14.お姉ちゃん
…全部…思い出した。
地べたに座り込んでた私は立ち上がり、陵子と亜矢を背に向け走り出した。
…陵子、亜矢…ごめんね。…ありがとう!
そう心で言うと私は自分の家に向かった。
自分の部屋に戻るとドアの横にかかってた学ランを手にとり、再び家を飛び出す。
するとそこへお姉ちゃんと出くわした。
「瑠美!ちょ…学ランなんか持ってどこ行くの!?てかそれ誰のよ!」
「京ちゃんのだよ。今から京ちゃんに返しに行くの!」
「京ちゃんって…京介くんのこと…?でもあんた…、思い…だしたの…?」
「うん…。だから、私、京ちゃんに会わないと行けないの!言いたい事がたくさんある…!」
「瑠美、あんた分かってるでしょ…?京介くんは…!」
「うん分かってる。分かってるよ。でもね?お姉ちゃん、私、記憶なくしてる間、京ちゃんと会ったんだよ?話したんだよ?この前私を家に送ってくれたのも京ちゃんなんだよ?」
「瑠美…。」
「ありえないって、おかしいって思ってるかもしれない。でも私、京ちゃんといたの!だから私、今から京ちゃんと本当にさよならしに行かないといけないの!」
お姉ちゃんは私の肩を掴むと目を合わせて言った。
「うん…分かったよ。だったらちゃんと京介くんに自分の思ってること、全部ぶつけてこい!」
お姉ちゃんの言葉に、涙が出そうだった。
「…うん…。ありがとうお姉ちゃん!行って来る!」
「行ってこい!それでこそ我が妹だ!」
ありがとう、お姉ちゃん…!
お姉ちゃんは私が学校行かなくなった日から私が記憶障害だってことを知ってたんだ。
だから京ちゃんの事は言わなかった。
無理矢理学校に行かせることもなかった。
お姉ちゃんは、私の事を分かっててくれたんだ。
お姉ちゃんが私のお姉ちゃんで本当に良かったよ…。
そして私はある場所へと走り出す。




