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(三)-5
「えっ?」と私は声を上げた。まさかとは思うけど、私に絵を盗めというのだろうか?
「そのまさかだよ、西原さん。だって、僕も浜島君もこの画廊関係者だろう。だから真っ先に疑われるよ」
まあ、確かにそうかもしれない……。
「そうすると利害関係が一番薄くて疑われにくい、あなたがいいのではないかな」
満面の笑顔の羽田さんの顔を思わずじっと見てしまった。何で私なのよ?!
「本当に泥棒に入ってもらうわけではない。表の電柱のところに地元商工会が設置した防犯カメラがあるから、それにチラッと姿を映して大きな絵を担いでどこかへ立ち去るところを演じてくれればいいさ」
(続く)




