除されました』
「おっ、これで元に戻ったのかな?ガイさんに良い報告が出来そうだな」
僕等は支度を整えると、ダンジョンの最奥のポータルから入り口に移動した。
「おっ!帰れたぞ!」
「まぁポータルで一飛びですからね。便利です」
「ん、随分久しぶりな感じ」
「これもあの魔族の所為ですよ。アイツさえ居なければ…」
「そうね…ダンジョンも元に戻った様だし。ここの皆もまたダンジョンに潜りやすくなるわね」
朝日が顔を出し始めた白んだ空を見あげた。少し肌寒い冷たい空気を吸い込むと、僕達は何時も通り静かに口を開けるダンジョンを後にした。




