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転生したらチェーンソーだったのでスキル強化で最強を目指す!  作者: ふぃる汰


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53/63

53 沼地の魔物をぶっコロすぜ……?



「お、もうだいぶ近くまで来てるね~」



「沼地が近い。警戒度を上げる」



 一夜明けて再び街道を進み始めたオレたちは、行商人のオッサンから注意するように言われていた沼地付近までやってきた。

やはりというか、ここまで南方面の道を直進してきてまだ1人もデイルタッカーシティ方面から来る旅人や馬車とすれ違っていない。

行商人のおっさんたちが言っていた噂が広まって、この街道の利用を控えているのだろうな。



「魔物が出てくるかもしれないから、ぎゅいぎゅいを装備しよう」



「ギュイイイイン!(頼んだぜアナベル!)」



 オレを右手に装備したアナベルが、いつでも戦えるように警戒しながら街道を進んで行く。



「あれ? 向こうから誰か来るよ」



「……本当だ」



「(オレたちみたいな命知らずが他にもいたんだな)」



 ここまで誰ともすれ違わなかったのに、沼地の向こう側……つまりオレたちが進む街道の先から2頭の馬と旅人が2人やってくる。

今の進む速度だと、丁度沼地の前ですれ違うことになりそうだな……



「お馬さんが2頭と、男の人が2人だね。あの人たち、大丈夫かな~……」



「もし魔物が襲いかかってきたら、わたしたちが助ける」



「ブォンブォオオオオン!(颯爽登場チェーンソーメンだぜ!)」



 そのままお互いに街道を進んで行き、遂に沼地の近くまでやってきたところで……正面から来た男たちが奇妙な行動をとった。



「……ん~? なんか手振ってるね」



「多分、ストップの合図。向こうから、何か仕掛けるみたい」



 正面から馬に乗ってやってきた男2人が、沼地に接近する前にオレたちを身振り手振りでストップさせる。

もしかして、魔物を倒すためにやってきたデイルタッカーシティの警備とかなのか?



「おっといけねえ~! 馬を放しちまったあ~!」



「馬を、放した……?」



 馬に乗っていた男2人の内の1人が馬から降りると、手綱やら鞍やらを外して馬を解放する。

解放された馬は喉が渇いているのか、沼に向かって歩いて行く……



「(お、おいおい……なんか嫌~な予感がしちゃうぜ~……)」



 男たちはその場から動かず、沼に近づく馬の様子を注意深く観察している。

しばらくして馬が沼まで移動し、顔を下げて沼の水を飲もうとした……その時。



 バッシャアアアアアアンッ!!



「ヌヴォオオオオオオオオオオオオオ!!」



「ヒッヒヒィ~ンッ!?」



「ギュイイイイイイイイイインッ!?(出たああああああああああああっ!?)」



 沼の水が弾け、ドロドロの巨人が姿を現わす。

突然の出来事に馬は驚き、踵を返して逃げようとする……しかし。



「ヌヴォオオアアアアアアアアアアッ!!」



「ヒヒィ~ンッ……!」



「お馬さんが……」



「ブォンブォオオオオン……!(沼に引きずり込まれてるぜ……!)」



 ドロドロの巨人の魔物が逃げようとする馬の後ろ足を掴む。

馬は激しく抵抗して後ろ足で蹴り上げようとするが、巨人の力が強いのか、ズルズルと沼に引きずり込まれていく。



 いやいや、馬の蹴りって相当強いぜ……?

それを完全に抑え込んで、しかも体重が数百キロもある相手を沼に引きずり込むなんて……あの巨人の魔物、かなりヤバいぜ。



「(っていうか、男たちは何して……)」



 パシャッ! パシャパシャッ!



「うお~マジでいたぜ沼地の巨人ゾンビ! おい写真撮れたか!?」



「バッチリだ! 街に戻って捕獲隊を結成するぞ!」



「アイツを捕まえて“地下オークション”に出したらきっとすっげー高値で売れるぜ!」



「(な、なんだよアイツら……!)」



 男たちは、魔物に襲われている馬を見捨ててもう1頭の馬に2人で乗り、そのまま来た道を戻っていった。

もしかして2頭の馬を連れてきたのは、1頭を囮にするためだったのか!? そんなの酷すぎるぜ!



「ブォン! ギュイイイイン!(アナベル! あの魔物をぶっ殺して馬を助けようぜ!)」



「ぎゅいぎゅい……そうだね、魔物を倒してはやく助けてあげよう」



「ま、待って待って!」



「ベニー?」



 魔物が現れてから静かだったベニーが、ゆっくりと沼地に近づいていく。

ただ馬を助けるというよりは、もう一方の魔物に視線を向けているような……



「あなた、もしかして……チャウンシー?」



「ウヴォオオオッ……ヴェ、ヴェニー……?」




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