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釣り

 男は、入場料を支払えば無料で借りられる釣り竿を手にして、先端の針に餌をつけた。

ここは釣り堀で、水深は浅い。使用するのはいわゆる一本釣り用の竿だ。

男は釣り竿を後ろに引き、そして大きく振った。チャポンッと音が聞こえる。

釣り堀とはいえ、釣りである以上は魚との真剣勝負だ。


待つ。

待つ。

待つ。


浮きがピクッと動いた。

もうすぐだ。


待つ。

待つ。


浮きが一気に沈んだ。

男は一気に竿を持ち上げた。

なかなか重い。持久戦にもつれ込むと判断し、体力を温存しながら時々竿を引っ張る。


二分ほどが過ぎ去ったとき、男は再び、しかし今度は全力で竿を引っ張った。

水の中から魚が持ち上げられた。



魚を見て、男は笑みを浮かべた。

叫び声をあげたいほど、うれしかった。

いわば、最高の気分だった。

男にとって、釣りとは快感を得るためのものだった。

そして、スポーツでもあった。

今回は男の勝利だったが、次回はどうなるかわからない。

「おつかれさん。今回もありがとな。次回もよろしく頼んます。」と魚に声をかけた後、釣り堀に返した。

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