03 転生したらチェーンソーだったぜ!
女神に転生を告げられ、意識を失い……そして、現在。
オレは切り株に突き刺さった状態で何もできずにいた。
「ブォンブォオオオン!(クソッどうなってんだマジで!?)」
オレの視界に映るのは、地面と切り株、そして切り株に突き刺さったチェーンソーの鎖刃。
目が覚めてしばらく状況が飲み込めなかったんだが、どうやらオレはチェーンソーそのものとして異世界に転生しちまったらしい。
「ブォオオン……ブォオオオオオオン!(マジでチェーンソーになってんじゃん……ふざけんなよあの女神~!)」
なんで『チェーンソーメン』がオスのチェーンソーってことになんだよ!
っていうかそもそもオスのチェーンソーってなんだよ!
機械にオスとかメスとかないだろ……!
「ブォン、ドッドッドッド……(いやでも、親方が工具持ってオスメスがどうとか言ってた気がするな……)」
っていうか、さっきから喋ろうとすると謎のエンジン音がするんだけどなんなんだ?
もしかしてオレの声か?
チェーンソーだから人間の言葉が喋れなくなっちまったってこと?
「ブォン、ブォオオオン……(一体、これからどうしたらいいんだよ……)」
切り株にぶっ刺さっているせいか、体を動かすことができないし、そもそも自分で動けるのかも分からない。
だって今のオレは、ただのチェーンソーだから。
そういえば、視界の感じもなんか変だし……フルフェイスのヘルメット越しに見えてる感じっていうか、ゲーム画面っぽいっつーか……
「ブォン、ブォンブォン(ん? 画面の端になんかあるぞ)」
ゲーム画面みたいな視界の端に『BS-SYSTEM』という謎の表示がある。
BS……衛星放送見れるとか? そんなわけないか。
まあでも、なんかできるかもしれないしちょっと試してみるぜ。
「ブォン、ドッドッドッド……!(BS-SYSTEM、発動……!)」
…………。
やっぱ、何も起こるわけ……
【伐採スキルシステム起動】
・名称:チェーンソー/ヤイバ
・エネルギー残量:95%
・必殺技:キックバック[-5%]
・伐採ポイント:0BP
・習得スキル:自律駆動、言語理解
・習得可能スキル:自立駆動Lv2[100BP]、ソーラーチャージ[100BP]、エコモード[150BP]、軽量化[150P]、ボイス機能[200BP]、視界拡張[300BP]
「ッ!?」
な、なんだこりゃあ……!?
「ブォォォン、ドッドッドッド……(これってもしかして、今のオレのステータス画面ってやつか……?」
っていうか名称……マジでオレ、チェーンソーじゃん!
それに『伐採スキルシステム』って……なるほどなあ、BSは衛星放送じゃなくて『伐採スキル』のことだったか。
いや分かんねーよそんなの!
「ブォンブォン、ブォオオオオオオン(この画面見た感じ、伐採ポイントとかいうのを貯めていけばスキルが習得できるってことか?)」
ステータス画面の下に載っている『習得可能スキル』っていうのが、今のオレが習得できるヤツか。
横の『BP』っていうのは多分『伐採ポイント』のことで、この数値分のポイントを稼げば習得できるって訳だな。
「ブォン、ブォンブォン、ドッドッドッド?(とはいえ、どうやって伐採ポイントを稼げばいいんだ? チェーンソーで木とか切ればいいのか?)」
今こうやってても1BPも増えていかないし、かといって何か出来るワケじゃないし……え、もしかしてオレ、詰んでる?
このままエネルギー切れになっておしまい?
「ブォンブォンブォオオオオオオン!(いやマジでそれだけは勘弁だぜ~!)」
こうしている間にもエネルギー残量は減っており、残り93%だ。
多分『ソーラーチャージ』ってスキルを習得すればソーラー発電で回復できるっぽいし、まずは100BPをどうにかして稼がねーと……
ガサガサ……
「(ん? なんか今、物音が……)」
地面しか見えてないので周囲の状況が分からないんだが、小動物か何かが茂みから出てきたような音がする。
ガサガサ……ガサッ!
「ゴ~ブゴブゴブ!」
「ゴブゴブゴブ!」
「ゴブブッ」
「ブォンブォンブォオオオオン!(なんかゴブゴブ聞こえるぜええええっ!?)」




