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異世界の君、復興物語 ~狩猟技術と農家の知恵でお国復興しちゃいます~  作者: ezodate
第20章 葡萄畑発展譚

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第367話 葡萄畑発展譚(6)

 天くんと虹竜の2人を連れて、兄の野外レストランについたのは、ミアカ村の皆様がすべて食事を終え、兄がその片づけを終えたタイミングだった。


「兄さん、お待たせ!遅くなってゴメン!」

「いや、いいと言えばいいけど、お腹すいてないか?」

「ものすごく」


 後ろからついてくる3人は嬉しそうについてくるだけで、特に悪びれた様子もない。むしろ一仕事を終えてさあ、ご飯!といった気分に見える。


「遅い!遅いよ!!天!」


 待機班で最初に声をあげたのは魔法使いさんだった。イオくんと魔女さんもいることだし、別に待たなくてもよかったのにとも思うけれど、きっと一緒に食べたかったんだろうな。


「待たせてごめんね。ユウ兄ちゃんも、ごめんね」

「仕事してたんだろう?いいっていいって」

「閃閃と閃電が頑張っていて、ぼくは見ていただけだけど……」

「じゃあ、現場監督だ」

「現場監督!」

 

 そう言い、天くんはにこにこ笑いながら席に着く。兄は天くんが何をしていたかちゃんとわかっていたよう。やっぱりなにかしら繋がっているのかな。そして、何をしていたか確実にわかっていそうな双璧な2人も、待ってましたと言わんばかりに席に着く。


「アオくん、先に席についていて。いま配膳するから」

「いえ、手伝いますよ!」


 そこまで言ったところで休憩していたイオくんも席を立ったものの、アオくんに着席を促され魔女さんの横に着席した。私とアオくんは肘までちゃんと手を洗い、配膳作業に取り掛かる。

 とはいえ、人数がすくないのであっという間に全員の配膳が完了し、席に着く。そこから皆で手をあわせ、「いただきます」と言い、食べ始めた。「いただきます」については私と兄が率先してやっていた結果、みんなにしっかり定着した。今となっては私や兄が居なくても自発的にこのメンバーはやっている様子。


 そんなこんなであっという間に焼き立てパンにシチュー、付け合わせにアスパラ 牛乳を添えては完食となった。加えてデザートとしてアトル産のマンゴーをカットしてしてくれた。これはミアカ村のみんなにも提供したと聞いた。

 食べ終わったところで、先ほど天くんたちが頑張って作った樽ラックを見に行き、褒めちぎった。いい感じの作り置きの樽ラックみたいになっていて、今後の展望も開けるって言った感じ。


「で、次の作業は明日でいいか?」

「そうだね。葡萄も時間停止倉庫にいるから、傷むこともないし」

「ありえないほど便利だよなあ、お前のそのスキル」

「いや~それほどでも‼便利!」


 そしてそこからナット城温泉にみんなで赴き英気を養ったあと、魔女さんとイオくんは王城へ、他のメンバーは私の実家へ移動し、翌日の作業に備えたのであった。


 ◇


「ねえ兄さん、相談といえば相談なんだけど、選果だけは自分たちの手でやらないといけないんじゃないか、と思うんだよね。イオくんのオート魔法はすごいけど、ワインとか発酵食品とかって……」

「ああ!手の表在菌か!」

「そうそう。それで味わいとか変わったりするみたいだから、きっと魔法でやっちゃうとそこそこ美味しいものは造れても、本当に美味しいものは造れない可能性もあるんじゃないかなあ、って思うんだよね」

「この先量産体制を敷けるようになったらセカンドラインとか、ハウスワインで出すのであれば全部魔法でもいいけど、って言いたいわけか」

「そのとおり!さすが兄さん理解が早い」


 もう洗顔も歯磨きも終わった状態で兄とリビングで話し合う。今回はみんなはお手伝い、兄と私が主導しているので、ミーティングは密にするに限る。そして今この家にいるのは私たち兄弟とアオくんと魔法使いさんと天くん。

 魔法使いさんは自室で休み……休んでるのかな?まあ、詮索はしない。アオくんは例にもれずういと遊んでいる。いや、遊んでいるというかじゃれている。かわいいとかわいいで最強だな。


「じゃあさ、明日はまずみんなで選果をして、その後はイオの魔法式で進めてみるか」

「そうだね。まず1年目はそれでいって、来年以降についてもまた考えてみたらいいかな」

「それさ、お前の時魔法で一気に熟成させるとか可能なのかな?」

「やったこと、ない」


 そもそも私は時魔法を【無限フリースペース】内でしかほぼ使っていない。外で使って何かをすることも可能ではあるだろうけれど、それをするとミアカ村もといナットの雇用創出とは程遠くなる。正直極力避けたい。

 

「時魔法って誰それと見られるところでは使用しないほうがいいかなって思ってて、タツミさんとイヌイさんが居るところでは使わないほうがいいかなって……【無限フリースペース】は当たり前のようにミアカ村のみんなに知れているからこれはもう、いいんだけど」

「おぉ……リスク管理」

「私もそれほど強いわけじゃないから、そういうところから自衛していったほうがいいかなあと」


 そう言ったところで兄はじっと私を見る。何だろう、ステータスでも見てるのかな?あまりスキルも取ってないうえに、スキルポイントもここぞという時のために大量に余しているのは、別にバレても兄さんになら問題ないわけだけど。


「妹よ、お前このスキル構成で良く戦えてるな?縛りプレイなのか?」

「ここぞというときに取れればそれでいいかな、と」

「熟練度は」

「追々上がるでしょ」


 そこから兄は変人を見るような顔をし私を見た。

お読みいただきありがとうございます。

現在不定期更新となっていますので、更新予告はX(@ezodate)をご覧ください。

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