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俺の使う初期魔法はおかしいようだ。

俺たちは森から抜けるために移動の準備を始めた。


痛手だったのは先の戦闘で、彼女たちの荷物がほぼ壊滅状態になってしまっていたことだ。


無事だった荷物は俺のアイテムボックスへ預かり俺たちは出発した。


森を抜けるまでの間に彼女たちから色々な情報が仕入れられた。


彼女たちが戦っていた猪は魔獣で、名前をフォレストボアというらしい。


冒険者ギルドが定めた討伐ランクはD。普通ならば彼女たちが苦戦するような相手でもないそうだが、今回は不意打ちを食らったために苦戦してしまったそうだ。


俺の仕留めた狼も魔獣だそうで、名前はプレインウルフ。


討伐ランクは単体だとEだが、集団になるとDになるらしい。


魔物・魔獣、両方ともが人に害をなすことに変わりないので一括りにして、魔物と呼んでいるということも教えてもらった。


動物と魔獣の見分け方も教えてもらえたが、動物は人の匂いや気配を感じると逃げるのに対して、魔獣は襲ってくることが見分け方だと言われた。


あと、俺にとってとても重要なことを教えてもらった。


それはギルドで魔物を解体や買取してもらうには、登録をしないといけないということだ。


解体だけなら確かに肉屋でもしてもらえるそうなのだが、それは食べられる魔物だけとのこと。


ギルドでお願いする場合、登録していないととてもややこしいことになるらしく、俺は登録の必要性が迫られた気がした。


そこまで知識で調べていなかったことを激しく後悔したが、今更どうしようもないので、今後、知識は誰かに教えてもらったことの補てんに使うことに決めた。


「そういや、3人とも怪我は大丈夫なのか?」


「ああ、不意打ちを食らったとはいえ、それなりに鍛えているからな。」


「私はアンナさんが庇ってくれましたから。」


「あたしはギリギリ剣で受け止めたからね。」


「そうか。しかし、念のためにこれを飲んどいたほうがいいかもな。」


俺はアイテムボックスから買っておいたポーションを取り出し、彼女たちに渡した。


「そこまでしてもらわなくとも大丈夫だぞ?このような怪我は戦闘があればいつものことだ。」


「そうなんだろうが、万が一に備えてだ。それにもし、今の状況で魔物に襲われたら戦力はがた落ちだろ?」


「確かにそうね・・・。カズマの言うとこにも一理あるから、ここは遠慮なくいただくことにしましょ?」


「確かにそうだな。わかった。カズマ、お言葉に甘えさせてもらう。」


「ありがとうございます。カズマさん。」


「俺のためでもあるんだ。気にするな。」


「そういえば、3人はなんでこの森に来てたんだ?俺はプレインウルフに襲われたからなんだが、依頼か何かなのか?」


「ああ、薬草採取の依頼を受けてな。」


「そうか。薬草は無事だったのか?駄目だったなら今からでも採取してもいいんだぞ?」


「その心配はいらない。必要数以上にとっておいたことが功をそうしたようでな、必要数には足りている。」


「そうか、それならいいんだ。」


そんな会話をしながら俺たちは森を抜けた。


「なんとか森を抜けれたな。」


「ええ、でも日が傾き始めてるから、今日はもう少し進んで野営するしかないわね。」


「そうだな。夜間の移動は危険すぎるからな。」


「なら、完全に日が沈んでしまう前に野営場所を決めてしまおう。」


「そうですね。少し急ぎましょう。」


「ああ。」


少しでも安全な野営場所を求めて、俺たちは移動を始めた。


日がだいぶんと傾き、辺りに暗闇が訪れ始めたころアイナが口を開いた。


「ここらで野営にしましょう。これ以上進んでもあまり変わらないわ。それよりもまだ日がある内に食事の準備なんかをしてしまわないと。」


「そうだな。じゃあ、今日はここで野営をしよう。皆で手分けして食事の準備をし、それが終わってから今後の打ち合わせという流れで構わないか?」


「俺は問題ないぞ。」


「私も構いません。」


「では早速かかるとしよう。カズマすまないが、エレナの背負い鞄を出してもらえないか?」


「わかった。」


俺はアイテムボックスを唱え、エレナの背負い鞄を取り出した。


「よし、燻製肉は無事だな。パンや野菜があればパン包にして食べるんだが、ないもの強請りをしてもどうしようもない。今後はこれだけで食べていくことにしよう。」


「お水は私が魔法で出しますから大丈夫ですよ。ってコップや食器類はアイナさんの鞄の中でした・・・。」


「ああっ!?そういえば、そうだったわね。どうする?この塩辛い燻製肉を水なしで食べるのは、無理があるわよ?」


「しかし、何も食べないわけにもいくまい?水は直接口に出してもらう、という形をとるしかないだろう。」


「そう、ですね。そうしましょう。」


「そうね・・・。」


3人がある種の悲壮感に暮れているころ、俺はいつものように食事の準備を始めていた。


(さて、まずは(グランド)で竈を作って、その中に森で拾った小枝や街で買った薪を入れる。んで、(ファイア)で火をつけてから、こっちの準備はオーケーっと。)


(次にアイテムボックスから机と椅子、調理器具に食器と食材を出して、まず鍋に(ウォーター)で水を入れる。これは竈の上に設置して、次は食材だ。まな板の上で、食材を一口大に切り分けて鍋に投入。塩で味付けして、これでスープは問題なし。

 あとは白パンと出来上がったスープを食器に盛り付けて晩飯の完成だな。コップには(アイス)で氷を入れておくか。しっかし、食器やコップのセットを買っといて正解だったな。)


「そういや、街までは後何日くらいかかるんだ?」


「うん?そうだな、今日を含めて5日といったところか。」


「そういや、あんたさっきから何やってんの?って何よこれ!?」


「うん?晩飯の準備だが?」


「そうじゃなくて、この竈や机なんかはどうしたのかって聞いてんのよ!!」


「おお、これか?竈は(グランド)で作った。いやぁ~、初期魔法って便利だよな。机なんかは買っといたのをアイテムボックスから出しただけだ。」


「初期魔法!?普通、初期魔法でこんなこと出来ないわよ!」


「そうなのか?俺は普通に出来たから、皆出来るもんだと思ってたんだが?」


「出来るわけないじゃない!特に(グランド)は使えない初期魔法って言われているのよ?」


「何?これほどまでに便利なのに、使えないなんて嘘だろ?」


「いえ、本当です。(ファイア)(ウォーター)(ウインド)(ライト)は日常生活でも活用の場があるのですが、(グランド)(ダーク)は使う場所がないので、使えない初期魔法と言われています。」


「そ、そうなのか・・・。」


「ま、まあいいじゃないか。カズマのおかげで食事の心配はなくなったんだから。」


「確かにそうなんだけど。そうなんだけど・・・。」


「細かいことは気にするな。それよりさっさと飯にしようぜ。もう少しでスープが出来上がると思うから、席について待っててくれ。」


「いや、準備を何も手伝っていないんだ。後は私たちがやるから、カズマこそ席について待っててくれ。」


「もうここまでしたんだから構いやしねえよ。どうしてもって言うなら明日は頼む。それでいいだろ?」


「いやしかし・・・。」


「それに3人は戦闘もして疲れてんだからさ。今日の飯時くらいはゆっくりしてろよ。」


「そこまで言われてしまってはな。わかった。今日はお言葉に甘えさせてもらう。」


「ああ、それでいいさ。そうそう、水が飲みたけりゃエレナに頼んで、コップに(ウォーター)で水を入れてもらってくれ。」


「了解した。」


「ねえちょっと!このコップ氷が入ってるじゃない!この氷どうしたのよ?」


「ああ、少しでも冷たいほうがいいかと思ってな?(アイス)で氷入れといた。動いた後の冷たい水は美味いぞ。」


(アイス)なんて聞いたことないわよ!あんた一体何者なわけ!?」


アイナからの質問をスルーし俺は食事の準備を続けた。


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