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魔力ゼロの勇者 〜最弱勇者の最強育成に必要なのは僕との繋がり〜  作者: アオネコ


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第五十三話 秘密の特訓 

 フィズさんとセシリアさんが食堂で遅い晩御飯を食べていると、ギルドから呼び出しがあったとかうんざりした顔で家を出て行った。ライオさんとサキュさんは夜のお仕事に行くと言っていたし、家に残ったのは私とスーちゃん、それにルルちゃんだけだ。


 シャナは冒険者じゃない自分を恨めしく思ったが、自分が魔物と戦う姿を想像しただけで震えてしまった。幼いシャナが果敢に戦うなど自分でも無理だと分かっている。だが分かっているからこそ、


「私って皆さんの役に立ててるんでしょうか…」


 片づけを済ませると、とぼとぼと家の中を歩き回り仕事を探した。すでに夜になり大方の仕事はルルとシャナが片付けてしまっている。仕事を終えたルルは、スーとお風呂に入って自由に過ごしていた。


「しかし、よくあんなぶっといのが入るよな?!」

「ん、あれは上級者用。ルルにとっては大木を入れる様なもの」

「確かにな…わはははッ」


 楽しそうにお喋りする二人に、シャナは、 


「私もお風呂に入って来るね?」

「おう、ゆっくり入って来いよ」

「ん、今日もお疲れ、ごゆっくり」


 スーちゃんもルルちゃんもバスローブを羽織ってリビングで寛いでいる。何やら楽しそうにお話していたな…私も早くお風呂から出てお喋りしよう!


 そう気持ちを切り替えて、普通のメイド服を脱ぐとお風呂場の扉を開けて湯煙の上がる中へと入って行った。桶でお湯を体に掛け、温かい湯船に浸かると、嫌な事もちょっと忘れるくらい気持ちが良かった。ぼんやりとした目で浴室を見渡すと、ドンッっと聳え立つ異形の置物が目に入った。


「あ///あれって///」


 近づいてよく見てみると、やはり、スーちゃんの触手に似た『異形触手地獄』だった。青黒い触手が天を突くようにうねり、そそり立っている。涙型を逆さまにしたように、下に行くほど腕よりも太くごつごつとしていた。


「うわぁ///こうやって見ると凄くエッチな形///」


 手に取ってみるとずっしりと重い。それに不思議と無機物なのに生きている様に見えて来る。


「ゴクッ…こ、こんなに太いんですね…」


 両手で一番太い所を持ってみるが、シャナの小さい手では、やっと握れるかどうか…興味本位でそれを繁々と見て居ると、


「ん、シャナ~入るよ~忘れ物しちゃった♪って…あれ…」

「えっ”!?あ?!きゃあッ!?」


 がらっと突然開いた扉に驚いたシャナは、有ろう事か、足を滑らせ宙に浮いた。


「しゃ、シャナ!?何やって!?今助けるよ!それ!」


 スーはうにょーんと伸ばした触手でシャナを巻き取ると、見事にキャッチし事なきを得た。


「シャナ大丈夫?!」

「う、うーん…あ、スーちゃん…助けてくれてありがとう…」

「全く、シャナもドジだな」

「急に二人が入って来るからよ!?ちょっと驚いただけだもん」

「ん?それは悪かった。でもシャナ、それに興味深々だったみたい」

「そ、それは///」

「別に悪い事じゃない。でもそれはシャナには無理。だから私が特別に相手して上げる♡」

「お。いいな。俺も混ぜろ♡」

「え?!ちょっと?スーちゃん?ルルちゃんも!?ええ~ッ?!」


・・・

・・

・


 こうして急に始まった秘密の特訓の所為で、長風呂になってしまった3人は、のぼせた体を涼めながらリビングでぐったりとフィズ達の帰りを待つのだった。

 

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