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チートステータスは使える時に使わないとね

「あら、カズマちゃん。どこに行ってたの?いきなり走り出すから場所解ってるのかと思ってたのに、来てみたらいないんだもの。」


「い、いや。ちょっとな・・・。」


「どうせ、ジェスの街と同じところにあると思って、勘違いしたんでしょ。まったく、職員さんに迷惑かけんじゃないわよ。」


「まあまあ。アイナさんそこまでにしておきましょうよ。カズマさんも悪気があったわけではないでしょうし。」


「なんだい、なんだい?やけに賑やかだね。」


「あら、ヨっちゃんじゃない。あなたがここにいるなんて珍しいわね。」


「ん?ギルマスかい?あんたこそ、ここにいるなんて珍しいじゃないか。」


「あたしはこの子たちを案内してきたのよ。ああ、この子たちはジェスの街から依頼を受けに来てくれたパーティーで薔薇の茨(ローズソーン)っていうの。」


「ジェスの街?ってことはリルテッドかい?」


「ええ。この子たちはリルテッドのお気に入りなのよ。」


「へぇ~。あのリルテッドのお気に入りねぇ~。まあ、あいつが目をかけているなら、腕は間違いないんだろうね。」


「もちろんよ。どの子もとてもいい子よ。」


「あ、あの~。」


「ん?なんだい?」


「買取をお願いしたいんですが、構いませんか?」


「ああ。確かにここに来ている以上、それが一番の用事だね。獲物はなんだい?」


「ディグアントが5匹です。」


「ディグアントか。なら、そこに出してもらっても構わないかい?」


「はい。カズマさん。お願いできますか?」


「ああ。」


俺は指定された場所へディグアントを出した。


「ほう。これはなかなかの物だね。ただ、倒し方がちょっと荒いね。ディグアントで買取が高いのは、この甲殻だ。これをいかに傷つけずに倒すかで買取金額が大きく変わってくるから覚えておきな。」


「いえ、今は買取金額は気にしていないんです。とにかく駆除することを優先しているので。」


「だとしてもだよ。今回は駆除だとしても次もそうとは限らない。覚えておいて損することではないんだ。」


「確かにそうですね。すみません。先のことは考えていませんでした。助言ありがとうございます。」


「いや、あたしも余計なことを言っちまったね。悪かったね。」


「うふふ。どう?いい子たちでしょ?」


「ああ。自分の間違いを素直に訂正できるなんざ、なかなかいないから、ちと面と食らっちまったね。」


「それで、この数だとどのくらい時間がかかりますか?」


「ん?そうだね。5匹だとだいたい1時間ってとこかね。」


「ではそのころにまた来ればよろしいですか?」


「何言ってるんだい。あんた達も手伝うんだよ。」


「えっ!?」


「ここは人数が少ないからね。冒険者でも解体の手伝いはしてもらうことになってるんだ。あんた達聞いてないのかい?」


「はい。」


「リリーシア。あんた言ってないのかい?」


「え、え~っと・・・。」


「はぁ~ぁぁぁぁぁ。あんた伝え忘れていたね?」


「うふふふふふふ・・・。」


「笑ってごまかすんじゃないよ!はぁ~。しょうがないねぇ。なら、今日は手順を見るだけでもいいよ。ただし、次からは手伝ってもらうからね。リリーシア、あんたは今回も次からもずっと手伝いだよ。」


「ええ~。ヨっちゃん、それはないんじゃない?これでもあたし忙しいのよ?」


「そんなの知らないね。伝えてなかったあんたが悪い。それにいい加減ヨっちゃんって呼ぶのは止めな。あたしはヨナシアだ。」


「そ、そんなぁ~。」


「なんだい?文句でもあるのかい?」


「うぅ~。わかった、わかりました。手伝うわよ、手伝えばいいんでしょ!」


「そうだよ。まったく、最初からそう言いな。それじゃあ、始めるよ。」


そう言ってヨナシアを筆頭に解体所のメンツがディグアントを解体し始めた。


俺たちはというと、ヨナシアに説明を受けながらディグアントの解体を見学していた。


どうも次回からは俺たちもこの作業に参加しなければいけないようで、みんな真剣にヨナシアの説明に耳を傾けていた。


リリーシアはというと、1人で1匹を任されたようなのだが、慣れているのか見事に解体をし終えていたのである。


そして、ヨナシアの宣言通り1時間で5匹のディグアントは解体し終えた。


「ん~。状態からいって買取金額はこんなもんかねぇ~。」


そう言ってヨナシアは査定表をアンナに手渡した。


「もう少し状態が良ければ、高く付けるんだけど、今回の状態だとそのくらいが限度になるね。」


「いえ、この金額で買い取ってもらえるのでしたら、こちらとしてはありがたいです。」


「それじゃあ、これを受付に出しておくれ。それとリリーシア。あんたはちょっとこっち来な。」


そういうとヨナシアはリリーシアと一緒に奥へと歩いて行った。


俺たちは査定表を買取受付に提出し、お金を受け取った後宿へと戻ってきた。


夕食時に明日の予定を打ち合わせし、その日は解散となった。


翌朝、俺たちは朝食をとり準備を済ませた。


「さて、昨日の打ち合わせ通りに今日はディグアントの駆除をメインに坑道を進んでいく。」


「まず、カズマのサーチでディグアントの位置を探れるか試すのよね?」


「ああ。それが上手くいけば巣の近くで待ち伏せし、駆除していく。ただし、巣への入り口が複数あるようならこの作戦は変更することになる。」


「なあ、それなんだが昨日の夜ちょっと考えたことがあるんだが聞いてもらってもいいか?」


「ん?考えたこと?なによ、それ?」


「ん~とな。サーチでディグアントを見つけるんだろ?ならいっそのこと巣を水責めしたらどうかって思ってな。もちろん巣の状況次第だけどな。」


「はぁ?あんたリリーシアさんの言ってたこと聞いてなかったの?水責めするには人数がいるのよ?あたし達4人でなんて無理に決まってるじゃない。それに今水魔法が使えるのは、あんたとエレナしかいないのよ?」


「いや、やるのは俺だけだ。エレナにも多少は手伝ってもらうかもしれないけどな。」


「はぁ?それこそ無理でしょ。100人は必要だって言われてるのに、あんた1人で出来るわけないでしょ!」


「確かにそうだな。いくらカズマとは言え無謀過ぎる。それは許容できないな。」


「いや、別に無謀でも何でもないんだが・・・。」


「無謀でもなんでもないですって?」


「カズマ、それはいくらなんでも大言壮語すぎるぞ?」


「ちょ、ちょっと待ってください。」


「ん?どうしたエレナ。」


「カズマさんに確認したいことがあるんですが、いいですか?」


「答えられることならな。」


「ありがとうございます。ではお聞きします。カズマさんの今のMPはいくらですか?」


「そんなこと聞いてどうするの?普通は100あるかないかでしょ?魔法職ならもう少し多いでしょうけど。」


「カズマさん。教えてもらえますか?」


「具体的な数字は控えさせてもらうがいいか?」


「はい。構いません。」


「(それならいいか。)なら、言うぞ?俺の今のMPは4桁だ。」


「はぁ!?」


「なっ!?」


「やっぱり・・・。」


「えっ?4桁って1000以上あるってこと?」


「カズマ、こんな時に冗談は感心しないぞ?」


「いや、本当だぞ?」


「そ、そんなのあるはずないじゃない。あたしですら訓練のおかげで100あるかないか位までやっと上がったのよ?」


「ちなみにエレナはいくらなんだ?」


「私は150程度ですね。生粋の魔法職の私がこれくらいなんですから、カズマさんが如何に異常なのかが良くわかりますよね・・・。」


「しかし、それだとしても100人分はカバーできないんじゃないか?」


「いえ、カズマさんなら可能だと思います。おそらく使うMPは1桁でしょうし。」


「ど、どうゆうことなの?エレナ。」


「たぶん、カズマさんは(ウォーター)でやろうとしているんだと思うんです。」


「えっ!?」


「なるほど。確かに初期魔法ならば必要MPは少ないから可能だろうが・・・。」


「私には無理ですね。でもカズマさんはスキルレベルが2~3上がったと言っていました。以前見せてもらった時ですら水魔法は2だったんです。

それから上がったとしたら今は4か5でしょう。なら精密な操作がより可能になっていると思うんです。それにMPが4桁もあれば初期魔法ではよほどのことがない限り、魔力枯渇を起こさないでしょうし・・・。」


「確かにそうでしょうけど・・・。」


「聞くだけではとても信じられんな。」


「なぁに。出来ればやってみるだけなんだから、今から難しく考える必要なんかないんだよ。」


「あんたが考えさせたんでしょうが!」


「うおっ!?」


「はぁ~。あたしは考えるのを放棄させてもらってもいいかしら?」


「私も放棄したいくらいだ。」


「まあ、難しく考えずに気楽にいこうぜ。巣の状況によったら出来ないことなんだし。」


こうして、俺のチートステータスでのごり押し巣ごと駆除を提案した俺であった。



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