6.最初のミッション
西暦918年(和暦:延喜18年)
雲一つない青空のもと、都へ続く五畿七道の一つ、東海道を歩む一行がいる。
騎乗しているものが3人ほどと徒歩の者が数人。
「若、お疲れではありませんか?」
一味の中でも騎乗した壮年らしき男が声をかける。
「…問題ない。まだまだ行ける。」
若、と呼ばれた男…いやまだ少年でも通用する声色だ。彼も騎乗している。
「ならば、先を急ぎましょう。この先は鬼怒川、渡良瀬川、利根川などいくつもの川を渡河することになります故。」
一味の中で、一人だけ違和感のある装束の男が言う。彼は歩いているが何も持っていない。
「この水主の言うとおりだ。川が穏やかなうちに越えておきたい。」
…なるほど、昔の船頭か…。
…確かこの頃は土木技術も未熟なはずだ。渡し舟が主流なのだろう。
「小次郎様、馬を早めますが着いて来られますか?」
…なるほど。あの若者が小次郎様か…。
「そうだな。馬を早めよう。だが、徒の者はどうする?」
足を止めることなく、小次郎とその一行は話を続ける。
「徒者は最初の川岸までしか連れて行かぬ。武蔵国に入ればそこで別の者が同道することになっている。」
壮年の男が言う。
「左様か…。」
小次郎もそれもそうだと思ったのだろう。
「彼らはあくまでも当家の田畑を耕す百姓たちだ。そこまで長き間、連れまわすこともできぬしな。」
…この時代も農民がこういった雑用を行うことはあったんだなぁ。
「気にすることはないですぜ若様。」
そう言って小次郎に顔を向けてくるのは、今回の徒者の一人。
「旦那様から無事に送り届ければ、褒美がもらえるらしいんで…酒だと嬉しいなぁ。」
徒者が話しながらにやける。
…この時代も酒は貴重品だ。
「酒か!…俺も元服の時に一杯飲んだが、正直そんな旨いとは思わなかったぞ…。」
…小次郎は元服、つまり成人したのか…。まぁまだガキの年齢じゃ酒の旨さも分からんだろうがな…。
「若も、もう少し年を取ればわかりますよ。」
壮年の男も微笑みながら話に加わる。
「やれやれ…爺は相変わらずだな…、先に行くぞ。」
「若、何も儂は邪魔などは…あぁ!そっちは違います!それも一気に駆けて…。田助、若を追いかける。お前たちは水主とともに先に行っておれ!」
…田助っていうのがあの農民か…。
…それにしても、小次郎は街道を言ったのだろうが、それは東海道から少し外れた道。
…つまり、俺がいる方向に来ているということだ。
ー『練習シナリオ/小次郎を襲撃せよ。』ー
…ファッ!なんか発生した。
ー概要ー攻略難易度★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
小次郎がこちらに向かって突進してくる。
こちらに注意をひきつけ、動きを止めよ。
ー攻略達成条件ー達成報酬:下総の馬(強化装備)
1:小次郎を捕縛する。
ー追加報酬条件ー達成報酬:騎馬操術(強化スキル)
1:攻撃をせずに小次郎の動きを止める。