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やっぱりテンプレってあるんだな

翌朝


「おはようございます。」


「お、おはよう。」


「?どうしたんですか?」


「い、いや。そ、そういや慣れてないベッドでエレナは寝れたか?」


「はい。よく寝れましたよ。あのマットは凄いですね。体にすごくフィットしてくれて、物凄く寝やすかったです。」


「そうか。あのマットは特別に用意したものでな、喜んでもらえたなら何よりだ。」


「特別に用意してくれたんですか!?なんか申し訳ないですね。」


「いや、気にしないでくれ。前にも言ったと思うが睡眠はとても大事なものだからな。」


「そういえば、アンナさんとアイナさんはまだですか?」


「俺は見てないな。マットが心地よくてまだ寝てるんじゃないのか?」


「私ちょっと起こしてきますね。」


「別に寝てるなら無理に起こす必要はないぞ?」


「そうもいきません。私たちは依頼に来てるんです。気を抜いて依頼を失敗、なんてするわけにはいかないですから。」


「まあ、確かにそうなんだが。」


「そういうわけでちょっと行ってきますね。」


「わかった。なら、その間に俺は朝食の準備をしておくよ。」


「すみませんが、お願いできますか?」


「ああ。」


そう言ってエレナはアンナとアイナを起こしに行った。


「さて、朝食は軽めがいいだろうな。パンに目玉焼きとベーコン、それにサラダのオーソドックスなモーニングにでもするか。」


俺はエレナを見送ると朝食を作るために炊事場へと向かっていった。


朝食の準備が整い、あとは皿に盛りつけるだけとなった時、ちょうどよく3人が姿を現した。


「お、おはよう。」


「おはよう、カズマ。ちょっと寝すぎてしまったようだ。」


「2人ともおはよう。まずは顔を洗ってきたらどうだ?今よりちょっとは目が覚めると思うぞ?」


「そうさせてもらおう。あのマットの寝心地が良すぎて、まだ完全に目が覚めてない感じがするからな。」


「そうなのよね。あのマットで寝ちゃったら、ほかのマットでは寝れなくなるわよ・・・。」


「ほらほら、カズマさんが朝食を用意してくれているんですから、お2人とも早く顔を洗ってきてください。」


「あ、ああ。そうだったな。」


アンナとアイナはエレナに急かされるように洗面所へと向かっていった。


2人が戻ってきたのは5分ほどしてだった。


「ふはぁ~。さっぱりしたわ。」


「ああ、やはり洗顔すると頭の中がシャキッとするな。」


「お2人とも。カズマさんが朝食を用意してくれてますから、席に着いてください。」


「そ、そうね。」


「う、うむ。」


「それではいただきます。」


「「「いただきます。」」」


俺たち4人は昨日のことがなかったかのように、食事を楽しんだ。


そして、


「そういえば、もうオーユの街に着くんですよね?」


「ああ。あと5時間ちょっとも走れば着くと思うぞ。」


「では5時間くらい走ってからは徒歩でいきませんか?」


「徒歩で?」


「はい。このキャンピングカーで街まで行くわけにはいかないと思うんです。」


「それもそうだな。誰も見たことがないものが街に迫ってきていたら、警備兵が警戒するだろう。」


「そしたら、面倒ごとがおこるわね。」


「確かにな。面倒ごとは勘弁してもらいたいし、ここはエレナの案を採用して、街より前から徒歩で移動していくことにしよう。」


「ええ。」


「なに、歩いて行ったとしても半日もあれば街には着くだろう。」


「そうですね。その間訓練はできませんが、面倒ごとを起こすよりはましだと思います。」


「訓練に関してはそんな急ぐものでもないし、気にしなくてもいいんじゃないか?」


「とは言え、早く覚えることに越したことはないのも事実なんだけどね。」


「なぁに、オーユの街での依頼の間にでも出来ることなんだから、カズマの言うように気にすることもないだろう。」


「確かにそうですね。それよりも気にしなければいけないのが、オーユの街でどのような依頼を受けることになるかです。」


「ギルマスからはオーユの街で受けて欲しいとしか言われてないものね。」


「はい。私たちはオーユの街での魔物討伐とは聞いてはいますが、どのような魔物かわからないんです。」


「私たちの知っている魔物かどうかもわからないのは確かに不安だな。」


「ギルマス直々の指名依頼で、あちらのギルマスにも話を通してあるようなので変なことにはならないとは思うのですが・・・。」


「その辺りのことを今考えても仕方ないだろ?わからなければ、聞けばいいんだ。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥。俺の故郷の言葉だ。」


「確かに一時の恥で済むなら聞いたほうがいいですね。素晴らしい言葉です。」


「鬼が出るか蛇が出るか。行ってみてのお楽しみだな。」


「鬼も蛇もごめんよ・・・。」


「まあまあ。せっかくの旅なんだ。楽しまなきゃ損だぜ?」


「はぁ~。あんたってホント楽観的よね。」


「そうか?これでも色々悩んだりするんだがな。」


「おそらく私たちの悩みとは別のベクトルなんだろうな。」


「でしょうね。」


「ですね。」


「3人とも酷くねえか?」


「「「全然。」」」


俺は3人からの言葉のいじめを受け、肩を落としながらも運転席に移動し車を発車させた。


そこから5時間ほど走ったところで、車を降り徒歩での移動に切り替えた。


夕刻にはオーユの街へ到着し、警備兵に冒険者ギルドの場所を確認するとその足でギルドへと向かった。


ギルドの中はそこそこ人がいたが、空いている受付があったので、そこに向いギルマスから預かった手紙を受付嬢に渡した。


受付嬢は「あちらで少々お待ちください。」と言いどこぞへと歩いて行った。


「結構すんなりといったわね。」


「そうだな。まあ、すんなりといってくれる方が私たちにとってもありがたいから、良いことなんだがな。」


「ですね。知らない街のギルドでは良く絡まれるみたいなことも聞きますし。」


「エレナ、それはフラグだ。」


「フラグ?それはいったい・・・。」


エレナが異世界定番のフラグを建てたところでそれはやってきた。


「よう、姉ちゃんたち。ここでは見ない面だな。」


「こんなところで何してるんだ?暇なら俺たちに付き合えよ。なぁに、悪いことはねえと思うぜ。」


「そうそう、何せ俺たちはこの街ではちょっとは名の通ったパーティーだからな。」


「俺たちの誘いを受けれるだなんてお前たちはラッキーだぜ。」


案の定と言うべきか、アイナたちの元へ4人の男が声をかけてきたのだ。


「すまんが、よそへ行ってもらえるか。私たちは用事があって、ここで待機しているところなんだ。」


「そうそう。お呼びじゃないのよ。」


「そういうことですので、申し訳ありません。」


「んだと!俺たちの誘いが受けれねえってのか!」


「ちょっといい女だからって気取ってんじゃねえぞ!」


「黙って俺たちに付き合えばいいだよ!」


「おら、さっさと来いよ!」


4人はアンナ達が誘いを断ると実力行使に出てきた。


だが、


「しつこいぞ。」


「ほんと。これだから、野蛮な男って嫌なのよ。」


「流石にこれはないですね。」


3人がさらりと身をかわすと、4人の男たちの手は行き場をなくし空をさまよう形になった。


「て、てんめぇ~!俺たちの誘いをどうしても受けるつもりはねぇってのか!」


「だから、最初からそう言ってるではないか。」


「そうそう。私たちに声をかけるなら、もっといい男になってからにして欲しいわね。」


「アイナさん。あまり相手を怒らせないほうがいいと思いますよ?」


「何言ってるのよ。あたしは事実を言ってるまでよ?それより、カズマ!あんた、何傍観してるのよ。ちょっとは助けるって気にならないの?」


「ん?別に助ける必要もないだろ?3人ならこんな奴ら余裕だろうし。」


「そりゃぁ、確かにそうではあるんだけど・・・。それでもあんたは男でしょ!女性が絡まれてたら助けるもんじゃない!」


「んだぁ?こんな細っちょろいのがお前らの男だってのか?」


「笑わせてくれるぜ。こんなもやしに何が出来るってんだよ。」


「「ぎゃははははは。」」


俺は別に俺に害を及ぼさなければ、関わる気がなかったのだが、相手は違っていたようで


「なら、お前らの男がぼこぼこにやられるところをそこで見物してろよ。」


「この男の次はお前らだ。泣いてひぃひぃ言っても許してやんねえからな。」


「おら、優男さんよぉ。恨むならてめえの女たちを恨むんだな。」


「大丈夫だぜ。一撃で終わらせてやるからよ。」


なぜか4人の男の標的が俺にすり替わってしまったのだ。


「はぁ~。3人とも後で覚えてろよ?こんなめんどくさいことに巻き込みやがって・・・。」


「何ぶつくさ言ってんだよ!おら、覚悟しやがれ!」


4人のうちの一人が俺に拳を振り上げ、俺の顔面めがけて拳を叩きつけてきた。


「おっそ。」


俺はその拳を横に動くことで交わし、男の軸足に足払いをかけ男を転倒させた。


ドスン


「ふぎゃ~!は、ははが・・・。おへのははが・・・。」


男は顔面から床に倒れこみ、その際に鼻を強打したようで鼻を抑え転げまわっていた。


「や、やろう!」


「何しやがる!」


二人目三人目も拳を振り上げ俺に殴りかかってくるが、その腕に手を添え力の方向を変えることでお互いに殴り合う形へと誘導することに成功した。


「ぶへっ。」


「がふっ。」


お互いの拳がお互いの顔の正中へと当たったようで、互いに鼻血を流しながら後ろへと倒れこんだ。


「てめぇ、何しやがった!もう泣いても許さねぇか・・・。」


四人目の男が腰に下げた剣を抜き構えたところで男の動きが止まり、俺を睨んでいたその目は俺ではなく俺の後ろを注視しているようであった。


「あ、ああああ・・・・。」


「ん?」


俺はその目線の先が気になり後ろを振り向くと、そこにはがたいの良い見るからに歴戦の兵と思われる男が腕を組み仁王立ちで立っていた。



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