そんなに○○ですか?
(さて、ああ言ってみたものの何を作るかな。ポッテサラダは確定として、肉料理はジャンプラビットの唐揚げでいいか。となるとパンではなんか違うよな。ここはやはり俺のソウルフードの米をいくべきだな。んでもって、米と唐揚げとなるとやっぱりカレーだよなぁ~。
こっちきて食ってないから、食いたくて仕方なかったし。カレーとなると唐揚げだけじゃなくて、アサルトディアの鹿カツとフォレストボアの猪カツも作ってもいいな。あとは生野菜のサラダを付け足して完成でいいか。)
俺は頭の中でサラリとメニューを決めると食事の準備を行うためにルームを開いた。
「あら、早速ルームで何か作るの?」
「ああ。今から作る料理は少し時間が必要だからな。すまないが、こっちでは食卓の準備なんかをしてもらえるか?」
「もちろんです。そのくらいはやらせてください。」
「じゃあ、頼むな。」
そう言うと俺はルームへと入っていった。
「さあ、まずは異世界ネットで香辛料を購入しなきゃな。あとは唐揚げ用の粉や小麦粉もか。パン粉もいったっけ?卵が少なくなってたような覚えもあるから卵もか。
マヨネーズは前ので十分だし。あっ!トマト缶買っとかないと。忘れるところだった。危ない危ない。」
俺はカレーに必要なターメリックやチリペッパー、クミンなどの香辛料などを買い込み、調理を開始した。
「まずはポッテとキャロを一口大に切って、オニーオを薄切りにして水にさらす。肉はアサルトディアでいいな。これはゴロっとした食感が欲しいからサイコロ切りにするか。
オニーオを飴色になるまで炒めて、スパイスを入れ込む。香りが立ってきたらトマト缶を入れ込んで、ついでにアサルトディアの肉を入れる。キャロとポッテも入れちまうか。
軽く炒めてから水を入れ込んで、後はグツグツ煮込むと完成だな。味をみてヨーグルトを入れるか考えたらいいだろう。」
米を土鍋で炊き、カレーも準備万端。揚げ物の準備も出来たので時間を確認すると2時間ほどが経過していた。
「あっちではまだ2分しかたってないんだよな。そう考えるとこのスキルはチートだよなぁ~。」
俺はポツリとルームの感想を呟きながらも、3人に食事を振る舞うためにルームから出て行った。
「もう出来たの?」
「流石に早いですね。」
「ああ。それに何とも言えない、いい香りが漂ってきてるな。」
「食欲をそそるいい香りですよね。初めて嗅ぐ香りです。」
「カズマ、準備がいいなら食べさせてよ。この香りを嗅いだら我慢できなくなっちゃった。」
「あいよ。食卓の準備は出来たのか?」
「ああ。皿は何を使ったらいいか聞いてなかったから、わからなかったんだがな。」
「そういえば、言ってなかったな。深皿を4枚と大きめの皿を3枚、取り皿を4枚出してくれるか?あと鍋敷きを真ん中に2枚置いてくれ。」
「鍋敷きの準備できたわよ?」
「サンキュー。それじゃあ、この鍋をおいてっと。土鍋はその隣でいいな。」
「何これ?変わった形してるわね。」
「ん?ああ、土鍋のことか?これは俺の故郷で使われてる鍋でな。色々使えて便利なんだ。」
「へぇ~。」
「お皿の準備出来ましたよ。」
「おっと、もう出来たみたいだな。それじゃあ、皆席に着いてくれ。」
俺がそう声をかける前に3人は席に着いて、カレーの入っている鍋を凝視していた。
「それじゃあ、食べるとしますかね。いただきます。」
「「「いただきます。」」」
俺は皆が我先にカレーに飛びつくと思っていたのだが、思いに反して誰も動きはしなかった。
「ん?どうしたんだ?食わないのか?」
「カズマ。どうやって食べたらいいかわからんのだが?」
「へっ?」
「食べたことないんだから、説明がないと食べられないでしょって言ってんのよ!」
「ああっ!そういうことか。すまんすまん。それじゃあ説明するから、よく聞いといてくれよ?」
俺はカレーライスがどのようなものであるのかを3人に説明し、トッピングで用意しておいた揚げ物のことも話した。
「なるほどね。でもこの白いのって本当に食べれるの?」
「もちろんだ。この米は栄養価が高く、俺の故郷では主食だったんだぞ?」
「ポッテサラダのこともありますし、食べてみないとわからないんでしょうね。」
「エレナ、正解!まあ、どうしても口に合わなかったら、パンを用意してやるからまずは食ってみてくれ。」
「そうだな。では、いただくとしよう。」
3人は土鍋から米を、鍋からカレーをそれぞれの皿に移し意を決したように一口で頬張った。
「「「!!!」」」」
「どうだ?なかなかいけるだろ?」
「「「・・・」」」
「おいおい。いつまでも黙ってないで感想ぐらい聞かせてくれよ。」
「か・・・。」
「か?」
「辛い~!!!」
「はぁ?そんなに辛く仕上げてないと思うが?」
「あんた、一体どんな舌してんのよ!これが辛くないですって!?」
「カズマさん。この仕打ちはあまりにも酷いです・・・。」
「さ、さすがの私もこの仕打ちには怒りを覚えるんだが?私たちは何か君の気に入らないことをしたというのか?」
「おいおいおい。ちょっと待ってくれよ。本当にそんなに辛く作ってないんだって。」
「じゃあ、この辛さは何だって言うのよ!」
「そんなに辛いか?」
俺は3人の言うことが信じられず、一口食べてみた。
「ん。美味いじゃないか。そんなに辛くもないし、どちらかと言うと中辛だぞこれ?」
「中辛ってなによ。とにかく、あたし達には辛いのよ!」
「物凄く食欲をそそる匂いだったのに、残念です・・・。」
「カズマ、すまないが私たちにはこれは食べられそうにもない。」
「う~ん。まさか3人の舌がそこまでおこちゃまだったとは・・・。しゃあない。ほれ、これをカレーにかけてからよく混ぜて食べてみろ。」
俺は3人にマヨネーズを渡し、再度食べてみるよう促した。
「これってマヨネーズ?本当にこれで辛くなくなるの?」
「多少はマシになるぞ。でもあまりかけ過ぎるなよ?」
「今の辛さが抑えられるなら、いくらでもかけるわよ!それで?どれくらいかけたらいいの?」
「そうだな・・・。自分の好みに調整するなら、スプーン一杯ずつで調整するのがいいんじゃないか?」
「ふむ。では早速試してみよう。」
アンナの発言を皮切りに3人はこぞってマヨネーズを手に取り、自分好みの辛さになるように調整していった。
その結果、アンナはスプーンで3杯、エレナは4杯、アイナに至っては6杯も要したのである。
「アイナって意外とおこちゃまな舌だったんだな。」
「あたしの舌はおこちゃまなんかじゃないわよ!あんたの舌がおかしいのよ!」
「これは俺の故郷では普通の辛さなんだよ。これより更に辛いのだってあるんだぞ?」
「これより更に辛いって、そんなの人間の食べるものじゃないわよ!?」
「まあ、大抵の奴はこの辛さで満足するから、更に辛いのなんて食べないだけどな。」
「ふむ。辛さを抑えて食べてみると、これはなかなかに美味いな。この米というのにもよく合う。」
「はい。香辛料のピリッとした辛さとマヨネーズの甘味が程よくマッチして、美味しいですね。」
「それにこのトッピングの唐揚げ?ってのもいいわね。噛み切ると肉汁が口の中にブワって広がって、肉を食べてるって実感できるわ。
それにこれって、ジャンプラビット自体にも味が付いてるみたい。」
「アイナ正解。この唐揚げは、兎肉自体にも味付けをしてあるんだ。もちろん、唐揚げだけじゃなくて、鹿カツや猪カツにも味付けはしてあるぞ。」
「カズマさん。この唐揚げやカツはどうやって作ったのですか?調理方法がいまいち見えてこないんですが?」
「ああ、これの作り方か?これは鍋に油を大量に入れて熱してから、そこに肉を入れて揚げてるんだ。油を大量に使うから、頻繁には作れないのがネックなんだが、今日は特別に作ってみたんだ。」
「大量に使うとはどのくらい使うんですか?」
「最低でも鍋に半分は入れるな。でないと油の中で肉が踊らないからな。」
「そんなに使うんですか!?」
「ああ。だから頻繁には作れないんだ。」
「ふむ。そういうことなら、より味わって食べないと失礼に当たるな。」
「気にしなくていいぞ?飯ってのはな、食ったやつが笑顔になるのが作り手からしたら何とも言えない褒美になるんだ。味わって食べるのもいいが、変に畏まる必要はないぞ?」
「そうなんですか?」
「ああ。だから、ワイワイ楽しく食おうぜ。」
俺がそういうと、3人の緊張がとけたのか唐揚げやカツを取り合うかの如く、競い合って自分の皿に載せていった。
俺はそんな3人を眺めながら、久々に食べれたカレーに満足するのであった。




