第三十九話 いつもの風景
シャナとスーちゃんを仲間に加え、宿に戻って来たフィズ達は、正式にシャナを迎え入れた。その日の夜はまるで加入を祝うかのようにベッドの中で愛し合ったのだが、一人温泉に浸かるスキュラのスーちゃんとばったり遭遇したフィズは、スーちゃんとも肌を重ねるのだった。
湯船の縁にスーを乗せると先程よりも赤い触手達を優しく擦る。ツルツルスベスベの肌が触っていて気持ちがいい。
マッサージするように十分揉み解すと、お互いの体を密着させて絡め合う。魔力が滾るとそれを胸に押し当てスーの体に注ぎ込んだ。魔力を受け取った反動で、体の力が抜けたスーを抱きかかえると、落ちない様に抱き着くスーと共に洗い場に移動する。
僕はスーと体を洗いっこして温泉に入り体を温め直すと、さっぱりとした気分で布団に潜り込んだ。
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翌朝
「フィズ、起きて、フィズ」
「ん、う~ん…おはようセシリア…もう朝?」
「もう昼よ?貴方起こしても全然起きないし、熟睡してたわよ?」
「うげッ…ごめん。昨日?朝?寝たのが遅かったからな…ふぁ~ん…で、何かあった?」
「あ!そうそう。ギルドから連絡が来たのよ。いつでもいいからきてくれって」
「ギルドが?なんでまた?」
「それはスタンピートを止めたからでしょ?どんな方法でどんな魔物だったか確認するんでしょうね…どうするの?触手でも切り取って持って行く?」
「「ひッ…」」
セシリアの発言に、サキュは切り取られた片方の角を押さえ、スーはと言えば数多の触手を大事そうに手に抱えて怯えている。その顔は恐怖で絶望しているようだが、
「そうだな…やっぱりインパクトがある物が欲しいな…触手がダメなら…セシリア…」
「そうね…こっちを貰うわね…痛くないからね、ちょっと天井の染みを数えていればすぐに終わるからね♪」
「ひ、ヒぇ…」
頭を優しくなでると、触手の様な髪の毛を一本摘まみ上げナイフを取り出しサクッと切った。うにょんうにょんと動く生きの良い触手を手に取ると、僕に手渡して来た。
「よし。これで良いだろ!じゃあ、ギルドに行くか!ん、サキュとスーは?」
「2人なら頭を押さえてどっかに行きましたよ?」
「そっか・・・じゃあ、ライオ君は2人を頼んだ。俺とセシリアはギルドに行ってくるよ」
「了解です」
宿から出た僕たちは、ライオ君と別れるとギルドへと向かい。事のあらましを説明して来た。
「はあ~疲れた…やっぱり触手を持って行ったのは正解だったな」
「ええ、スキュラの事を説明するにはうってつけだったわね。そうそう、海の呪いが解けたのもスキュラを討伐したからじゃないかって言っていたわね」
「まあ、実際スーが呪ってた訳だしな。いや~良い金になったし、仲間も増えたしで良い事尽くめだったな」
「そうね…あら、そんな話をしていれば…」
ギルドから帰り、宿に着くと、建物の前にライオ君に付き添われたサキュとスーが居た。サキュは普段通りだが、スーはなぜか頭を手で押さえたままだ。
「スー悪かったって、でも、足が一本無くなるよりは髪の毛の方で良かったろ?」
「うー、それはもういいです。そりゃ、いきなりでしたから?ちょっとビックリしましたけど…そうじゃなくて、コレ見て下さいよ!どうしてくれるんです!?」
「え?」
「あら?可愛いじゃない?」
「うーーーッ」
そう言って頭を見せたスーの髪は、切られて短くなった所為か、アホ毛のように上にピョコンと跳ねていた。
「可愛いぞ?スー」
「うー、これはフィズさん達に責任を取ってもらうしか…」
「ん?何だ?」
「何でもありません!これからもずっとお世話になりますからね!宜しくお願いします!」
「お、おう…宜しくな!」
こうしてギルドへの報告と、サキュとスーの帰宅を迎え入れるとみんな揃って宿へと入って行った。そこには、
「もう!私を置いてどこに行ってたんです?!」
「あ、いや、置いていた訳じゃ…」
「何も説明されてません!私も皆さんの仲間じゃないんですか?」
「いや、仲間だよ。大切な仲間だ。でもさ、女将さんに聞いたら、花嫁修業中だって言って居たから、邪魔しちゃ良くないかなって」
むくれたシャナは腕を組み怒っていた。この怒りを鎮めるには、
「しゃ、シャナ?僕、朝から何も食べてなくてさ…お腹ペコペコなんだ。シャナの美味しいご飯が食べたいな?いや、修行の成果を食べさせて下さい!」
「う、しょ、しょうがないですね…良いですけど、次はちゃんと教えて下さいね!じゃあ、準備しますからお部屋で待ってて下さい」
「分かった」
ふう…
「幼妻が居ると大変ね?」
「幼妻って、じゃあセシリアは僕の本妻か?」
「第一夫人かしらね?まあ順番なんてどうでもいいわ。フィズなら全員愛してくれるのでしょ?」
そう言って艶めかしく体を寄せて抱き着いてくるセシリアに、僕は彼女を抱きしめて応えた。サキュとスーは僕のすぐ後ろでライオ君に左右から抱き付き同じように愛を呟いている。ライオ君も満更ではないようだが、サキュの尻尾とスーの触手がライオ君に見えない様に僕の体に巻き付き求愛している様だった。
「あーまた私が居ない所でイチャイチャしてーッ!私も交ぜて下さい!」
料理を運んできたシャナまで抱き着いてくると、取り合えず食事を食べて食欲を満たした。




